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第37回「北海道チンタラ旅!」その前編……の巻
北海道チンタラ旅!」その前編…

 9月下旬。関係各所に頭を下げまくり、揉み手しまくりで、なんと9日間のお休みを分捕ることに成功しました。
 そして、引き出しの奧やら、古い通帳やら、500円玉貯金やらを引っ掻き回して、約15万円の軍資金を作ったのであります。
 と、なれば、行くっきゃないでしょー。えっ? どこにって!? 決まってるじゃないっスか!! そうです、実はついに行ってきたんですよぉー、ジャジャーン♪ 北海道にぃー!!
 何と14年ぶりの北海道ツーリング。今回はその珍道中をレポートいたします。それでは始まり始まりぃ〜♬

 

<「1日目」>

 
 朝、いつものように6時半起床。顔を洗い、旅の支度をします。出来る限り荷物を少なめにパッキング。食事後、コースを確認し、JR高円寺駅前にある氷川神社様に旅の無事を祈願したら、12時いよいよスタートです。
 新潟発小樽行きのフェリーは午前10時30分出港です。なので深夜から関越道をブッ飛ばせばいいのでしょうけど、ワタシは体力的にも資金的にも余裕がないので、東北経由にし、前日お昼前スタートにしたのです。
 


いつものように、JR高円寺駅前にある、氷川神社に旅の安全をお願いしてから出発しましょう

鹿浜橋ランプから乗って,東北道に入ります。だって,関越道をイッキ走りする自信ないんだも〜ん
いつものように、JR高円寺駅前にある、氷川神社に旅の安全をお願いしてから出発しましょう。 鹿浜橋ランプから乗って、東北道に入ります。だって、関越道をイッキ走りする自信ないんだも〜ん。

 鹿浜橋から首都高速に乗り、そのまま東北道に入ります。そして、西那須野塩原ICで降りたら、国道400号へ。温泉街を突っ切り、会津西街道を北上、そして、夕方5時、会津田島に到着しました。ここに、「針生緑の広場」という無料のキャンプ場がありまして、何度か利用したことがあるのです。人がまったく来ないし、気に入っているんですよ。
 今日もワタシ一人なので、安心して仮眠取っていたら、夜9時近くになって突然何台も車が入ってきたのです。実はこの辺、星がホントにきれいに見えるんですよ。この人たちも星を観察したり撮影したりするグループだったみたいで、ギャーギャー騒ぐし、寝られなくなってしまい,大変でした。
(本日の走行距離-232.1km)


クイズ!! さあ、この国道は本当は何号線でしょうか!?……って全部、本物だってば!!
クイズ!! さあ、この国道は本当は何号線でしょうか!?……って全部、本物だってば!!

 

<「2日目」>

ウツラウツラしただけで、深夜2時スタート。気温は6度まで下がっていました。途中、道の駅で何度も仮眠を取りつつ、新潟港に着いたのが8時。そして10時半、無事に新潟港を出港したのでありました。
(本日の走行距離-180.0km)


新潟から小樽までは新日本海フェリーが運んでくれます。なんかワクワクしてきました

この日はバイク12台(内7台は40〜50代のオジサン)と自転車の若いお兄さんが2人でした
新潟から小樽までは新日本海フェリーが運んでくれます。なんかワクワクしてきました。 この日はバイク12台(内7台は40〜50代のオジサン)と自転車の若いお兄さんが2人でした。


朝10:30,新潟港を旅立ちます。さあ、いよいよ14年ぶりの北海道ツーリングのスタートです

2等より少し高い、ツーリストBのベッド。カーテン閉めると個室になるから安心です
↑朝10:30、新潟港を旅立ちます。さあ、いよいよ14年ぶりの北海道ツーリングのスタートです。

→2等より少し高い、ツーリストBのベッド。カーテン閉めると個室になるから安心です。

秋の彩に飾られた船内。無料のコンサートやビンゴ大会なんかもあって楽しかったヨ

18時間の船旅を終え、小樽港に着岸。早朝4:30なんだけど以外と寒くなくて拍子抜け!?
秋の彩に飾られた船内。無料のコンサートやビンゴ大会なんかもあって楽しかったョ。 18時間の船旅を終え、小樽港に着岸。早朝4:30なんだけど以外と寒くなくて拍子抜け!?

 

<「3日目」>

 
 18時間の船旅ののち、早朝4時半、小樽港に着岸。気温は17度。思っていたより寒くはなく、快適なスタートが切れました。まずはJR銭函駅へ。実はワタシ、高倉健さんが主演した昔の映画「駅 STATION」が大好きなんです。若い人はご存知ないでしょうけど、この銭函駅、健さんといしだあゆみさん演じる奥さんとの別れのシーンがあるんですよね。いしだあゆみさんが必死で涙をこらえ笑顔を作り、敬礼して去っていくというシーンが蘇ってきました。
 

 
 雄冬(おふゆ)に着いたのが8時20分。この雄冬が、健さん演じる三上英次の出身地で、妹役の古手川祐子さんが結婚式を挙げる雄冬神社があるんですよ。ちょっと寂れていたけど、参拝できてよかったです。
 しばらく滞在した後、増毛(ましけ)へ。この増毛がこの映画の大きな舞台になっているんです。映画に出てきた増毛の駅は、すっかり変わり果てていたのですが、駅前の風待食堂は、そのまま観光案内所として残されていました。
 ここで2時間ほどブラブラし、海沿いの国道232号線を北上していきます。
 別名天売(てうり)国道。またの名を日本海オロロンラインといいます。小さな漁師町が海岸にへばりつくように点在してる感じです。
 小平(おびら)という町には、おびら鰊番屋がありました。鰊番屋とは漁に従事する人たちが暮らした場所で、昔は道内にたくさんあったそうです。この残されてる建物は、その中でも最大規模のもので、船や道具を作ったりする人たちが、200人くらい生活していたそうですよ。
 苫前(とままえ)、羽幌(はぼろ)……と、チンタラ走ります。交通量もかなり少なめだし、道もアップダウンあり〜の、海岸からの風が心地いい〜ので、走っていてホントに楽しいです。
 それに、雪が積もると道の両幅がわかんなくなっちゃうから、矢印がず〜っと立っているんですよね。ワタシの地元九州にはこんなのないから、独特の風景が不思議な感じです。
 3時半、天塩(てしお)の町に到着。今日の予定では宗谷岬まで行くことにしていたのですが、早朝から走っているし、ここで一泊することにします。
 500円払い鏡沼海浜公園キャンプ場にテントを張ります。そしてガソリンを満タンにしておいて、地元のスーパーで夜食の買い出し。レジの女の子の愛想が悪いこと悪いこと。都内だと絶対クビだねコイツ。
 このキャンプ場は、目の前に天然温泉がありました。入浴料は大人500円。ムチャクチャアンモニア臭いのですが、それゆえなんかすごく身体に良さげです。
 疲れもすっかり取れたので、テントに戻り大好きなビールをゴクリ♥ 今、自分は14年ぶりの北海道の地にいるんだなぁ〜なんて考えていると、なんか興奮してワクワクしてきました。
 よ〜し、明日はもっともっと楽しい思い出を作るぞぉー♬ なんて、いい気持ちのままシュラフに入ったら、夜半からいきなりのドシャ降り!!
 うう〜っ、明日はいったいどうなるのでしょうか……!?
(本日の走行距離-268.7km)
(その中編につづく)


映画「駅STATION」の最初のシーンがココ。銭函駅だ。雪がないから,ただの駅にしか感じられないのが残念
映画「駅 STATION」の最初のシーンがココ。銭函駅だ。雪がないから、ただの駅にしか感じられないのが残念。

長い長い橋が架けられた石狩川を渡る頃、やっとお日様が見えました
長い長い橋が架けられた石狩川を渡る頃、やっとお日様が見えました。

コレ、誰がどう見ても富士山だよね!?何という町で見たのか、ちょっと忘れちゃったけどサ
コレ、誰がどう見ても富士山だよね!? 何という町で見たのか、ちょっと忘れちゃったけどサ。

「駅STATION」の高倉健さん演じる三上英次の故郷がここ雄冬だ。昔から来たかったんだよね
「駅 STATION」の高倉健さん演じる三上英次の故郷がここ雄冬だ。昔から来たかったんだよね。

陸の孤島と呼ばれていた雄冬の町。断崖ぜっぺきでが約25kmも続く。あちこちで工事をやっていたぞ
陸の孤島と呼ばれていた雄冬の町。断崖絶壁が約25kmも続く。あちこちで工事をやっていたぞ。

映画の中で健さんの妹役、古手川祐子さんが結婚式をやっていた雄冬神社。少しサビれているのが、さみしいです
映画の中で健さんの妹役、古手川祐子さんが結婚式をやっていた雄冬神社。少し寂れているのが、さみしいです。

この時は9月の終わり頃だったので? まだ紅葉には少し早いみたい。でも油絵のパレットみたいでキレイです

「駅STATION」の重要な舞台となる増毛の駅。ラストシーンに流れる八代亜紀さんの「舟唄」がたまんないだよなあ〜
この時は9月の終わり頃だったので? まだ紅葉には少し早いみたい。でも油絵のパレットみたいでキレイです。 「駅 STATION」の重要な舞台となる増毛の駅。ラストシーンに流れる八代亜紀さんの「舟唄」がたまんないんだよなあ〜。

映画で烏丸せつこさんが働く風待食堂。現在は観光案内所になっています。映画の写真も飾ってあったよ

増毛の町には古い建物がいっぱい残っていたよ。これで雪が降ったら、いいカンジだよねェ
映画で烏丸せつこさんが働く風待食堂。現在は観光案内所になっています。映画の写真も飾ってあったよ。 増毛の町には古い建物がいっぱい残っていたよ。これで雪が降ったら、いいカンジだよねェ。

おびら鰊番屋。国指定の重要文化財だ。春と秋に大量発生するというハエがものすごかったけどね

この中で約200人くらいの人たちが生活していたそうだ。鰊がたくさん捕れていた頃はすごかったんだろうな
おびら鰊番屋。国指定の重要文化財だ。春と秋に大量発生するというハエがものすごかったけどね。 この中で約200人くらいの人たちが生活していたそうだ。鰊がたくさん捕れていた頃はすごかったんだろうな。

海岸線を走る国道232号は通称「日本海オロロンライン」だ。車も少ないし、潮風も気持ちよくてサイコーだぜイ

天塩町にある鏡沼海浜公園キャンプ場。前方の建物が天然温泉の「夕映」だ。ものすごくアンモニア臭いぞ
海岸線を走る国道232号は通称「日本海オロロンライン」だ。車も少ないし、潮風も気持ちよくてサイコーだぜイ。 天塩町にある鏡沼海浜公園キャンプ場。前方の建物が天然温泉の「夕映」だ。ものすごくアンモニア臭いぞ。

[中編は11月下旬に公開予定です。しばらくおまちください。]


ルリカミド
ルリカミドリ

九州、福岡出身のバイク大好き娘。

ヒマさえあれば相棒のシビちゃん(HONDA CB400SF)とともに旅をしている。

別のペンネームを使い、法律や料理にゴルフ、はては高校受験まで原作付きのハウツー漫画を中心に描いてきたマンガ家であるが、最近では開店休業中との噂も(泣く)……


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