Hi-Compression Column

バイク好いとっちゃん

ルリカミドリ
ルリカミドリ
九州、福岡出身のバイク大好き娘。
ヒマさえあれば相棒のシビちゃん(HONDA CB400SF)とともに旅をしている。
別のペンネームを使い、法律や料理にゴルフ、はては高校受験まで原作付きのハウツー漫画を中心に描いてきたマンガ家であるが、最近では開店休業中との噂も(泣く)……

負けんバイ! チームニッポン!!


(2011.4.6更新)

東北、陸前高田は静かな町でした。

まっ白な砂が光る海岸が続き、水もきれいで穏やかで、江戸時代に植林されたという約7万本の松の林がサワサワと踊っていました。

松林の手前には高い堤防が築いてあり、その階段の所では地元のおじいちゃんたちが、よく聞き取れないような方言で楽しげにしゃべっていました。

街中には高い建物はそんなに無く、でも全国チェーンのお店がちらほらとあり、地味ながらも明るく落ち着いた街……そんな所だったと思います。

仙台、塩竃、松島、石巻、志津川、歌津、気仙沼、そして陸前高田……。実は平成20年9月7日から3泊4日でツーリングしたことがあるのです。

あの街がまさか消滅してしまうなんて……本当に信じられません。

イラスト

初日、所用でスタートが遅れ、昼から東北道を飛ばし、夕方4時過ぎに福島県は二本松市にある「岳温泉」に到着しました。

タダで泊まれるキャンプ場「あだたら高原野営場」にテントを張り、極上の温泉で汗を流したあと、軽く一杯やって早めに床に就きました。

2日目、また東北道に戻り、仙台へ。街中に大きな木がたくさん茂っていて、本当にきれいないいところです。

その後、国道45号線を使い塩竃市へ。

東北一の宮である「塩竃神社」は約1200年前に創建された所で、急な長い階段を上がった先にはどっしりとした霊験あらたかな建物が祀ってありました。

「松島」ではお金をケチり観光船には乗らず、カキ焼き定食でお昼にします。

そして1時間程走って「石巻」へやってきました。ここは大先輩である漫画家、石ノ森章太郎先生のミュージアム「石ノ森萬画館」があるんで、楽しみにしていたんです。

先生の生い立ちや活躍がわかる資料や、生原稿を展示してあり、また、特別展として「水木しげる先生」の作品までも見ることができたので大感激でありました。

少し北上したあと、どデカイ北上川に沿って河口方面へ行き、そのまま右手に雄大な太平洋を眺めつつ海岸線を走ります。対向車もほとんど無く、快適でサイコーのルートであります。

夕方、歌津町にある「平成の森」に到着。キャンプ場にチェックインして、施設内のお風呂でベトベトの体を洗います。

次の日も海岸線を延々と走り、気仙沼へ。ここ前から来たかったんです。

遠洋漁業の基地である気仙沼港は大きな船がたくさん係留してありました。

市場には観光客のためのデッキが作られており、マグロやサメが並べられたセリを上から見学することができます。

また、マイナス20度で凍らせた魚介類を並べた氷の水族館や、鮫の生態を知るシャークミュージアムなんかもあり、真夏の暑さが残る中、涼むことができました。

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美しい岩礁の「大理石海岸」を見物したあと、陸前高田市へ。

静かな海岸でしばし遊んでいると魂が浄化されていくように思え、心が和みました。

本当はこのあと「釜石」まで行くつもりでしたが、大幅にスケジュールが狂ってしまったので「またいつでも来れるバイ」と取りやめ、その後、「平泉」の「金色堂」を見学したりして戻ってきたのでありました。

ほとんど計画通りには進めず、バタバタした旅ではありましたが、本当に楽しかった。

あの海岸線の美しさ、快適さは忘れることができません。

あの時の旅でご縁のあった、食堂のおじちゃん、売店のおばちゃんたちは大丈夫だったんでしょうか? 命だけでも助かったのでしょうか。心配です。

イラスト

気が短く、ハデ好き祭り好きのワタシら福岡県人と違い、東北の方は、地味だけど我慢強い人が多いと聞きます。

いつかは絶対に復興して立ち直り、また美しい風景を、おいしい魚介類を楽しむことができるハズだと、ワタシは信じております。

ワタシには寄付することと、祈ることくらいしかできないのですが、でも、できる範囲で応援していきたい……

亡くなられた、たくさんの方々のご冥福をお祈りいたします。

そして……東北の皆さんいっしょに頑張っていきましょう!

ワタシたちは「チームにっぽん」の仲間なんだから!!


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