第28湯 春だ! キャンプ装備を揃えよう!!
寒い冬が過ぎて春になり、ゴールデンウィークが近づいてくると、毎年恒例の「春の集会」のお知らせがやってくる。「春の集会」前にキャンプ装備のチェックを兼ねて、近場へ1泊2日でキャンプツーリングに出かけることが多い。しかし今年は、アームズマガジンが4月27日発売の2013年6月号で創刊300号を迎える関係でバタバタしているのと、愛車ジェベル250XCが以前から電装系のトラブル(バッテリー上がり)を抱えており、ロングツーリングへの不安があった。
電装系のトラブル(ステーターアッシーからの漏電により、充電された電気がバッテリーに送られないためにバッテリー上がりを起こしていた)は先日修理して解消したものの、出かける余裕がなかった。そこで、「春の集会」前のキャンプ装備チェックついでに、普段私がどのようなキャンプ装備を使っているのかをご紹介しよう。
私のキャンプ装備紹介は、6年ほど前にミスター・バイク誌上で紹介して以来となる。その間、バイクは変わっていないものの、装備は毎年着実に進化しており、昨年あたりからほぼパーフェクトになってきた。今回紹介するキャンプ装備はバージョン2012/2013だ。ベテランの方はもちろん、今年初めてキャンプツーリングするという方も参考にしてほしい。
私のキャンプ装備の基本コンセプトは「軽量」「コンパクト」「機能性」「必要最小限」だ。乗っているバイクが250ccのオフ車ということもあり、積載量が限定されてしまう。「これだけの装備を、どう積むか」ではなく「これだけのスペースに、どう装備を選んで積むか」なのだ。そうなると自ずと軽くて、コンパクトで、十分な機能を備え、余計な装備が入らないものを選ぶことになる。私も慣れないうちはいろんな装備を持っていったが、結局使わないものが多く、自然と取捨選択されていった。
まずキャンプ装備の収納は、バイクに安定して搭載でき、さらに雨が降った際に装備が濡れない(濡れにくい)ものを選びたい。キャンプ装備に限らずツーリング用品全体に言えることなのだが、雨が降った時のことを考慮して選んでほしい。以前は防水バッグを使っていたが、GIVIのケースを入手してからはこちらに統一した。ローリングダッフルタイプの防水バッグに比べてGIVIのケースは形状が一定で(バッグタイプは積載状況で形状が変わりやすい)、荷物の収納やバイクへの搭載が楽に行なえる。特にバンジーコードを使わずにバイクへ搭載できることは、キャンプ装備の展開・撤収が素早くできるだけではなく、ズレたりしないので走行時の安定にも繋がる。
私は通常、GIVIのケースのほかに、GIVIのケース上面に載せる小型防水バッグとバックパックを使用している。バイクへの積載が限定されているという事情もあるが、小型防水バッグにはバーナー用ガスボンベ(万が一ガス漏れを起こしても、寝袋などへの被害を防ぐため)と食料などを入れている。食料は減っていくので、帰りはお土産などを入れる。実は以前、お土産を収納するスペースを考慮したことがなく、お土産を持って帰るのに苦労したことがあったからだ。
バックパックには温泉巡りに欠かせないタオルや洗面用具、薬や救急用品、筆記用具、レインウエア、防寒具を収納している。頻繁に使う可能性のあるものや日常用品、建物の中で使ったり着用するようなものは、キャンプ装備とは別に収納しよう。別の見方をすれば、キャンプ中にしか使わない(取り出さない)もの=ケース/防水バッグ、キャンプ中以外で使うもの=バックパック(タンクバッグ)にしっかり区分けして収納したい。この区分けをせずにごちゃまぜに収納すると、使いたい時に使えずに、かなり不自由な思いをする。
キャンプ装備で不可欠なものと言えばテント、寝具、バーナー/調理用具だろう。テントは私はソロツーリストなので1〜2人用をチョイスしたが、ゆとりのある2〜3人用のほうが好みの方もいるので、積載条件を考慮しながら選びたい。メーカーによってはテント本体とポールを別々の収納袋に入れるものもあるが、なるべく同じ袋に入れるもののほうが積載が楽だ。バイクへの積載方法は、ケースやバッグに収納できるのがベストだが、私の場合はGIVIのケースの前に、バイクのキャリア側にバンジーコードを使って積載している。テントはもともと防水性なので、濡れてもさほど問題にはならない。
寝具はテント泊の場合寝袋になる。一般的に夏用、冬用など分かれており、私も以前は季節に応じて2種類使い分けていたが、最近ではマイナス気温でも対応できる寝袋に季節を問わず統一した。ウエアもそうだが、最悪の場合を想定した装備選びをしたい。快眠に重要なのがマットだ。よくホームセンターなどで売っている通称「銀マット」を使っている方がいるが、もし雨が降ってきて濡れてしまったらかなり不便だ。それと銀マットは意外とかさばる。そこでオススメなのが、空気を入れて膨らませるエアマットだ。できるだけ自分の身長をカバーできる長さのものを選びたい。あと、枕があると、より快適に寝られる。私は手の平サイズに収納できるエア枕を使っている。
バーナーはガスカートリッジを使うタイプがオススメ。ただカートリッジタイプの難しいところは、ガスを使い切るタイミング。微妙にガスが残っている場合だと、持って行くべきか、新しいカートリッジだけを持って行くべきか悩むことが多い。結果、微妙にガスが残っているカートリッジは持って行かずに、使わないまま捨てるに捨てられずに残ってしまう。そんな状況を解消するためと、万が一ガスがなくなってもガソリンで着火できるマルチフューエルタイプ(基本はホワイトガソリン)のバーナーを選んだ。
調理用具、とくにコッヘル(=鍋、皿)はかさばるので、持って行く種類を厳選したい。底が深いもの(=鍋)、底が浅いもの(=皿)、さらにコップの3種類あれば大抵のことは足りてしまう。さらに箸とスプーンがあれば食事環境はバッチリだ。
これら以外の細かい装備として、暗いところでも作業しやすいヘッドランプ(たいていのキャンプ場は暗い)、虫除け(夏場は必須)、折りたたみイス(濡れた地面でも大丈夫)があると快適さが増す。また、ツーリングの日程によってキャンプ装備を増減させることは、なるべく避けるようにしたい。いつも同じ装備を使って、ガスなどの消耗品や着替えの増減にとどめる。
キャンプして足りないものや必要なもの、欲しいものが見つかったら、帰って来てすぐ揃えることだ。頻繁にキャンプしている方なら問題ないかもしれないが、数ヵ月後や、場合によっては1年後ということもある。そこまで間が開くとだいたい忘れてしまう。だから帰って来たら早めに調達しよう。忘れがちな方は現場でメモを取ろう。
装備の調達と同時に行ないたいのが装備のクリーニング・点検だ。現場である程度しておくのがベストだが、天候などによっては難しい時もある。雨に遭遇した場合、特にテントは展開してしっかり乾かそう。寝袋はコンプレッションバッグから出して陰干しして、畳まずに大きな袋に入れて保管しよう。キャンプ装備は耐久性のあるものが多いので簡単には壊れないが、壊れてしまった装備は捨てて、すぐに更新しよう。
キャンプ装備の保管について、できるだけまとめて保管しよう。バラバラに保管していると必要な装備を忘れたり、余計なものまで持ってきてしまう。大きなカゴや衣装ケースにまとめて保管しよう。そうすることで、イザという時の防災装備としても使える(だからこそ、不足分などの調達は早めにしたほうがいいのだ)。あらかじめキャンプ装備のリストを作っておくとベストだ。
キャンプ装備は最初に何を揃えていいのか分からないだろうが、テント、寝袋、エアマット、バーナー、コッヘル、調理用具、ヘッドランプ、そして装備を濡らさないための防水バッグやケースは最低限揃えよう。私も今までいろんなものを揃えたが、結局はシンプルな装備に行き着いたような気がしている。ちょっとぐらい装備が足りなくてもキャンプは十分楽しめる。むしろ足りないくらいのほうがキャンプらしい。その不自由さを楽しめるようになったら立派なキャンパーだ。
今年は何泊キャンプできるかな…。まずは「春の集会」に行けるかどうかが問題だ。さあ、仕事頑張ろう!
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