順逆無一文

第81回『克己復禮』

 国土交通省がちょっと気になる調査結果を発表していました。
 それは、平成27年に実施した「全国都市交通特性調査」を詳しく分析したもので、それによれば20代の男性の休日の外出がこの30年間でなんと半減した(1987年比で47%減)というのです。
 また、20代の若者の移動回数はなんと70代の高齢者のそれも下回っているのですって。まあ今どきの高齢者(65~74歳)は全年齢平均と比べてもそん色ない外出率(特に休日は全年齢平均を上回る!)なのは身近なお年寄りを見れば実感として納得できますよね。
 こんなところにも「若者のバイク離れ」の遠因がありそうです。そういう意味では“ポケモンGO”のヒットは若者を戸外に引っ張り出した稀有なゲームだったんですね。まあいい年とったオッサンまでもが“スマホ歩き”してて危ないったりゃありゃしなかったでしたが。と過去形で語ってしまうほど。あの異常なフィーバーはどこへ行ってしまったんでしょう。
 
 若者では正規と非正規雇用者間の差も顕著だといいます。また、三大都市圏だけでなく、地方都市圏においてもクルマの利用率は減少傾向にあるそうです。若者男性では、バイクだけの問題じゃなくて、生活パターン自体が“引きこもり”を前提としていることが判明してしまったのですね。この際バイク・メーカーさんは、若者男性をユーザーにしようというのは諦めて、女性をターゲットに戦略を考え直すしかなさそうです…。ちなみに若者の中でも女性に限れば全年齢平均を上回る外出率という結果が出ています。
 かつて原付スクーターでバイクブームの一角を支えたオバちゃんたち、それに今どきの子育てママさんたちは、電動アシスト自転車に移ってしまっているので、バイクは若い女性とオジサン(ジジイ? 失礼!)たちの乗り物、で進化していったらいいんじゃないですか。
 こんなこと書いてたらバイク・メーカーさんに怒れますね。ははは。
 
               ※
 
 怒られついでに、もっと調子に乗って書いてしまいましょうか。多分確実に多くのライダーを敵に回してしまうことを覚悟で言うと、「バイクの未来は、傍若無人なすり抜けライダーを駆除できない限り暗い」と。
 自分もバイクに乗っているから余計気になってしまうのかもしれませんが、昨今は、渋滞でもないのに信号で停車しているクルマの間を無理矢理すり抜けして先頭に出るライダーが多いですね。都市部ではほとんどのライダーが、信号で停止するだけで前に出る。それほど急いでいるのかと思いきや、信号が変わってもクルマの皆さんを引き連れてクルージング。何なんでしょうね、あれ。
 
 渋滞にはまった時は自分も「スンマセン、通らせてもらいますね」とすり抜けをさせてもらうことがありますから、偉そうなことは言えない身なのではありますが…。
 無用なすり抜けは、何よりも、せこくてかっこ悪い、恥ずかしい。みなさんは、気にならないのでしょうか。傍からどう思われているか、なんて考えてみたこと無い? バイク乗っていること自体がカッコ悪いと見られてしまっているとは思わない?
 これで若い人たちが「バイクに乗ってみたいな!」みたいな気持ちになると思う方が不思議というものですね。あ、いや、日頃のうっ憤を晴らすために「あんな傍若無人、自分勝手ができるバイクという乗り物に乗ってみたい」と思う人もまれにはいるのかもしれませんが。
 
 かつては(昭和の終わりくらいまでかな、いやビッグスクーターブームの前くらいでしょうか)交差点手前のイエローラインをカットしただけでビシビシと切符を切られていたことが嘘のよう。何故最近の警察は通行区分帯違反を取り締まらないのでしょうか。いや、いまさら警察官に取り締まらせるよりも交差点ごとに監視カメラを設置して、不公平の無いよう違反車両全車にキップを送れば一気に解決するハズ。国庫金も激増しですぐ設置費用は捻出できるでしょうし。警察官という“ただの人の子”による取り締まりは、やれ点数稼ぎ、だの、ルーチンでやっている取り締まりにつかまってしまった、運が悪いよ、だの、遵法意識を高めるためにはほとんど役立たず。むしろ逆効果となっているのは、当の警察もご存じのはず。
 
 とにかく、全交差点に監視カメラを設置すれば万が一の事故の全容解明もスムーズに行え、現場検証などの手間も大幅に短縮できるでしょう。流行りのドライブカメラも活用できればもっと安心ですね。「プライバシーの侵害だ」などとおっしゃる先生方には、いかに善良に生きようかと日々努力している市井の民が、どれほど自己中の運転に我慢の日々を送っているかをまず考えていただきたい。犯罪気質の人間を識別していくためにも、公道や公共施設での監視装置はマストの時代になってきているのではないでしょうか。
 ついでに職務中の警察官には必ずビデオカメラによる完全撮影を義務化していただきたい。警察官の安全のためにも必要な時代です。
 
「私は己の欲望をコントロールできない人間です」って実証しているようなすり抜け行為って恥ずかしいですよ! あ、「恥ずかしい」って死語か。納得。
 
(小宮山幸雄)


小宮山幸雄小宮山幸雄

“雪ヶ谷時代”からMr.BIKEにかかわってきた団塊ライダー。本人いわく「ただ、だらだらとやって来ただけ…」。エンジンが付く乗り物なら、クルマ、バイクから軽飛行機、モーターボートとなんでも、の乗り物好き。「霞ヶ関」じゃない本物!?の「日本の埋蔵金」サイトを主宰する同姓同名人物は、“閼伽の本人”。 


[第80回|第81回|]
[順逆無一文バックナンバー目次へ]
[バックナンバー目次へ]