ミュージシャンになるべく夢抱き上京したバカ編 その12
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アッキー加藤 |
アメリカン、チョッパーなどそっち方面が主戦場のフリーライター。愛車の1台は写真の750ニンジャというマニアックな一面も合わせ持ち、アメリカン以外のジャンルもほほいのほい。見かけはご覧のようにとっつきにくそうだが、礼節をわきまえつつ、締切も絶対に守り、かつ大胆に切り込んでいく真摯な取材姿勢で業界内外で信頼が篤い。ここまで書くとかなりウソくさいが、締切うんぬん以外はウソでもない。 | |
まず、岩手のデブ輪! この前は大変良い物を送ってくれてありがとう!! って、「勝手にこんなとこでプライベートなこと書くな」ですか? いやいや、読者ちゃんの皆様も何か良い物を送ってくだされば、いつでもここでお名前出してお礼いたしますよ。つーことで、何かありましたら東京エディターズのアッキー宛てによろしくお願いします。 さて、今回はお久しぶりのバンド編である。とはいってもちょっとスピンオフっつーか、普段の音楽活動とは違った出来事(今までもまともな音楽活動について書いたことなんぞ無かったかもしれないが)をつらつらと勢いのまま書いてしまおう! あれはオレが28歳くらいの時。ちょっとした知り合いから、結婚式の二次会でバンド演奏をやってくれないかと頼まれた。彼は神戸○鋼のラグビー部メンバーで、別にオレとは友達というほどのつきあいではなかったのだが、名前が同じこともあり、また共通の怖い先輩を持っていたので、ギャラは出ないけど飲み食い放題だから(ココ貧乏なバンドマンには重要)と言われて速攻OK。演奏するのはビートルズとかそんな感じでよろしく! ということだったのでそれなら楽勝と、何も考えずに自分のバンドメンバーにもその旨を伝えて非常招集したのであった。 そして結婚式当日。オレたちは二次会会場入りし、サウンドチェックやらリハーサルをひと通り済ませて、あとは披露宴が終わるのを待つのみ。その時、ヒマをもてあましたオレたちはバカ話をしていたのだが、ギターのある一言でテンションがあがっちまった! ギター「花嫁さん、美人っすか?」 オレ「一度会ったけど綺麗な人だったよ」 ギター「ってことは、新婦の友人の女の子も沢山来るわけっすよね!」 オレ「そそそそーだ! コレはカッコいいとこ見せつけまくって何とかせねば!!」 そうなったらもう、オレたちの脳内妄想は激しく回転数が上がり、早くみんな来ないかな〜、とソワソワしだす始末。新郎はオレと同じ歳だから28歳、たしか新婦はちょい下だったはずだから、きっと新婦側の友人もそれくらいの若い女子がわんさか来てしまうのだろうか!? クワ〜! たまらんっ!!!!! 妄想に耽りながら30分ほど待っただろうか。楽屋の外で「開場します」という仕切りの人の声が聞こえたもんだから、もうオレたちはガマンできず(いやそこまで盛り上がらなくても良いと今になって思うのだが、当時はがっついてた20代の健康な男性なワケで……)、とりあえず楽屋のドアを少しだけ開け、会場内の様子をうかがった。 が! 何かがおかしい!! 入ってくるのは、もうその体格からしてバリバリの体育会系と思われるゴツい兄さんばかり。オンナの人なんて、全然入ってきやしない。しかし、オレたちは「きっと新婦の友人は後でまとめて来るんだよ」と現実逃避を始めるものの、20分たっても30分たっても、そろそろスタートだよ、って時間になっても、女の子といえる人は、マジで一人ったりともやってこないのだ! これは異常事態である! 会場の中は神○製鋼ラグビー部メンバーやOBなどでむさ苦しさオーヴァードライブ。いいいい、いかん! 一体何が起きたのか、オレは入場者の中に大先輩である知り合いのJ氏を見つけ、なぜこんな、暴力団の襲名式のよーにヘヴィな雰囲気となっているのかを問いただした。 オレ「Jさん、なんか新婦側の友人らしき人が誰も来てないみたいですけど」 J氏「ん? あーホントだ。まあでも、あの披露宴見たら普通の女は来ないだろうなあ」 オレ「え、『あの披露宴』って・・・・・?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ J氏から聞いた披露宴の内容、それは聞くも語るも恐ろしいものだった・・・orz 以下、彼の話をもとに状況を説明しよう。 披露宴には、ちゃんと新婦側の友人女性も多数参加していた。新郎のご両親は結構地位のある方で、来賓にはどこぞの議員さんなんかも訪れ、披露宴自体は、おごそかにスタートしたらしい。が、その格式高い雰囲気は、酒が進んでいった中盤あたりからガラガラと崩れ落ちていった。 お偉い議員さんのありがたいスピーチの最中、ビールをしこたま飲んだラグビー関係者たちはまったくスピーチを聞くことなく、体育会系ならではのデカい声でワイワイガヤガヤ。んで、あまりにそれが酷かったので、彼らの大学時代の恩師が「○○君と○○、○○と○○(×10回ほど)、静かにしなさい! 静かにせんか!! 静かにしろ、お前ら!!」と、お偉い先生がスピーチしているにも拘わらず、別なマイクを持って延々とがなる始末。 しかし、まあこれだけなら「なんてマナーのない人たちなのかしら」くらいに新婦の友人も思ってくれたかもしれない。だがその後、北朝鮮のテポドン発射のニュースなみにオレたちを驚かせる話をJ氏は教えてくれた・・・・ 披露宴中盤を過ぎ、もう完全にできあがってメートル上がりまくりのラグビー関係者たち。そこで、ひとりの年長者らしき人物がデカイ声で若い後輩に「オイ! あれやれ!!」と声を掛けた。すると会場内にいた10人程度のゴツい男どもがスーツを脱ぎだし、最終的にはパンツ一枚になって、丸テーブルの上に飛び乗ったのである。 この披露宴の食事は中華スタイルだったので、テーブルの上には皿を他の人に渡せるよう、クルクル回る板(ちょっと高い中華料理屋にいくとあるでしょ)が備え付けてあった。その板の上に、ほぼ全裸の男達は飛び乗ると、左手を宙に向かってまっすぐ伸ばし、右手を曲げて構えるという、砲丸投げのスタイルをとってピタっと止まったのである。 すると、そのテーブルに座っている他の男達が、丸い板をぐるぐると回し始める。 |
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