アッキーがキタ
アッキーがキタ

いつになったら
ニンジャに
乗れるのさっ!?
アッキー加藤
アッキー加藤
アメリカン、チョッパーなどそっち方面が主戦場のフリーライター。愛車の1台は写真の750ニンジャというマニアックな一面も合わせ持ち、アメリカン以外のジャンルもほほいのほい。見かけはご覧のようにとっつきにくそうだが、礼節をわきまえつつ、締切も絶対に守り、かつ大胆に切り込んでいく真摯な取材姿勢で業界内外で信頼が篤い。ここまで書くとかなりウソくさいが、締切うんぬん以外はウソでもない。

 えー、「だ〜けどケンカはからっきしだよ」などと歌われている一休さんであるが、そもそも坊主がケンカしちゃイカんだろ! もしやっちまったら、その翌日のかわら版には「安国寺の一休、恫喝容疑で室町地検が拘束!」とか出ちゃって、でもその後には「地検の取り調べに対し、とんちで対抗して一休氏見事釈放!」などというニュースが出ちゃうのだろうか、と、何もすることがないゴールデン・ウィークに独り妄想していたオレである(悲しすぎる)。

 さて、そんなゴールデン・ウィークは皆さん、どうお過ごしだっただろうか。オレは、ひたすらバイクをイジる日々。まずは普段の足に使っているXR250BAJA(原型は止めていない)を更にイジくろうも、これ以上やる場所がない&金もないので、国内外からステッカーを集め、それを車体にベタベタ張りまくってステッカーチューン。んでもって、愛車コルベットに付けようと思ってそのまんまだったレーダー探知機を、上手い具合にメーターダッシュ近辺へ装着し、また小型のカーナビを電池の心配なく使えるように専用ハーネスをバッテリーから引いて終了。ま、これくらいは朝飯前っすわ。

 オレは大学が工学部の電子工学科だったゆえ、回路やら電気関係なら大抵のことはできる。パソコンだって、基盤から修理するし。だ、が、で、あ、る! これが、いわゆる電気的ではない、いわゆるギアとかが絡む機械系となると話は別だ。もちろん、そういった機械系も、ガキの頃から好きである。しかし、よくちまたであるように、オレもまた「必ずネジが一本余る」体質なのだから、これは大問題なのである。

 別に走りと関係ない場所でネジが一本余ろうがどうしようが知ったこっちゃないが(これも問題あり発言だなあ)、たとえばエンジン、足回りでそれをやったらどうなるか? それが分かっているので、そういう重要部分には一切手を出さない。が、あんまり何でもかんでもショップに頼っているようでは男がすたる&金が減る。そんな矢先のゴールデン・ウィーク初日、まこと残念な出来事が起こってしまったのである……。

 前にキャブを再度オーバーホールして貰ってから、とりあえず月に一度はエンジンをかけ、ひとっ走りするようにしていた愛しき750ニンジャ。が、ゴールデン・ウィークに入り、ちょっと買い物へと出かけようと走り出すと、何かがおかしい。5000回転まではきちんとトルク感もあるのだが、それを超えるといきなりスカスカになり、回転は上がれどパワー感は一切無し。よもや……、嫌な予感が頭をよぎる。速攻で家に帰り、元モトショップ五郎のメカニック、現在は自らの店、モトショップ・トイズを立ち上げたマック君に電話をしてみると……

「あー、たぶんダイヤフラムに穴あいちゃったね。今までのオーバーホールでは、とりあえず破れてなかったし、安く上げたいって言ってたから交換しなかったんよ」

 覚えている読者もいるだろうが、オレの750ニンジャは初期型で、しかも走行8000km。タイヤすら当時のままではないかと疑えるほどの程度の良さであったがゆえ、キャブのオーバーホール時にも「ダメなとこだけ代えといて」と言った覚えが、確かにあった。おそらくは、ダイヤフラムも新車の状態から交換されてはいまい。しかし、とはいえ30年も昔のブツ、劣化していて当然だろう。

 そして、そこへ追い打ちをかけるように、マック君はこう言ってのけた。

「ニンジャのダイヤフラム、高いんだよね。一発分で9千円くらいするんだ」

 げー! てことは四気筒で4万円弱、工賃入れたら6〜7万はいくだろう。そこで、オレの脳内ではイヤらしい金勘定が始まった。「ダイヤフラムくらい、自分で交換できるだろう……そうすれば工賃分は…」。だが、先ほども言った通り、オレは必ず、機械をバラすとネジを余らすタイプである。なおかつ、ちょっとでも外れにくい部分があると、無理くり力でねじ伏せようとするので、繊細なキャブ作業にはちっとも向いていないのだ。そして、長年のつきあいであるマック君は、それをすべてお見通しであった。

「4発のキャブ外すのは大変だよ。特にノーマルの場合はエアクリがすげぇ邪魔だから、やめといた方がいいなあ」

 はい、分かりました。信頼できるプロの言うことには逆らわないオレなので、とりあえずスケジュールが空いたらキャブ見ておくれ、と言って電話を切った……

が!

 それでは収まりがつかんのである! せっかくゴールデン・ウィークで天気も良いし、なんかニンジャをイジりたくてしゃーないし! ということで、「完全どノーマル」という初志貫徹を打ち崩し、なぜかキャブが調子悪いというのに、以前ヤフオクで購入していた、スーパートラップのスリップオンを装着したくてしたくてたまらなくなり、着けちゃったのだ。

「ブブブブブォー、ブォー」

 おおおお!!!! さすが太くていい音するぜ! と、まあ集合管に比べると若干バラツキはあるものの、久々の迫力ある四気筒サウンドに血がたぎるオレ。して、早速走るべ、とばかりにニンジャへ跨がり、公道へ! が!!! まあ大概の読者はお察しのことだろう。ノーマルキャブでセッティングもそのままに、スリップオンマフラー。まともに走るわけがない。さっきまでとりあえず使いものになっていた5千回転以下のトルクはまるで250ccのアメリカンのようになり、当然ながらそれ以上は回りもしない。オレのニンジャは、図体だけでかくて、走りは250ccバイクのようなシロモノになってしまったのである……泣。

 つーことで、仕方なくゴールデン・ウィークの残りは、カウルのペイントが剥がれた小さな部分をレタッチし、そんでもってエンジンも一部耐熱塗料が剥がれていたので、ネットで死ぬほど耐熱塗料タッチペンを探して見つけ(あるもんだね!)、エンジンをちょいちょいとレタッチ。なんとチマチマした連休よ! ま、でもたまにはこういう時間をとって、愛車の細かな部分を見てやるってのもいいかも。

 とか言ってる最中、コルベットのバッテリーが死んだ……

 なんか起きる時って、続くんだよな〜。

 じゃまた、来月!


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