オオカミ男のひとりごと


HERO‘S 大神 龍
年齢不詳

職業フリーライター

見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。

時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。

愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ750?。

第43回 2015年夏、俺節へ CB750cafeウルフガイ・スペシャル見参!!

 
 高速道路に乗って1時間半。こ、腰が・・・。痛いわけではないのだが固まっていっているのが明白なまでに実感としてある。もっといけると思っていたのだがこのCBで同じ姿勢での長時間走行はやはり結構、キツイ。しかもマシンは空冷の心臓をカウルで囲っているのでこの日の猛暑日と言える気温の中では思いっきりアクセルを開ける事ができない。さらにはそのエンジンからの熱風がオレめがけて吹きつけてくる。舞鶴道が開通して大阪京都を経由する事無く北陸道へ合流する事ができるようになった事が唯一の救いだがこりゃ新潟まで予想以上に時間がかかってしまいそうだ。
 コイツは走るステージ、シチュエーションを選ぶ。レーサーポジションゆえにサーキットや峠道のようにワインディングが連続するような道ではヒジョウに楽しい。前日に神戸のエイトマン宅に立ち寄り、夜の街をつるんで走った時も楽しかった。たが・・・今回のような高速を使った長距離移動は不向きと言わざるをえない。やるにしても1時間くらいに一回は休憩を入れて体をほぐさないとおかしな事になってしまいそうだ。



現夜の街をエイトマンのZ1300とともに空港まで夜走り。ほんのちょい走りなのに妙な走り応え。これは今までのマシンではなかった感覚
夜の街をエイトマンのZ1300とともに空港まで夜走り。ほんのちょい走りなのに妙な走り応え。これは今までのマシンではなかった感覚。

 
 そして、今、向かっている俺節のようなキャンプが前提な集会の場合、それなりの装備が必要になるのだが・・・・絶望的に荷物が積めないという問題もある。いろいろと思案したが頑張ってバッグひとつが限界である。この日もバッグにテント、マット、シュラフだけを詰めてシートカウルの上に積んだのだが、これが何とも似合わない。まぁそのあたりは百も承知で購入したのだから文句を言うつもりはない。コイツは純粋に走る事だけを楽しむマシンだ。今回は走る距離が距離だけに頑張っちゃいるが無理せず気持ちの良い山道なんかを走っている方が楽しいし、実際、そうすべきマシンなのだろう。便利であるとか色んな用途を求めないただ娯楽として用いるためだけの贅沢なマシン。そんな究極の個人主義的な時間に他者が介入する余地はない。これはある意味とても貴重で幸せな時間である。



現実問題として荷物は積めないし何とか積んでも似合わない。コイツは旅の足としてはNGですな


現実問題として荷物は積めないし何とか積んでも似合わない。コイツは旅の足としてはNGですな
現実問題として荷物は積めないし何とか積んでも似合わない。コイツは旅の足としてはNGですな。

 
 まぁ今回は少ししんどいが我慢して新しい相棒をみんなに見てもらおう。ふっ、自分で言うのもなんだが実に大人げない。大人げない行動ではあるがこれはバイクそのものがガキのオモチャではなくとびっきり贅沢な大人の遊び道具である事の表現でありバイク遊びにおける次なるスッテプの提案だ。流行やノリなどではなく本物の自分の価値観を基準にし、覚悟と決意をもって手に入れた高額な憧れのマシン。まだ慣れていないポジションゆえに多少の戸惑いはあるがそれでももっと乗っていたいと思わせてくれる。まぁ思っていた以上にペースは上がらないが・・・。 
 案の定、すっかり日も暮れて六日町のICに着いたのは夜の9時半、ここでちょっとした問題が発生する。ETCのゲートがない。オレがどうすりゃいいんだとばかりに右往左往していると料金所の人が出てきて「ETCゲートは今、工事中なんでカードを渡してください」と。なんてこった、この車両についているETCの本体はシートの中である。あぁ面倒くさい。結果、なんだかんだで料金所を出るのに10分ほどもかかってしまった。
 そこからさらに走る事10数分、会場となる河川敷に着くと・・・んっ!? 明かりが煌々とつきやたらと人がいる。実はこの日は俺節の当日ではなくその前夜。もちろん気の早い連中が何人かいるであろう事は予想していたがその人数はオレの予想を遥かに上回っている。とりあえず下まで降りていきマシンを宴会場の真ん前に乗り付けるとそこにいた参加者が好気な眼差しで群がってきた。この反応は予想通り。そして全員が知った顔。それにしても人数が多い。20人くらいいるのではないだろうか。ここ数年、この手の集会などではその前日に集まった少人数で前夜祭が行われることが定番化してきている。その意味するところはそれが本祭とは別の意味で楽しいからに他ならない。本祭で集まる人数が多ければ多いほどその面白さは際立っているようにすら思える。大人数の中で多くの出会いを得た者が次に望むのはやはり少人数での中身が濃く、深い話、情報のやり取りなのだろうな。この日の人数は前夜祭としては少々多めだがそれでも結構、深いところにテーマを持っていきオレはあれこれ語り散らかした。色んな所でよく会うがなかなかゆっくり話すことができない面子などがいる時、オレはここぞとばかりにその欲求を満たしにかかる。この日のこの状況はそのお膳立てとしては最高だ。有意義な時間だけが過ぎていった。



前夜祭でありながら地味宴というには賑やか。まぁ本番に集まる参加者の規模を考えたらこれでも十分に地味なのかもしれない
前夜祭でありながら地味宴というには賑やか。まぁ本番に集まる参加者の規模を考えたらこれでも十分に地味なのかもしれない。

 
 一夜明けた本祭当日、この日は昨夜の何倍もの人数が集まるのだろう。せっかく新潟まで来たのだからその前に少し走ろう。とはいうものの今回、地図もナビも持ってきていない。知っている所で適当に走って温泉にでも入ろうと思い立ち17号を群馬の方へ走ったところにある道の駅にある温泉に入り昼食をとった。先日、バカ暑い中を丸一日走った体をさっぱりと流すとかなり気持ちもすっきりした。
 さて会場に戻って前夜祭とは違った趣向で呑むとするか。会場に戻ると時間とともに人は増えていった。その流れは夜になるまで切れる事がなかった。四国九州からの参加も多く、ここのところこの手の集会がご無沙汰だったオレには久しぶりに会う顔も多い。そんな距離を隔てた仲間同士、お互いが元気であることを確認しあえる約束の地というのはやはりあった方がいい。そしてその一人一人にオレはオレのニューマシンを自慢げに紹介していきその話をネタに俺節の一夜を過ごした。その翌日、恒例の流しそうめんを頂き昼頃までのんびり過ごしたのちにオレは帰路につきたっぷり時間を使って走り深夜に家に帰りついた。今回、CBの初のお披露目としては十分なものだったろう。ただ、その行き帰りの道中における走りについては相当の痩せ我慢であったことは否めない。今後のテーマと言えるかもしれないがこれはまぁ・・・仕方ないな。



車で参加の眞砂谷家のマルちゃんは現在もリハビリ中。それでも笑顔でこの場にいる姿を見ると安心する。早く回復するといいね


恒例の主催須藤君の挨拶で俺節スタート。地元の仲間同士で始めた集会は今や全国規模で人が集まるようになった。これからもずっと続いていってもらいたい
車で参加の眞砂谷家のマルちゃんは現在もリハビリ中。それでも笑顔でこの場にいる姿を見ると安心する。早く回復するといいね。 恒例の主催須藤君の挨拶で俺節スタート。地元の仲間同士で始めた集会は今や全国規模で人が集まるようになった。これからもずっと続いていってもらいたい。


予想通り集まった人、人、人。新しい人も増えた。オレもそうかもしれんがみんなちょっと老けたかな
予想通り集まった人、人、人。新しい人も増えた。オレもそうかもしれんがみんなちょっと老けたかな。


恒例の流しそうめんは呑んだ翌朝の胃袋に優しく入っていく。たっぷりといただきました。ご馳走様でした


オレのマシンもレアだが赤堀氏の乗ってきたCBR400F3も今に在っては激レアなマシン。むか~し、コレ欲しかったんだよな
恒例の流しそうめんは呑んだ翌朝の胃袋に優しく入っていく。たっぷりといただきました。ご馳走様でした。 オレのマシンもレアだが赤堀氏の乗ってきたCBR400F3も今に在っては激レアなマシン。むか~し、コレ欲しかったんだよな。

 岡山に帰ってからオレはCBで二日ほど地元の峠を走り込んだのだがここでちょっとした不具合が発生。フロントフォークからオイルが漏れ始めた。これは長い事、走らせずに保管していたことからくる部品の劣化によるものだろう。ちょうどこのマシンに追加したい事もあったので修理も含めてCB750カフェは再びバイク屋の展示車両となった。
 まぁちょうどいい。8月、岡山に戻ってからというものCBにべったりだったのでそろそろエイプやセローにもかまってやらないとまたスネられてしまうし、そうなると困る。なんて思っていたのだが・・・・時すでに遅し。セローはともかくエイプに関して言うと拗ねたというよりも・・・グレた。さてこいつはどう機嫌をとりますかね。


CB750カフェは帰る早々に入院となり前愛機の横に展示となりました。色んな意味で次なる仕上がりが楽しみ
CB750カフェは帰る早々に入院となり前愛機の横に展示となりました。色んな意味で次なる仕上がりが楽しみ。

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