第36湯 京都・兵庫湯巡りツーリング(城崎温泉外湯巡り)
京都・兵庫湯巡りツーリング1日目の投宿先である城崎温泉の温泉旅館「川口屋本館」にチェックインし、一息ついて作戦を練った後、いよいよ外湯巡りへ出発。温泉宿に泊まって外湯巡りするのは初めてのことだったので、ワクワクドキドキしながら、珍しく浴衣+下駄の定番の湯巡りスタイルで出かけることにした。
城崎(きのさき)温泉は日本海に面する兵庫県豊岡市城崎町にある西日本を代表する温泉地だ。小説『暗夜行路』の作者である文豪・志賀直哉が愛した温泉として知られている。外湯のある温泉地は全国各地にあるが、城崎温泉の外湯は全部で7湯。無色透明の肌触りの優しいナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉の泉質を持つ源泉が7湯すべてに供給されている。外湯はいわゆる共同浴場なのだが、それぞれ名称と定休日、営業時間が異なる。以下に各湯の名称、営業時間と定休日を記しておこう。
●駅舎温泉「さとの湯」
営業時間:13〜21時 定休日:月曜日
●「地蔵湯」
営業時間:7〜23時 定休日:金曜日
●「柳湯」
営業時間:15〜23時 定休日:木曜日
●「一の湯」
営業時間:7〜23時 定休日:水曜日
●「御所の湯」
営業時間:7〜23時 定休日:第1/第2木曜日
●「鴻の湯」
営業時間:7〜23時 定休日:火曜日
●「まんだら湯」
営業時間:15〜23時 定休日:水曜日
入湯料は600円(ただしさとの湯、御所の湯は800円)。外湯が1日入りたい放題のチケット「ゆめぱ」は1200円(1日分)となっている、
各湯の営業時間と定休日をチェックすると、土曜日、日曜日、しかも15時以降でないと7湯すべて入湯できないことがわかる。7湯すべてに入ろうという人間のほうが珍しいが、これは意外にハードルが高い。今回は第3週目の木曜日の18時にチェックイン、金曜日の9時までにチェックアウトする段取りなので、「柳湯」は最初から除外。残り6湯のうち、金曜日定休の「地蔵湯」、営業時間が午後からの「まんだら湯」と「さとの湯」は木曜日に入っておかなければならない。そこで、1日目は「まんだら湯」「地蔵湯」「さとの湯」、2日目は「鴻の湯」「御所の湯」「一の湯」の順に入ることにした。
宿を出てまず向かったのは、温泉街の奥にある「まんだら湯」。石畳の道を100mほど歩いたところで慣れない浴衣と茶羽織、下駄で向かったことを後悔。明朝は普段着で行くことを決意した。宿から約500m歩いて「まんだら湯」に到着。入口で宿からもらった「ゆめぱ」をバーコードリーダーにピッとかざしてエントリー。浴室は共同浴場らしい清潔感があり、湯船は楕円形。ちょっとした露天風呂もある。お湯はやや熱めだが気持いい。歩いて冷えた身体が蘇る。
温まったところで次に向かうのは、「まんだら湯」とは対角線にある「地蔵湯」。温泉街のメインストリートである湯の里通りを歩き、明朝入る予定の「御所の湯」「一の湯」を通過して、中間地点である宿の近くに来たところで夕食を摂ることに。宿の前を流れる大谷川を挟んで反対側にある寿司屋「すけ六」で但馬牛を使った「但馬牛ずし」を食べる。腹を満たしたところで再び「地蔵湯」に向かって歩き始めた。
「すけ六」から歩くこと5分ほどで「地蔵湯」に到着。営業時間や定休日の関係で仕方ないとはいえ、「まんだら湯」から下駄で向かうにはなかなかハードだった。その名のとおり入口付近にお地蔵さんが祀られている。こちらも浴室は共同浴場らしい明るい作りで、内風呂のみだが鍵穴型の湯船は大きく、ゆったりくつろいで入れる。ここもお湯は熱めだが、クセがなくさっぱりしていて入りやすい。
残りは「さとの湯」だけだが、閉店時間が21時なので、足早に「さとの湯」に向かう。「さとの湯」は名前にあるとおりJR山陰本線の城崎温泉駅に隣接している。外観は温泉街の入口にあるためか威風堂々としたもの。浴室は広々としていて、岩風呂風の内風呂にはちょっとした滝が流れている。2階はモダンな作りの展望露天風呂となっている。
「さとの湯」を出ると、小雨が降ってきた。途中コンビニによって買い物をしてから宿に戻った。何とか作戦どおり3湯入ることができた。泉質は同じだが、浴室や湯船にそれぞれ個性が出ていて面白い。1日目の最後に宿の大浴場に入り、2日目の作戦の成功を願って早めに床に入った。
翌朝は6時20分に起床。天気は曇り。幸い雨は止んでいた。素泊まりなので、朝食は道中で適当に食べることにした。昨日の失敗を避けるべくジャージにトレーナー、ダウンジャケットを羽織り、6時50分過ぎに7時から開店時間の「鴻の湯」に向けて出発。
「鴻の湯」は温泉街の奥にあり、外湯の中で最も古くから開湯した湯だ。朝にもかかわらず多くのお客さんが訪れていた。外観は和風だが浴室はモダンな作りで、岩風呂風の広々とした露天風呂がある。先に露天風呂に浸かっていた外国人観光客も気に入ったようだ。
「鴻の湯」を出て向かったのは、まるで関所(?)のような立派な門構えの「御所の湯」。朝食前に朝風呂に入ろうという宿泊客でごったがえしていた。外観同様、天井の高い開放感のある和風作りの浴室と湯船が特徴。露天風呂も大きく、加賀温泉や山代温泉などの温泉地のように、城崎温泉の威信をかけたと言っても過言ではない作りとなっている。浴室から出ると、朝風呂目当ての宿泊客はだいぶ減って落ち着きを取り戻していた。
外湯巡りのラストは、宿の近くにある「一の湯」だ。「一の湯」は温泉街のほぼ中央にあり、外観は観光案内にあるとおり歌舞伎座のような風情のある堂々とした作りとなっている。浴室はシンプルで、楕円形の内風呂のほかに、他の外湯にはない岩をくりぬいた洞窟露天風呂がある。露天風呂に行ってみると、先客はおらず独り占めできた。
約1時間20分ほどで3湯巡って外湯巡りは無事終了。宿に戻ると汗が止まらない。クールダウンしたいところだが、2日目のスケジュールを考えると少しでも早く出発しなければならない。汗を拭いながらチェックアウトして宿を出発した。
2日目は県道3号線から国道312号線を進んで朝来市に入り、途中人気スポットとなっている竹田城跡を見学。その後は国道429号線、国道29号線を通って姫路で宿泊するルートとした。予定では6湯入れるはずだ。やはり日本海沿いらしく寒くて空はどんよりしているが、今日も頑張って入湯数を増やそう。
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城崎温泉 | ★★★★★ | |
訪れたら是非外湯巡りしてほしい兵庫を代表する名湯。 *外湯は泉質が同じなので、入湯数にはカウントせず |
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