- ルリカミドリ
この夏はまるまる1ヶ月有給休暇が取れたので、思い切って貯金を100万円ほど下ろし、久方ぶりに大好きな北海道へツーリングしてきました。
いつもの旅ではテントで野宿しているのですが、今回はお金があるので、豪華なホテルや旅館に泊まり、毎晩新鮮な魚介類やステーキをいただき、お酒もガンガン飲んで、この半年で溜まったストレスを発散しまくりました。
とにかく夏の北海道はサイコーで……って、そんなわきゃねーだろ!!
もう、毎日毎日暑いので、ボ〜ッとしちゃって、こんな妄想ばかりしているのであります。
お金と時間さえあれば北海道行きたいですよ。あの広々とした大地走りたいですよ。だってもう10年も行ってないんですもの。
お金もないし、ヒマもない、電気もないし、やる気もなくなっちゃいますよね。
「あ〜あ、どっか近場に涼しいとこないかな〜」って考えてたらありました。
それは、このコラムで、ネタに困ったときいつも登場する富士山なのであります。
いつものようにおにぎり握って、24Lの水タンク積んだら、シビちゃんに跨って高円寺をスタートです。
富士山に向かうときはいつも国道20号を走り、大月から国道139号で富士吉田経由で行くのですが、今日は気分もいいし、ワザと遠回りすることにします。
まずは環七を上馬まで走り、そこからにーよんろく(国道246号)で駿河小山を目指しましょう。
お洒落な青山や渋谷を通過するにーよんろくですが、厚木、伊勢原、秦野、松田と過ぎていくとだんだん山間に入っていきます。途中には東名高速のどデカイ陸橋が架かってて、そのしたをくぐるときはいつもその技術に感動するんですよね。
道の駅ふじおやまでちょっとおシッコ休憩してから国道138号線に入ります。
途中にギンギンのヘアピンカーブがあるのですが、もちろんワタシは攻めたりせず、とろとろ走ります。
三国峠を過ぎると、眼下に山中湖が広がってきました。ここから見る富士山は絶景ポイントとして有名なのです。今日もたくさんのカメラマニアたちでごった返していました。
北口富士浅間神社、富士急ハイランドとやりすごし、ようやく今日の目的地「西湖」に到着です。
ワタシが見る感じでは震災の影響はみられず、いつもの夏のように観光客が大勢いるみたいなのですが、実際はどうなのでしょうか?
まずはお昼にします、お湯を沸かし、ナスの味噌炒めと味噌汁作っておにぎりをいただきましょう。
雪のない富士山はちょっぴりさみしいですが、涼やかな湖に浮かぶ影を見ていると、やっぱし癒されますよね。
近くには「西湖、癒しの里、根場(ねんば)」という、古い民家を集めたような施設があります。入場料は350円なんですが、いろいろな手作り体験ができたり、地元の料理をいただけたりして、けっこう楽しめますよ。
そして今回のメインイベントがここ「鳴沢の氷穴」です。
大昔にできた自然の大きな穴なんですが、中に入るとムチャクチャ寒いんです、それもそのはず、なんと真夏でも0度!!
昔から天然の冷蔵庫代わりに使っていて、ここに貯蔵しておいた氷を、真夏に江戸の殿様に献上していたりもしたそうですよ。江戸に着くころには、巨大な氷塊が手のひらサイズになっていたとか……ぜいたくやねぇ〜だってそれ一人で食べたんでしょ? おすそ分けできんもんね。
体がすっかり冷え切ってしまい、シメシメと思ったのもつかの間、表へ出たら酷暑!! それは酷ッショ!?
火に掛けたフライパンのように熱くなっているシートに腰掛け、近くにある「道の駅なるさわ」に向かいます。
CB400SFはエンジン周りに熱気が溜まりやすく、足が熱くなってきます。走りながら時々がに股になって空気を逃がしてやらなきゃなりません。逆に冬はいいんですけどねぇ〜。
ここ、道の駅なるさわには「不尽(ふじ)の水」という施設があり、地下300mから汲み上げた富士山の水を自由に飲めるようになっています。冷たくて本当においしい水に感動しますよ。
ただしここでは大量に汲むことは出来ないので、帰り道、同じように富士の水が汲める、道の駅ふじよしだに寄り、いつものように24Lをゲット です。
高円寺に戻ってくると、ヒートアイランド現象で暑いの何の……さっそく水シャワーを浴び、キンキンに冷えたビールを一気飲みです。
「今年こそ絶対に北海道に行くぞ!!」……って毎年、毎年思っているのですが、とうとう、また今年も行けませんでした。
でも来年こそは、来年こそは絶対に実現させたいと思っております。
旅の軍資金を集めるために始めた500円玉貯金は、ようやく15000円になったところであります……(苦笑)
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