『柴犬マイちゃんへの手紙
無謀運転で二人の男の子を失った家族と愛犬の物語』 |
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大切な孫を失った祖父母が、本書に託すメッセージを
語ってくださいました みなさんも新聞やテレビの報道などでご存知だと思いますが、11月20日、悪質事故の刑罰を強化するための新たな罰則を盛り込んだ「自動車運転死傷行為処罰法」が、参議院本会議で可決・成立しました。今回の改正点については、こちらをご覧ください。 |
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交通事故遺族の声を受けて「危険運転致死傷罪」(最高懲役20年)が新設されたのは、今から12年前の2001年。しかし、実際にはかなり悪質な事故でもこの罪が適用されないケースが相次ぎ、疑問の声が上がっていました。
この事故で大切な孫二人を失い、自らも重傷を負った祖父母が、本書に込めた思いを語ってくださいました。5分間のビデオです。みなさまぜひごらんください。 |
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こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像でご覧になりたい方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。 | ||
[本書の内容]
信号待ちをしていた祖父母と孫に突っ込んだ無謀運転の車 理不尽に奪われた子供の命の尊厳を取り戻すべく、遺族はたたかった そして、そんな彼らを癒やし、支える愛犬が実在する 交通事故は人々からなにを奪うのか。すべてのこどもたちに伝えたい
2010年12月26日、歩道で信号が青になるのを待っていた祖父母と二人の孫、そしてあと一日遅ければ殺処分というタイミングで保健所から引き取られた柴犬マイちゃん。そこに、大音量でかけたラップ音楽に合わせて体を揺らしながら蛇行運転する乗用車が突っ込んだ。過失割合が100%という無謀な運転で、幼い二人の命が奪われたのだった。
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■『柴犬マイちゃんへの手紙』(柳原三佳著・講談社 1200円・税別) | ||
休みのたび、祖父母の家でマイちゃんに会えるのを楽しみにしていた、いとこ同士の二人は、犬をはさんで川の字になって寝るほど仲がよく、祖父母は「三人は本当の兄弟みたいだね」と目を細めた。その幸福を一瞬で奪ったドライバーに対して、交通事故ではもっとも重い刑罰が与えられる危険運転致死傷の罪に問えるかどうかの裁判が始まったが……。
一方、事故で生き残り、孫の死に責任を感じ続ける祖父母を癒やしたのもマイちゃんだった。そして、癒えることない悲しみとともに生きる決意をした遺族が、気力を振り絞って開いた遺品の中から、二人がマイちゃんに宛てた手紙が見つかった——。 |
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●柳原三佳のホームページ |
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