ちょっとがっかりだったが、気持ちを切り替えて次に向かう。湯沢市は「湯」という字がついているが、実は市内に温泉施設は少ない。国道398号線を小安峡方面に進み、国道13号線と交わる交差点から数キロほど走った国道沿いにある湯沢温泉「サンパレスみたけ」に入ってみることにした。湯沢温泉「サンパレスみたけ」は秋田県湯沢市湯の原にある温泉宿だ。入湯料は400円。やや古びた感じの静かな館内を進み、浴室に向かう。質素な作りの脱衣場、浴室ともにそれほど広くはない。お湯は無色透明で肌触りはなめらか。熱めとぬるめの湯船が用意されている。先ほどのだるま温泉が不完全燃焼だったので、じっくりお湯に浸かった。浴室が出てからも、気温が上がっているせいか、なかなか汗が引かなかった。
湯沢温泉を出て次に向かったのは、岩手県との県境に近い上畑温泉「ゆーらく」。国道398号線から県道108号線を横手市方面に進み、国道342号線を東成瀬方面に右折して約5kmほど走り、県道274号線を上畑温泉に向かい、湯沢温泉から約40分ほどで上畑温泉に到着した。上畑温泉「ゆーらく」は秋田県横手市増田町にある日帰り入浴施設だ。入湯料は300円。浴室はそれほど広くはないが、内風呂は窓が広くて開放感がある。露天風呂はあるようだが、この日は稼動していなかった。無色透明のお湯は熱めで、サラッとしたしゃきっとする肌触り。寒い日なら身体の芯まで温まるいいお湯だろう。
上畑温泉を出たところで時間は午後0時を過ぎていた、昼食は稲庭うどんを食べたかったので、もう1湯入ってから、小安峡に向かう途中で食べることにした。ツーリングマップルを見て、上畑温泉から10キロほど走ったところにある金峰山温泉「ときめき交流センター ゆっぷる」に行ってみることにした。県道274号線を国道342号線方面に戻り、国道342号線を横手市方面に進み、なだらかな高台を通る雄平フルーツラインを横手市方面に数km走ったところにあった。
金峰山温泉「ときめき交流センター ゆっぷる」は秋田県横手市平鹿町にある宿泊可能な入浴施設だ。入湯料は400円。建物は高台にあり、周囲に遮るものがなく見晴らしはいい。どうやらこの地域はりんごの産地らしく、りんごの木が多く植えられている。内風呂のみだが高台にあるので、湯船からの景色は最高。露天風呂がないのが残念だ。お湯は無色透明で、上畑温泉と同じサラッとした肌触りだ。
午後に差し掛かって気温はさらに上がり、ウインタージャケットを着ているため汗が止まらない。金峰山温泉を出たところで時間は午後0時50分。そろそろ小安峡温泉に向かわなければならない。国道342号線に戻り、国道342号線から県道108号線に進み、国道398号線を小安峡方面に向かう。途中、スーパーに立ち寄ってキャンプ用の食材を購入。スーパーを出て、ちょっと走ったところで稲庭うどんが食べられる小料理屋を発見。山菜・キノコが入った稲庭うどん(750円)を食す。
午後2時の集合時間には間に合わないが、国道398号線を小安峡温泉に向けてひたすら走り、小料理屋から約20分ほどで目的地である小安峡温泉のキャンプ場「とことん山」に到着した。場内に入ると、さすがに連休中ということもあり大勢のお客さんがキャンプしている。場内を走っていると、見慣れたバイクが目に入ってきて無事合流に成功。利用料は820円。やや砂の多いキャンプサイトにテントを設営した。
このキャンプ場内には露天風呂が併設されており、宿泊者は無料で午前8時から9時の間以外はいつでも入れるという。まさに温泉好きには天国のようなキャンプ場だ。ちなみに宿泊者以外は入湯料360円で、午前10時から午後4時までとなっている。前日入りしていた集会仲間のKさんから、夕方以降は混むので、今のうちに温泉に入ってきたほうがいいと薦められて、言われるがままに温泉に行ってみることにした。
場内の奥にある露天風呂は男女別で、内風呂も設けられており、露天風呂は3つあり、斜面に段々状に設けられている。K氏の言うとおり先客はおらず独り占め。お湯はやや緑がかっており、源泉の温度は約80℃だが全体的にぬるめで、場所によって温度が異なる。なので適温の場所を見つけて入りたい。開放感はバツグンでワイルド感漂う。気がつけば、今回泊まったキャンプ場はすべて温泉つき。温泉好きにはご褒美のようだ。
夕方になり、メンバーが集まったところで宴会開始。いつもなら鍋などを作るのだが、食材の買出しが困難な場所なので、各人で夕食を作る。途中、雨が降ってきたが、夜になって雨はすっかり止んだ。寝る前に身体を温めようと、みんなで露天風呂に向かった。いつもなら寒い思いをしながら寝るのだが、今回はちょっと贅沢な集会となった。
翌朝、天気は快晴。実に清々しい。朝食を摂る前に朝風呂に向かう。キャンプしながら朝風呂に入れるなんて、夢のようなシチュエーションだ。朝食は集会の定番である「朝ラー」(インスタントラーメン)。これを食べないと集会が終わらない。集合写真を撮影後、テントを撤収して三々五々解散となった。今年の集会もいろいろあって楽しかった!
ツーリング最終日は、宮城県登米市にある父親の実家に立ち寄り、あと2湯入れば650湯になるので、最低でも2湯入ってから東京に戻ることにした。小安峡温泉を出発し、道沿いに雪がまだまだ残っている国道398号線を築館方面にひたすら走る。秋田県から宮城県の県境付近は、通行時間制限されているためか車が少なくて実に気持ちいい。湯浜峠を過ぎる頃には通行料が多くなり、気温も上がってきた。山道が終わり、平地に入ってからペースを上げ、栗原市に入ったところでひと休み。ルートを確認しつつ、長沼近くに長沼温泉「ヴィーナスの湯」があることを発見し、まずはそこに向かうことにした。
国道398号線から県道176号線、県道36号線を通り、県道198号線を佐沼方面に向かい、県道1号線を気仙沼方面に走り、長沼フートピア公園の近くに目的地はあった。長沼温泉「ヴィーナスの湯」は宮城県登米市迫町にある日帰り入浴施設だ。入湯料は500円。浴室は和風と洋風の2種類あり、訪れた時の男風呂は和風だった。内風呂のみだが、大きな窓からは長沼を見渡せる。やや緑がかったお湯は適温で、やわらかい肌触りが特徴。長湯するにはもってこいだ。
長沼温泉「ヴィーナスの湯」を出たところで時間は午前11時30分。とりあえず登米市東和町にある父親の実家と、「三滝堂」という名勝に向かってから昼食を摂ることにした。迷いながらも、現在は空家となっている父親の実家を探し出し、建物を見るにつれて子どもの頃に訪れた記憶が徐々に蘇えってきた。写真を撮り、ひとまず目的を達成した。ちなみに登米市は「仮面ライダー」や「サイボーグ009」で知られる漫画家の石ノ森章太郎が生まれ育った町であり、市内に「石ノ森章太郎ふるさと記念館」がある。石ノ森章太郎ファンの方は是非訪れてみてほしい。
東京に戻る前に、あと2湯くらいは入っておきたい。ツーリングマップルを見て登米市内にある南方温泉に向かうことにした。しかしこれが大苦戦。想像以上にこの地域の道が入り組んでおり、なかなか辿り着けない。1時間以上かけてやっとの思いで辿り着くも休業中…。久しぶりにへこたれてしまった。
気を取り直して、国道346号線沿いにある涌谷温泉「わくや天平の湯」に向かうことにした。いったん佐沼まで出て、ここから国道346号線を涌谷町方面に進むこと約30分ほどで到着した。涌谷温泉「わくや天平の湯」は宮城県遠田郡涌谷町にある日帰り入浴施設だ。入湯料は600円。国道沿いにあり、高台にある建物はかなり立派で、場内も広い。浴室は和風と洋風があり、この日の男風呂は和風だった。大きい内風呂は無色透明のさっぱり系のお湯(第1源泉)、ひのき作りの露天風呂には茶褐色のお湯(第2源泉)が供給されている。2種類のお湯が楽しめるユニークな温泉だ。
涌谷温泉「わくや天平の湯」を出たところで時間は午後3時30分。あと1湯入れそうなので、スマホで検索して、東北自動車道三本木PAスマートインター近くにある豆沢温泉「三峰荘」に入ることにした。国道346号線から国道108号線を古川方面にしばらく進み、国道4号線に差し掛かったところで仙台方面に左折、三本木大橋手前の道を右折して500mほど走ったところの田園地帯に目的地はあった。