(2010.10.6更新しました)
ワタシ、昔から人見知りがすごくて、あまりみんなとワイワイ騒いだりするの好きじゃないんです。
しかも歳をとるにしたがってますます人間嫌いになっていって、とにかくいつも一人でいたいんですよね。親と電話するのさえわずらわしいし。
そのくせ、ちょっとしたことですぐに落ち込んだり、ウジウジと悩んだり、イライラしたりして……
夜中にふと目が覚めたときなんて、なぜか大昔の失敗体験や、小学校のときのムカついた教師のことを思い出したり。
「なんであのときこんなことを言ったんだろう」
「なんであのときこうやらなかったんだろう」
なんて延々と考え出してしまい、寝られなくなったりするんですよね。
とにかくまぁどうしようもないっていうか……
たぶん、こんなワタシみたいな人間が、いい歳して引きこもりになったり、アル中になったり、薬に手を出したり、自ら命を絶ったりするんでしょうね。
こんなどうしようもないときのワタシのお薬は、とにかくバイクに跨ることなんです。
そしてどこでもいいから走り出すことなんです。
数年前、真夜中にイライラ、ウジウジしてどうしようもなくなって、なぜかにーごーよん(国道254号─通称、川越街道)をただただ走ったことがあります。
深夜2時に東京、高円寺のアパートを抜け出し、カンパチ(環状8号線)経由で254号に乗り、川越から嵐山、小川、寄居ときて、富岡製糸工場でおなじみの富岡へ。
周りは寝静まっていて車もほとんど見ることなく、時々トラックが追い越していくくらい。
星がものすごく綺麗で、秋風も気持ちいい。なんか世界中で生きているのはワタシだけみたいな感じで、その虚無感がかえってワタシの中では心地よいのであります。
そして「なんじゃい(南蛇井)」という変わった名前の駅をやりすごし、ねぎの名産地、下仁田へ。そのままダラダラと山間の道を走っていたらいつの間にか信州、松本に着いていました。
その後、そばを食べて、一日、松本城公園でぼけーっとして、温泉入って、仮眠とって帰ってきたのですが、高円寺のアパートに戻ってきたときにはなんかスコーンと抜けたようなものを感じていました。
シャワー浴びて、ビール飲んで、爆睡して目が覚めると、ほんとうに清清しくて、ウジウジ、イライラの原因さえわからなくなっていたんです。
だからこれからもずっと乗り続けていたい、そのためには絶対に事故や違反など起こさない……っていつも肝に銘じています。
最近は色々なストレスから、主婦や学生までが、ヤバイお薬に手を出して捕まっちゃうことが増えていますが、そんな人にこそバイクをオススメしたい。
愛の無い家庭やら、ツライ学校やら、苦しい職場があるのなら、そこを思い切って飛び出し、バイクに跨って、いろんなところを走って、すばらしい景色を見て、地元のおいしい食べ物を食べ、温泉入って、自由を感じてもらいたい。
そうすればアナタだって、元のちゃんとした自分に戻れますよ、きっと……。
バイクは精神安定上、サイコーの処方箋なのであります。
- ルリカミドリ
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