順逆無一文

第67回『バイクに乗り続けたければ…』

 6月は「不正改造車を排除する運動」の強化月間です。
 
 国土交通省が、5月31日付で『「不正改造車を排除する運動」の強化月間が始まります ~特に違法マフラーの排除に向けた取組を強化~』という内容の発表を行いました。具体的な行動内容は以下の通り。

--以下5月31日付の国土交通省自動車局の発表資料より。--
 
 国土交通省では、6月を『不正改造車を排除する運動』の強化月間として、関係省庁、自動車関係団体等と連携し、街頭検査を集中的に実施するなど、騒音の原因となっている違法マフラー等悪質な不正改造車の排除に向けた取組みを強化します。
 
 騒音等の環境悪化・道路交通の秩序を乱す原因となる違法マフラーの使用や、保安基準の不適合状態となる部品の取付けや取外し等の不正改造を行う自動車ユーザー・事業者がいます。このような不正改造の排除に向け、強化月間中は次の取組みを強化します。

1)街頭検査の集中実施

 二輪車を対象とした街頭検査など、強化月間中に街頭検査を全国で159回実施し、違法マフラー等悪質な不正改造車には整備命令を発令し、これに従わないときには車両の使用停止等を含む厳正な処分を行います。
 また、不正改造等を行った者に対する報告徴収及び立入検査により、不正改造の抑止・早期発見と指導を行います。

2)不正改造車の排除のための啓発等

 不正改造防止の啓発を目的としたポスター及びチラシのサービスエリアや整備工場等での掲示・配布、運輸支局による自動車整備士養成施設等への出前講座の実施や全国の乗り合いバス事業者(別紙4)の協力によるバス車両への広報横断幕の掲示等を行い、積極的な不正改造車の排除を呼びかけます。
 特に、違法マフラーについては、使用の違法性の啓発を目的としたポスターの掲示、チラシを配布するなど、業界団体と連携を図りながらユーザーに対する啓発を行います。

3)全国64か所に「不正改造車・黒煙110番」の設置

 引き続き各運輸支局等に相談窓口として「不正改造車・黒煙110番」を設置し、寄せられた情報をもとに、不正改造車ユーザーに対して、警告ハガキを送付し、不正改造の改修及びその結果の報告を求めます。
 
--以上国土交通省のリリースより。--
画像の上でクリックすると、大きなサイズで見られます。

 ちなみに付け加えると「この6月だけ不正改造車を排除する運動を行うわけではなくて、6月は特に強化月間として重点的に行います。現在の運動そのものは平成2年から通年で行っています」(国土交通省自動車局整備課)ということ。
 
 上記の1)や2)は、行政主導でどんどんやっていただくとして、我々一般ライダーが注目したいのは、3)の「不正改造車・黒煙110番」への通報だろう。とはいっても、具体的にどうしたらいい?
 
「通報していただく情報としては、まずはナンバー。ナンバーの色等も教えていただけるといいですね。そして二輪車、乗用車、トラックといった車種。日時や時間、場所も必要です。そしてその時の状況もわかる範囲で。通報に当たっては、お名前、住所、電話番号等をお伺いしますが、それらの情報は一切外部に漏れるようなことはありませんので安心して通報してください」(国土交通省自動車局整備課)。不正改造車のオーナーに伝わることが無いのはもちろん、部内でも内部情報として取り扱っているとのこと。
 
 で、気になるのが通報したそのあと。通報の後はどうなるのかも聞いてみた。「発表資料にもあるように通報情報をもとに不正改造車ユーザーを割り出し“警告ハガキ”を送ります。そして不正改造を改修してもらい、その結果を報告してもらうという流れです」(国土交通省自動車局整備課)。
 
 ここで気になったのが、人の迷惑も顧みず好き勝手に改造するような人間が“警告ハガキ”一枚で元に戻すだろうか、ということ。「確かにこの通報システムでは、街頭検査のように整備命令等の法的根拠に基づいた措置がとれるわけではないですから、なかなか難しい面もあります」(国土交通省自動車局整備課)。本物の警察110番のように通報を受け付けたからといって実際に現地調査に乗り出して対処するといったシステムではないのですね。あくまで不正改造車の情報からユーザーを割り出して警告するだけ。
 
 それだからといって見て見ぬふりをするのはもうやめにしませんか。ただの警告とはいえ、2回、3回、そしてあきらめることなく我々が何回も、何回も通報することで“警告ハガキ”を送ってもらう。
 
 一般市民や、一般ライダーが不法改造車をどのように思っているか、どれだけ不快に思っているかが伝われば、まずはそれでいい。何らかのリアクションをすぐに期待するのは無理な話。そもそもまっとうな神経の持ち主なら周りに迷惑を振りまくだけの爆音マフラーなどという不法改造をするはずはないでしょう。
 
 とにかく今後もバイクに乗り続けたいと思っているのなら、「不正改造車・黒煙110番」に通報してみませんか。大多数の”ふつう”のライダーがだんまりを決め込んできてしまったおかげで、これまでどれだけ不当な二輪車規制が積み重なってきてしまったことか…。
 
(小宮山幸雄)

電話番号をお間違えなく。見にくければ国土交通省のWEBサイトで直接どうぞ。URLはこちらです。http://www.mlit.go.jp/common/001133171.pdf


小宮山幸雄小宮山幸雄

“雪ヶ谷時代”からMr.BIKEにかかわってきた団塊ライダー。本人いわく「ただ、だらだらとやって来ただけ…」。エンジンが付く乗り物なら、クルマ、バイクから軽飛行機、モーターボートとなんでも、の乗り物好き。「霞ヶ関」じゃない本物!?の「日本の埋蔵金」サイトを主宰する同姓同名人物は、“閼伽の本人”。 


[第66回|第67回|]
[順逆無一文バックナンバー目次へ]
[バックナンバー目次へ]