ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2

「ツーリングシーズン」

 いつの間にか季節は春から初夏に移り変わりました。
 まだ大したこともしてないのに早くもバイクのハイシーズンに突入です。
 今年は何しよう? どこへ行こうかしらん? などと日々考えている(でもなかなか実行に移せない)。
 今年の僕の計画は、昨年末に購入したSRX-6であっちこっち走り廻ることと、現在家族先の軒下で放置プレイ状態のXLR250Rを復活させて林道ツーリングに数多く行くことである。
 何だ、いつもと変わらんな~、と自分でも思う。
 ま、レースに打ち込むようなテクニックやスピードがある訳じゃなし、バイクを自分でカスタムする程の知識や技能がある訳でもない、ごくフツーのバイク好きである僕がバイク趣味として打ち込むことはやっぱしひたすら走るコトなんだろうなあ、などと妙に納得している。
 走ること、ただひたすら走り続けていくその先に、何か答えのようなものが見つかれば良いのだけど、まあ見つからなくてもいいや、走っていれば満足なんだから。

 
 思えばずいぶんと長い年月をバイクで走ってきた。何も考えずにただ機嫌良く(タマには不機嫌な時もあったろうけど)バイクを走らせてきた。
 1人で、2人で、数人で、多数で、とそれぞれの状況でそれぞれに楽しく走ってきたと思う。
 いろいろな季節の中で季節を追いかけながら僕は走ってきた。
 まるで同じ道を走っていても季節によって感じることは全く変わってくる。
 例えば寒い季節、1人で走り続けているとふと寂しくなり誰かと話したい、と痛切に感じたりする。とはいえ走りの途中、急に誰かに電話するってのも、いい歳のオトコの振舞いとして如何なものか、とも思うのでたいがい休憩時にメールすることで済ますけれど。
 ところが春になるとむしろ1人でいくらでも走りたくなる。トイレと空腹と眠気さえ感じなければ休まずにずっと走り続けたい気持ちにすらなる。
 どこまでもどこまでも見知らぬ道を走っていたい。
 春や初夏の田舎の道を、主たる目的も持たずにトコトコと走り続ける気持ち良さは、あまり他にたとえ様もない位の幸せな体験だ。
 4月5月は山全体が春から初夏の色に染まって来るし、田んぼも畑も初夏の装いだ。海だって波の輝き方が冬とは全然違っている。
 昔、片岡義男の小説で(エッセイだったかな?)主人公が季節を追いかけて九州からずっと梅雨前線の北上に沿って東北までバイクで旅していく、ってのがあった。何もずっと雨に打たれてなくてもいいじゃないの、と思った覚えがある。また、秋の来るのが寂しくて、夏を追いかけてバイクで南下していく、というストーリーもあった。
 ずっと梅雨前線の下にいるのはちょっとイヤだけど、夏を引き伸ばし続ける旅っていうのは楽しいかもしれない。
 僕としては沖縄から北海道まで桜前線に合わせてバイクで旅したら楽しいだろうと思う。多分沖縄は1月頃から桜が咲き始め、北海道は5月中旬位かな?フツーの職業に就いててはちょっと実現不可能だな。いつかジイサンになった時の楽しみにするかな。

  
 今年のGWは、単身先の名古屋からSRX-6で家族先の千葉まで新東名を使って帰り、地元のバイク仲間とツーリングに行こうと、作戦を立てていた。
 ところが明日からGWという日の深夜、単身先を出発、東名高速を目指してSRXを走らせていると、ヘッドライトがだんだん暗くなってきたコトに気が付いた。そうこうしてる内に、信号待ちでニュートラルランプすらまともに点かなくなる。「んっ? バッテリートラブル?」 コンビニの明かりの前で修理道具を広げる。ちなみに僕はずっと古いバイクばかりを自分整備で維持しているので(かなり怪しいメンテだ!)、バイクトラブルはフツーに起きるもの、という概念があり、ツーリング時には必要最小限の工具はお守り代わりに持ち歩いている。
 バッテリー自体は去年の秋のバイク購入時に交換しているので、こりゃあどこかの接触だな、と1時間位掛けて怪しい所をグイグイと締め直した。スイッチを入れると最初は明るく「よし直った!」だったけど、走ってるとどんどん暗くなり結局ダメ。
 「ヤバイ! これはひょっとしてオルタネーター逝っちゃってる!?」 だとするとバッテリーが空になったらエンジンが止まる訳だ。
 高速に乗る前で良かった~。家まで戻るのに10km、そこまで持つか? ライトを消して走る深夜の街中はかなり怖い。 祈るようにして走り、なんとか家まで戻ることが出来た。結局、翌朝新幹線で家族先に帰りましたよ(涙)。

  
 とゆーことで、急遽放置プレイ状態のXLR君をGW後半のツーリングに参戦させるべくバイク屋さんに修理を依頼した。オイルからブレーキフルードからもう体中の液という液は全部交換してもらいましたよ。
 お蔭様で今年の目標の一つであるXLR君の復活は期せずして早期に果たせたけれどね。

  
 関東地方は2日から4日迄生憎の雨だったので、急遽ツーリング日程を5日に変更した。新婚もいれば子育て中もいる中で、こどもの日におとーさんだけ遊びに行ってしまう計画はかなり高いハードルである。
 まあなんとか4名の勇士が揃い(夜7時までには帰ろうね、という気の使いようがカワイイと言えばカワイイ)千葉県房総半島ツーリングに出かけた。GWの房総なんて渋滞に捕まりに行くようなモンだと思っていたけど、ひたすら県道を辿れば結構クネクネ道も楽しめた。
 僕のXLR君以外はリッターのオン車ばかりだったので付いて行くのがやっとだったけどやっぱりツーリングは楽しいなあ。付いて行く為にはブレーキ掛けないで高回転キープ、とか考えたりしてね。
 よしよしSRXクンが復活したら、リッターSSに単コロ600で戦ってやろう、なんてね(もちろんウソです)。
 早く次のツーリングに行きたい、と痛切に思うGW明けの第1週です。


タカヤスチハル

「ちっとも観光地に寄り付かないで酒屋兼スーパーで休息中の図」

タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 

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