みなさんこんにちは、バイクと鉄道が大好きなカメラマン、志位充一です。かなりのおひさしぶりです。今回から新シリーズを始めることになりました。
　新しい相棒のホンダCB250Fで、ぶらりと旅に出て、写真を撮ってきます。みなさんも「カメラを持ってバイクでちょと出かけてみたいな」と思っていただければうれしいです。

　第一回目は2月のとある平日に、ぶらり鉄分補給の旅に出かけました。行き先は最近テレビや雑誌などローカル鉄道特集によく登場する、千葉県の3つの鉄道。東京からだとアクアラインを通れば一跨ぎ、早朝から行かなくてものんびり一日楽しめます。

　暖かい房総とは言え、まだ花の時期には早すぎて景色は冬。それでも確実に日差しは強くなり、停まっているとかなり暖かいのは、さすがの房総ですね。

　まずは千葉県のJR線で1つしかない行き止まり駅のひとつを目指します。久留里線の上総亀山駅です。ちなみに地元の高校生は久留里線を親しみを込め「パー線」と呼びます。クルクルパーが語源のようですが、パー線に乗っている高校生は……。行き止まりの駅ですから、そこから先に線路はありません。線路はここまで！　という車止めが設置されています。鉄はなぜか車止めに萌えるのです。鉄の結界だからでしょうか？　

　車止めは存分に堪能したのですが、肝心の列車が姿を見せません。久留里線には最新鋭のハイブリッド気動車が走っているのですが、時間が悪く出会えませんでした。これもローカル線の醍醐味？　です。
　駅前には移動交番の車中でおまわりさんがのんびりとしていました。もちろん悪いことをしている訳ではないのですが、あまりお近づきになりたくないので、次のスポットへそそくさと移動です。

　房総の山中を走る国道465号線、通称清澄養老ラインを少し走れば、小湊鉄道といすみ鉄道2つの終点が出会う上総中野駅です。ローカル線の終点を効率よく回れるのもバイクの魅力です。時刻表を確認すると運良くすぐに列車が到着する時刻、近くの踏切脇に移動して迎撃態勢を整えます。なつかしい雰囲気の小湊鉄道の気動車をバッチリ押さえました。いすみ鉄道の列車は来ない時間なので泣く泣く断念して、小湊鉄道沿線に向かいます。

　次の養老渓谷駅には足湯があります。日差しが強くなったとは言っても、この季節ですから、足湯で温まってと思いましたが、到着してみれば40年前のおねえさんの集団が、きゃあきゃあと女子会中で、入る隙間も勇気もありませんでした。そこで次の上総大久保駅を経て上総鶴舞駅へ。

　この駅は、映画やテレビドラマ、コマーシャルなどにたびたび登場し、みなさんも一度は目にしているかもしれませんね。そんな超有名スポットですが、平日の午後は誰もいません。変に手を加えていない、懐かしい昭和の鉄道風景の中で、ゆったりした時間が流れます。ぼんやりしているだけで鉄分で身体が満たされていくのを実感できました。

　ついついのんびりして、もう夕方近く、そろそろ家路につく時間です。が、途中、あまりの美しい夕景に出会い、思わず寄り道。夕陽もたっぷりと堪能しました。

　本日の走行距離は約200キロ。燃費は38キロほどで財布にもやさしいショートツーリングに大満足の一日でした。