そしてその数日後、GW突入である。関東を拠点にしているオレはどこへ行こうか? そんな今年のGWにオレは車の助手席に鎮座し、深夜の高速を西へ向かっていた。明らかに渋滞が随所で予想される連休の高速をわざわざ車で移動するなどオレにとって生まれて初めての経験である。そう、こんな馬鹿げた計画は自分ひとりではまず思いつくことはないだろう。
事の発端は、ひと月ほど前。沼津のベティと電話で話していて彼女が今年のGWも広島の里親の所へ遊びに行くという話になった。特に何も計画を立てていなかったオレは何気なくそれならオレもこのあたりで一回、岡山に戻ろうかなと。ほったらかしにしているマシンの事も多少は気になる事であるし。そのあたりからじゃぁ一緒に西へ向かうとして交通手段はどうするかとバイクでつるんで走るか新幹線でサクッと行くかとあれやこれや話した挙句、車で同乗して帰るという結論に至った。理由はお互い一度もやった事がないから。かと言ってこんな事一人でやってもただツライだけでちっとも面白くない。しかし、実行する以上は無駄に渋滞を喰らうつもりもない。なんせ一番の目的はお互い行くべきところへちゃんと辿り着く事なのだから。
そんなわけで深夜にスタートしたわけだが……・この時のオレの体調は最悪。二日前に風邪をひきその翌日にこじらせてしまうというこの期に及んであってはならない不始末ぶりである。今更、体調不良で行けないとも言い出せずこの当日を迎えてしまった。当初は長距離なうえに深夜のドライブという事もあって交代しながら運転して行こうという話だったのだがこの時のオレの体調では交代した方がかえって危ないんじゃないかと思える有様で文字通りオレはただのお荷物と化してしまっていた
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GWの高速を広島まで片道600キロの行き帰りを一人で走り切ったベティ。わたくし、諸事情によりまったく役に立ちませんでした。
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昼間のピーク時は凄まじい数字を見せていた渋滞も深夜にあっては拍子抜けするくらいどうと言いう事はなかった。
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岡山に帰ってからもその休日のほとんどを寝て過ごす羽目に。関東に戻る日には何とか体調も回復していたが結局、この帰り道も運転はベティにまかせっきりでオレは彼女が退屈しないための話し相手に終始していた。相変わらず元気いっぱいのベティは600キロもの距離をものともせず走り切った。まったくタフだ。で、どんなものなのか興味深かったGWの渋滞はというと行き帰りともに深夜のドライブだった事もあってか特に目立ったものもなく大したことはなかった。
そんなGWを終えた数日後、オレはかねてからの約束通り野毛でショウマン氏らと呑み歩くため桜木町駅に降り立った。少し早目についてしまったので駅前の表通りに出てみるとオレの好物であるモンスターエナジーの無料配付を行っていた。ついついそのブースに行き一本もらってしまう。ちょうど喉が渇いていたのだがこの渇きは呑む際の最初の一杯を引き立てるための調味料のようなものだ。こんな所で癒してしまうのはもったいない。しかし……飲みました。人は時として己の行動そのものすら思うようにコントロールできない事がある。
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無料配付についつい反応してしまう小市民なオレ。実はモンスターエナジーが大好きなのですよ。
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約束の時間に駅に戻り若、ショウマン氏、前田君と合流し野毛に向かう。途中の地下街で“ゴールデンもつ”と書かれた看板を発見。なんとも食欲をそそるネーミングである。さっそく入ってみるとほぼ満席な状態。実に残念である。地下街から野毛小路に出ると通りの両側には居酒屋をはじめとする呑みの店舗が延々と軒を連ねている。その雰囲気たるや実にディープ。オレひとりであったならどこへ入っていいやら迷い、右往左往してしまいそうだ。ここは地元のショウマン氏に任せる。あとで合流する面子が何人かいるという事でひとまずは立ち飲み屋で軽く一杯始める事に。生ビールを注文し乾杯! 実にウマイ!! ついさっき飲んでしまったモンスターエナジーが悔やまれるがそれでもウマイ! しばらくそこで呑んでいるとルイさん、がんじー、タケぴょんが合流した。結果、前にがんじー宅で呑んだ時とほぼ同じメンバーが揃った。どうやらオレの送別会第二弾らしい。まだまだ帰らないんだけどね。
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ホルモン好きなバイク乗りを刺激するには十分なインパクトのあるネーミング。その名もゴールデンもつ。まぁ中身は普通の居酒屋ですが。
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面子が揃ったところでオレ達は以前にテレビで紹介された店のつくりが汚い事で有名な中華料理屋に入った。席に着くやいなや店の主がほとんどこっちのオーダーを聞くことなく「餃子は6人前もあれば足りるだろう」などと言いながらオレこれと勝手に注文内容を決めやがる。まぁ出てきた餃子は非常に美味かったのだがどうも微妙な味の料理なんかもあったりした。
その後、どうしても来た時に見た地下街のゴールデンもつが気になりそこへ行き乾杯。そして表に戻って2軒ほど。最後にちょっとおしゃれな感じのたこ焼きダイニングなる店に。ここでがんじーが終了。そのままショウマン邸に流れて締めは家呑みと。何時くらいに寝たのかは……覚えていない。
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ビールに餃子はやはり鉄板ですな。しかし、ちゃんと客の注文聞けよ。あまりにも勝手なオヤジの接客に他の面子も少々、困惑気味。
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某テレビ番組で汚いけど美味しい店って事で紹介された店。確かに店は汚くて餃子はウマイが……ちょっと調子に乗ってんな。ここのオヤジ。
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次から次へと店を変え呑み歩く事、6軒。愉快な仲間との呑み歩きは実に楽しい娯楽ですな。
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翌朝は完全なる二日酔いである。これだけバカみたいに呑み歩いたのは久しぶりな気がする。そんな朝にサクサク動けるはずもなくみんなでダラダラとインスタントラーメンの朝飯をつつきがんじーはトイレットペーパーを丸々一本使い切るほどにトイレの行き来を繰り返し、各々のたわいもない会話が続き……ショウマン邸では部屋の中に自転車がロードタイプのものと折りたたみタイプのものとが2台置いてある。その内、折り畳みの方はほとんど乗っていないらしくそれをオレがこっちにいる間、貸してくれることになった。そしてこの自転車を皮切りにこの後、オレはニューアイテムを次々に入手(衝動買いとも言う)する事に。それはそれは凄まじいほどの散財となるわけだが……・それはまた次の話。
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