オオカミ男のひとりごと


HERO‘S 大神 龍
年齢不詳

職業フリーライター

見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。

時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。

愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ900。

第41回 オオカミ男の首都圏満喫生活 ニューアイテム入手編 HERO‘S、バイクを買う!

 
 5月、横浜ショウマン邸での呑みの際、オレはショウマン氏の所有する自転車を一台借りる事になった。
 今さら自転車かよ!? と思うだろう。まぁそう思われても仕方あるまい。バイク乗りの中には自転車の愛好家も少なくない。別に自転車を否定するつもりはないのだがそんな奴らと話をしていて自転車の話になった際、オレは常々、漕ぐのが嫌だからバイクに乗っているのに何で今さら漕がなきゃならないんだ! などと宣ってきた。
 だがその利便性は都会と地方では明らかに異なる。今住んでいる横浜など東京と肩を並べる都会である。その都会という環境は実は車、バイクを日常的に使いこなすにはかなり面倒くさい土地柄なのだよ。オレが以前住んでいた頃ならいざ知らず昨今では行った先で適当に路駐でもしようものなら警察のみならず監視員なる厄介な輩がここぞとばかりに駐禁のキップを切りまくる。さらにはちょっとした買い物へ行ったりする際の店の位置関係がたいていの場合、距離にして5、6キロといった歩くにゃ遠いがバイクで走るにゃ近すぎるといった距離感だったりする。そんな理由でバス、電車の利用頻度がこっちに来てから妙に高かったのだがそれにしたって行って帰ってでそれなりにお金がかかる。そうなると自転車という乗り物が今の環境においてはよりベターな乗り物という事になってしまうのだよ。かと言って残り2、3か月のために自転車を一台買うというのもどうかと思っていた矢先にこの話だ。そりゃ借りるわな。
 ただし、問題がひとつ。ショウマン邸から鶴見までの15キロほどの距離を走って帰らなければならない。だがオオカミ男の体力をナメてもらっては困る。思いっきり夏日のこの日、16号線から1号線を経由してアップダウンの結構ある道のりを漕ぐこと1時間半。訂正。ナメてもらって結構です。汗だくで腕は陽に焼けるわ腿はパンパンになるわでその消耗は予想以上。旅先で見かけるチャリダーはスゲェ。まぁ何はともあれ自転車を取り込んだ日常はとても便利になった。


折り畳みチャリでありながら9段変速で思った以上によく走ってくれました。ちなみにこのチャリ、餞別でショウマン氏からいただき現在も活躍中
折り畳みチャリでありながら9段変速で思った以上によく走ってくれました。ちなみにこのチャリ、餞別でショウマン氏からいただき現在も活躍中。

 今まで微妙な距離感で行くことのなかった場所へ買い物に出かけたりするようなったのだが・・・やっぱ都会はヤバイね。ものによっては妙に拘るオレの欲しいものがやたらとあるのだよ。厳密にいうとそのものがあるのは知っていた。ただ岡山のような地方では現物を置いている店があまりなくネットで画像と情報を仕入れてこれイイなぁなどとつぶやいたりしていた。だがパソコンの画像で見るのと現物を目の前にするのではその物欲の発露の度合いがまるで異なる。まぁ中には現物を目の前にしなくとも欲しくてしょうがなくなるものもあるのだが・・・それはまた後に語るとしよう。
 横浜という街は表の道へ出ると道沿いにはほとんど切れ目というものがないような感じで何らかしらの店が立ち並んでいる。飲食店にスーパー、コンビニ、パチンコ屋と何でもござれだ。その中で激安で知られる雑貨屋がありそこへ入ると目が行ってしまったのがレイバンのサングラスにジッポ。まぁその両方ともすでに持ってはいるのだがお気に入りのブランドにはついつい見入ってしまう。特にジッポなどは持ってはいるがオレは持ち歩く事をしない。理由はそのジッポは数年前に病気で亡くなった仲間の形見だからだ。それ以前にも何度か自分で買ったやつを使っていたのだがオレにはその都度、出先でなくしてしまうクセというものが・・・。それでもできるなら常々持ち歩きたい。買っちまうか!?
 だがイマイチこれと言ってオレの気に入るデザインのものがない。ならば・・・オレは何のデザインもなされていない無地のジッポを購入し、若ちゃんに連絡をした。彼はレーザー加工で金属類に文字や絵などを描くことのできる環境を持っている。再び訪れた野毛の居酒屋で呑みながらそのデザインを打ち合わせる事、数分。デザインを決定しその加工を若ちゃんに依頼し、その後は地元のショウマン氏も加わり前回同様に呑み歩き。以後、事あるごとにこの野毛での呑みは行われることとなる。
 その数日後、若ちゃんから出来上がったと連絡があった。その週末に彼の職場がある新子安の中華料理屋で出来上がったジッポを受け取った。その出来栄えは完璧である。ふふっ、やはりオリジナルというのは実にいい。ニヤニヤしながらそのジッポを眺めながら餃子を食しながらビールを飲んでいるとショウマン氏もやってきてすっかり気を良くしたオレはまたしても野毛に移動して呑み歩いた。



再び手にしたジッポは狼男のロゴの入ったものでこの世にひとつのオリジナル。制作は座間在住の若ちゃん。なくさないようにしなければ


再び手にしたジッポは狼男のロゴの入ったものでこの世にひとつのオリジナル。制作は座間在住の若ちゃん。なくさないようにしなければ
再び手にしたジッポは狼男のロゴの入ったものでこの世にひとつのオリジナル。制作は座間在住の若ちゃん。なくさないようにしなければ。

 ジッポもそうなのだがこれ以外にもオレはカメラ(水中撮影も可能)や腕時計(G-SHOCK)など荒々しい旅にも対応できるアイテムを次々に購入していった。
 物欲というのは人間の本能なのだろうか。
 いや、違う。本能による3大欲求である食欲、性欲、睡眠欲は満たされれば収まるが物欲はそうはいかない。これらの決定的な違いは手に入れたものが結果として必ずしも満足いくモノであるとは限らないという点であろう。これはかなり厄介である。ゆえに厳選する必要がある。ここまでのところ熟考して買ったこれらのアイテムにオレは非常に満足している。
 そこであともう一つ。実は横浜に来た当初から気になっていたものがある。バイクだ。実際はもう一年ほど前から気にはなっていたのだがその車両を抱える店舗が近いとなるとそのあたりの感覚は膨らんでいく一方だった。
 だが・・・このマシン、ベース車両を一度丸裸にしてからのハンドメイドゆえに実に高額である。どこかに程度の良い中古なんてものはないものかとネットをあさっていると・・・・一件のみヒットした。埼玉のとあるバイク屋のホームページで見つけてしまった。とは言うものの中古とは言えそれでもかなり高い価格である。どれくらいかと言うと具体的な数字は避けさせてもらうがオレが買った当時の価格でホーネット900が新車で2台買える値段である。
 さて、どうするか? 結果としてなかなか時間がとれずその店に現物を見に行く事はできなかったがそれ以来、PCを開くたびにそのページをオレは見ていた。そして6月に入り、もしオレが横浜を去る時、まだ他で売れていなかったら買ってしまおうとオレは決意する。そしてオレはその際、発生するであろうある問題について世話になっている倉敷のバイク屋(モトフリーク)に電話した。購入した際のナンバー登録の件である。それについてはモトフリークから埼玉のバイク屋に問い合わせて具体的な事がわかり次第連絡をくれるという事になった。
 そして・・・そのことも含めてなぜか話が面白いくらいトントン拍子に進んでしまい結果、現物の車両を一度も見る事なく購入となってしまった。流れとしては7月の中旬に岡山に移送され8月の頭、オレが帰ってから即、納車と言う予定である。もうこうなると早く帰りたくて仕方なくなる。
 そんな悶々とした気分を抱えて過ごした7月の中ごろ、モトフリークからマシンが着いたと連絡が入った。聞くとそのマシンが店に着くやいなやそこに居合わせた客たちの間で店内は騒然となったらしい。そりゃそうだろう、日本中走り回ってもそうそうお目にかかれるものではないのだから。あぁ、横浜にいるのが何とももどかしい。


メーカーのカタログには載っていない我ニューマシンは一足先に岡山に辿り着き、整備されながらオレの帰りを待つ。帰ったら共に走ろう。新しい相棒よ


メーカーのカタログには載っていない我ニューマシン


メーカーのカタログには載っていない我ニューマシン

メーカーのカタログには載っていない我ニューマシンは一足先に岡山に辿り着き、整備されながらオレの帰りを待つ。帰ったら共に走ろう。新しい相棒よ
メーカーのカタログには載っていない我ニューマシンは一足先に岡山に辿り着き、整備されながらオレの帰りを待つ。帰ったら共に走ろう。新しい相棒よ。

 そしていよいよ、7月も終わりすべての横浜での予定を終えたオレは新しい相棒の待つ岡山へ向け帰路につくことになる。しかし、この横浜から岡山へ帰る際、ひと問題発生するわけだがそれはまた次の話。


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