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ホンダ
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CBR400R ライディングポジション。ライダーの身長は170cm。(※写真上でクリックすると両足時の足着き性が見られます)

 見た目の好き嫌いは人それぞれで、旧型の方がイイという人もいるだろうが、今度のは攻撃的な鋭い印象でデザイン的な処理が新しいのは確かで、「かっこよくなった」と多くの人が素直に思える姿になったのではないか。実物を前にして、しげしげと眺めながら車体の周りを見て回った個人的な感想は、「おぉ、イケメンになったね」である。
 
 機能や機械的には大きな変化ではなく、熟成させたもの。変わった箇所は見た目と違い小さい。強いアピールポイントはないけれど、それほど前傾していないポジションや、高回転までストレス無く回る制御しやすいエンジン特性という、親しみやすさで定評のあった部分はそのまま。シートに座ってみて、ハンドルを掴んで、ステップに足を載せ走りだしても、前のとの違いを感じることはない。腕、足に窮屈なところはないけれど、きゅっと引き締まったコンパクトさがあるCBR400Rならではのもの。乗り出しから自分のバイクのように乗れる感じは変わらない。体に触れる部分や操作機能などフィーリングがコントロールされているのはホンダらしいところ。だから全てに特別なことがなく無個性で普通に感じてしまい評価されにくいけれど、その気配り感は見事なものだ。否定的な立場に立つと、「従順すぎて面白みが」と言いそうなくらい作りこみはしっかりしている。
 
 エンジンはシフトフィールを良くする変更がされただけで、大きな違いは無いけれど、よりスムーズに感じた。低中回転のレスポンスや制御感、高回転まで回した時のノイズや振動が小さく、より洗練された感じがする。旧型とその場で乗り比べたわけではないけれど、そういう印象。フロントフォークはインナーチューブがφ41mmの正立タイプと同じながら、新たにプリロードアジャスターを採用した。試乗ではリア共まったく設定を変えず乗った。この新フォークの効果かなのか、前と同じように良く動くが、より抑制の効いた動き。しっとりと速度の高低や路面の変化への追従が良くなったと思えた。減速時のしっかり感が出て、ワインディングでは、軽快な動きの中でタイヤの接地状態を掴みやすく、安心感が増した。高速域で、ギャップを通過した時のおさまりも不満なく、スーパースポーツと呼べるほど高性能なものではないけれど、トラクション制御しやすく、連続するコーナをちゃんと楽しめる。差が無いはずと思いきや、走りの部分もブラッシュアップしたよう。
 

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“AGGRESSIVE SPEED SHAPE”をスタイリングコンセプトに、CBRシリーズのフラッグシップモデル「CBR1000RR」のDNAを受け継ぐ、スピード感を強調した外観に一新。特にフロントフェイスが新しい。 スクリーン下端部にダクトを設け、走行時のライダーの頭部まわりにおける乱流を抑制することで、快適性を向上。また、ヘッドライト上部やミドルカウルに設けたダクトにより、導風経路を設定することで軽快なハンドリングを実現させているという。 フューエルタンクは、容量を1L拡大して16Lにするとともに、給油時に便利なヒンジタイプのキャップを採用。さらにライダーの手の大きさに合わせ5段階の調整機構付きのブレーキレバーも採用するなど、利便性能向上を図っている。
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前後分割式のシート。エッジの効いたリアカウルにクリアインナーレンズの新設計LEDテールランプを採用。スタイリッシュな形状としたリアフェンダーステーの採用等により、シャープで軽快な印象に。 新形状の異型断面マフラーは、内部構造などを変更し排気効率の向上とマスの集中化を図るとともに、低音を増幅させることで心地の良いエキゾーストサウンドを実現。 ギアチェンジの多い市街地でも快適に走行できるよう、ギアチェンジペダルの操作荷重を低減させ、操作フィーリングを向上させている。
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■Honda CBR400R〔CBR400R ABS〕(2BL-NC47) 主要諸元
 
●全長×全高×全幅:2,080×750×1,145mm、ホイールベース:1,410mm、最低地上高:140mm、シート高:785mm、車両重量:192〔194〕kg、燃料タンク容量:16リットル●エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ、排気量:399cm3、内径×行程:67.0×56.6mm、圧縮比:11.0、最高出力:34kW(46PS)/9,500rpm、最大トルク:37N・m(3.8kgf-m)/7,500rpm、燃料供給方式:電子制御燃料噴射(PGM-FI)、点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火、始動方式:セルフ式、潤滑方式:圧送飛沫併用式●トランスミッション形式:常時噛合式6段リターン、クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング●フレーム形式:ダイヤモンド、キャスター:25°30′、トレール:102mm●サスペンション:前・テレスコピック、後・スイングアーム(プロリンク)●ブレーキ:前・油圧式シングルディスク、後・油圧式シングルディスク、タイヤ:前・120/70ZR17M/C 58W、後・160/60ZR17M/C 69W●メーカー希望小売価格:699,840円~〔750,600円~〕(2月26日発売)
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400X ライディングポジション。ライダーの身長は170cm。(※写真上でクリックすると両足時の足着き性が見られます)

 もう片方の400Xは、この兄弟の中では販売的に成功している。400クラスに、ツーリング向けデュアルパーパス、いわゆるアドベンチャースタイルをしたモデルは他にないというのもあって、重宝されてきた。その400Xもルックスが変わったのが中心。全体のスタイルはそのままで、前のクチバシ部分が尖って、LEDヘッドライトを採用。何より嬉しいのは前型より100mmも高くなったウインドスクリーンだろう。ツーリングに使われることが多いこのカテゴリーはこういう機能的な進化が喜ばれる。乗ってもすぐに違いを感じられた。ヘルメットや上半身への風の当たりが軽減され、快適に。走りの印象はCBR400Rと一緒で洗練度が上がった感じ。マフラーが以前のままなのはなんとかならなかったのかな……。
 
 今回のチェンジで、ネイキッドのCB400Fがカタログから落ちてしまったのは寂しいけれど、街乗り、ツーリング、ワインディングと使いやすいサイズのこの2台の商品力、即ちより魅力的になったということ。乗った後に「これで充分だなぁ」と思わせる実力がある。とてもまとまりの良い2台。 
 
(濱矢文夫)
 

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クロスオーバーシリーズの上級機種のスタイリングコンセプトである“FEEL THE ADVENTURE FORM”を踏襲したスタイルに。ウインドスクリーンは100㎜上方に伸長。LEDポジションランプを新設計のLEDヘッドライトの左右上部にそれぞれ配置し、先進性に加え精悍なスタイルで400Xの力強いイメージを演出。 カラーは、力強いイメージを演出するタイヤパターンストライプを車体側面に施したマグナレッドとパールサンビームホワイトに加え、ソリッドでクロスオーバースタイルを際立たせるマットバリスティックブラックメタリックの3色を設定。 低・中回転域から高回転域までスムーズで扱いやすい出力特性で定評のあるエンジンの特性はそのままに、ギアチェンジペダルの操作荷重を低減させ、操作フィーリングを向上させることにより、ギアチェンジの多い市街地でも快適な走行を可能としている。
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エンジンの最高出力、34kW[46PS]/9,500rpm、最大トルク、37N・m[3.8kgf・m]/7,500rpm、などの基本メカニズムはCBR400Rと同様。マフラー形状の違いでサウンドの性格付けは異なる。 CBR400Rのセパレートに対してこちら400Xはアドベンチャー・ユースに貢献する前後一体式のシートを採用。17Lのフューエルタンクを装備して、航続距離を確保。また、CBR400R同様ヒンジ構造タイプのフューエルキャップも採用。 テールランプも400Xの力強いイメージを彷彿させ、先進性と個性を主張するクリアインナーレンズを取り入れたLEDテールランプを採用。
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■Honda 400X〔400X ABS〕(2BL-NC47) 主要諸元
 
●全長×全高×全幅:2,085×830×1,335mm、ホイールベース:1,410mm、最低地上高:145mm、シート高:795mm、車両重量:194〔196〕kg、燃料タンク容量:17リットル●エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ、排気量:399cm3、内径×行程:67.0×56.6mm、圧縮比:11.0、最高出力:34kW(46PS)/9,500rpm、最大トルク:37N・m(3.8kgf-m)/7,500rpm、燃料供給方式:電子制御燃料噴射(PGM-FI)、点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火、始動方式:セルフ式、潤滑方式:圧送飛沫併用式●トランスミッション形式:常時噛合式6段リターン、クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング●フレーム形式:ダイヤモンド、キャスター:25°55′、トレール:105mm●サスペンション:前・テレスコピック、後・スイングアーム(プロリンク)●ブレーキ:前・油圧式シングルディスク、後・油圧式シングルディスク、タイヤ:前・120/70ZR17M/C 58W、後・160/60ZR17M/C 69W●メーカー希望小売価格:709,560円~〔760,320円~〕(2月19日発売)


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