ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2

「恐るべしハーレーダビッドソン」

 新年明けましておめでとうございます。昨年は本当に大変な年でした。皆様にとって今年が良い1年になりますようお祈り申し上げます。

 ところでワタクシ、昨年末にSRX-6を買ってしまいました。初期型の1JKである。初年度登録は’88年になっているけど、この型式からすればもっと古く生産されているハズだ。いずれにせよ相当古い。しかも怪しくイジッてある。

 ホントはセル付の4型が欲しかったのだけど余り市場には出てなくてコイツに決めた。

 どーしてもSRX-6が欲しくなってしまい、そんな時、自分がこんな風にイジりたいなーと思っていたほぼイメージ通りの車輌にぱったりと出会ってしまったのでした。

 一目ボレ、というヤツですね。

 もちろん分別をわきまえた大人というものは一目ボレで後先構わず中古といえどもバイクを買ったりはしない。

「これまでバイク趣味を30年以上も続けてきた経験」により「冷静な判断」がなされたハズであった。

 しかし購入してしばらく乗った結果、「…」というのが偽らざる心境であった。

 一般的な中古バイク購入の心得として、

① 無改造車を極力選ぶこと。

② 出来れば履歴の判る車輌を選ぶこと。

③ エンジンを掛け異音をチェックすること。

④ もちろん完全整備済。

⑤ 何よりも大切なのは信頼出来るバイク屋さんから買うこと。

などが挙げられる訳だが、当時は(昨年の11月ね)今にしてみると①から⑤までほとんど無視しちゃったよなぁ、と激しく後悔したものだった。

 ふん、こんなもん想定内だわい、と奮起して2ヶ月掛けて色々といじったり直してもらったりしましたよ、ホントに。

 結果、12月中旬にはひと通りの整備を終え、手元に戻って参りました。

 とゆーことでいよいよ今年は単コロの楽しさを満喫すべく走り廻ろう、と野心満々な今日この頃です。

 どうして今更単コロなのかと言うと、あのゆったりと走ってもな~んか気持ち良いのがたまらなく楽しいんです。それでいてイザくねくね峠道では豹変、結構なスピードでクリンクリン曲がって行くところがこれまた良いのです。自慢じゃないけど昔、僕がNS400Rに乗ってた時に見知らぬSRXに峠でぶち抜かれた事あるもんね。

 その他にも、シンプルで軽くて自分でイジれる(ような気がする)のが良い。なんか自分の身の丈に合ったバイクって気がして愛着が湧いて来るのですよ。

 ま、200km/hのスピードとか怒涛の加速感とかからは縁遠くなっちゃった、と言うか放棄しちゃった訳なんですけどね(ちょっと寂しい)。

 いいんだ、しばらくはコイツと一緒にバイク生活を営もうと思ってます。おっと、家族先にXLR250Rを置きっ放しにしてあるのでキチンと整備し直して今年こそ林道三昧、とゆー野望も達成しなくては。

 ところで年始早々の週末、ジョギングのついでにハーレーダビッドソンのディーラーさんを覗いて来ました。

 コトの発端は、年末にウチのオクサマが、たまたま開いていたバイク雑誌のHDの2012年型の特集ページを見て、ぽそりと「もうそろそろこーゆーバイクにすればいいのに」と洩らしたことに始まる。

「ほお? ほ~お! 言っちまったね。聞いちまったよ今の一言」と心の中でガッツポーズをしつつも、表面上は努めて冷静さを装いながら「うんまあいずれはね」などと余裕をカマシたのでした。

 正直言って僕はHDのことはあんまり良く知らない。元々こーゆーデカくて重くて殿様乗りなヤツにはこれまでのバイク生活ではご縁がなかった。

 それでも、スポーツスターの883Rは「単コロか2気筒バイク欲しーなー」病に年に2回位冒される時に必ず欲しいリストに乗っかってくるのが常なので、一応僕のスタンスは「スポスタ限定のHD好き」と言うことになる。

 えっ? 何? オレの背中を押してくれる訳?(決してウチのオクサマはそんなつもりで言ったんじゃないと思うけど)

 早速スポスタ本を何冊か買い込み、現在お勉強中です。

 とまあこんな状況でディーラーさんを覗きに行ったのでした。

 なんだか正月早々というのに結構混んでるなあ、と言うのが最初の印象である。近所にある某国産メーカー店より正直全然活気がある。

 若いお兄ちゃんやお姉ちゃんがいるかと思えば中年のご夫婦もいたりして結構幅広いヒトタチなのね? とちょっとビックリした。

 そもそもバイクディーラーなのにバイクよりウェアやアクセサリーの方がいっぱいあったりする。なんだかルミネにある(かどうかは知らないけど)アメリカンカジュアルの専門店みたいである。

 僕のハーレー感って、ハイウェイパトロールのカッコしてパレードしている人とか、地獄の天使なワルイ人達、とゆーかなり偏ったイメージだったんだけど(相当古い?)、イマドキってホントにオシャレさんなんですね。

 そっかー、ここではコーナリングがどうこうとかスペックがどうじゃらとか言う人いないのね? と強く思いました。

 電話帳みたいにすんごく分厚いアクセサリーカタログがあってそれらの中から色々選べば、それこそオーダーメードのバイクが新車で買えちゃうような仕組みである。

 更に恐ろしい事に、150回(実に12年半!)とゆー凄まじいクレジットの設定があり、聞けば結構みなさんこれを利用するそうなのである。そしてこれを利用すると何とスポスタならば月々4000円台の支払いでハーレー乗りになれちゃう訳である(12年半払い続けるんだけどね。あ、何度でも繰上げ返済が出来るらしいけど)。

 こえ~っ! あぶね~! これならオレでも買える! と思わず思ってしまうような仕組みである。

 僕もマジで思った。

「今度来た時は試乗させてもらお!」と今から楽しみである、とこう書いていること自体すでに術中にハマッている。

 そうかそうか、最近結構若いハーレー乗りをいっぱい見かけるのはそーゆー事か! と合っているのか否かは判らないけど勝手に納得した。

 でも、こーゆー仕組みって良いと思う。ハーレーという相当高いブランドがこんなに低い敷居で手に入るって知ったらかなり魅力的だもんね。

 そしてハーレーって、な~んか買ってからのステキな生活がイメージ出来るんだよね~。

 なんでだろう? 国産のバイクだと「バイク単体」の買い物感なんだけどHDの場合って「ステキな未来のバイク生活」のお買い上げって感じなんだよね。

 なんかこの辺にバイク趣味人口増加のヒントがありそうだなあ。


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 

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