Hi-Compression Column

アッキーがキタ

■イギリス取材の恐ろしさ・・・・その1

ども! すでに見た人もいるだろうが、このミスター・バイクWEB版第一発目企画でまたしても林道に連れて行かれ、 逮捕されたランボーのように強制労働させられたアッキーである。

しかしその翌日からツケが回ってきて、体全身、指の先まで筋肉痛に見舞われる次第であり、ちょっと動こうにもなんか挙動が変。 まるで北斗の拳で悪役の下っ端が秘孔を突かれ「あべしっ!」と爆発する直前のよーに、手を動かすたびに「あう〜」とか言いながら、 人から見たら単におかしなオッサン状態なのである!

んで、今回はオイラが10年ほど前、イギリスに取材に行った時のオハナシ。

当時、オイラの姉貴はイギリスで日本語教師をやっており、なんかヒマだし、かの英国を一回は見てみようかな〜と思ってその話をバイブズ誌にしてみたら、「あ、それならタイミング合わせて、イギリスのバイカーミーティングの取材してきて」と頼まれた。

そして、イギリスからファックスされてきたイベント告知のフライヤーには、明らかにあの“ヘルズ・エンジェルス”が主催してまっせ!という匂いがプンプンしていたのだが、まあ向こうから取材に来いっつーくらいだから、大丈夫だろう、と思っていたのだが……。

しかしひとりで行くのも怖いので、イギリス人ジャーナリストのスティーブ君(恐らくオイラが知っている海外ジャーナリストで一番の悪党。彼についてはまた後日)に連絡をつけると、ちょうど彼もそのイベントに行くということで、とりあえず一週間の英国滞在のうち、前半をスティーブと共に過ごし、後半で姉貴が住むロンドンへ向かうという計画を立てた。

んで、とりあえず向こうに着いてスティーブと再会し、いざミーティングが行われる会場へ、彼と一緒にドライブ。だが、そこで一抹の不安が頭をよぎった。

“今回の主催はエンジェルス。そんなトコに日本人が行って、取材していいのであろうか”

そのことをスティーブ君に話すと「ん〜、難しいかもなぁ」とつれない返事。こうなったら当たって砕けろ、である。

そして現場へ到着し、エンジェルスのクラブハウスらしき建物に入ると、まあ恐ろしげな方々がわんさか!みんな、二の腕がオイラの太ももくらいあって、葉巻を吸いながら「なんだこの東洋人は?」って感じでこっちを見ている。

“ここここ、怖い”そう感じつつも、あまりヘタにビビっている様子を見せるのもアレなのでこちらも精一杯威嚇するが、所詮虎と飼い猫のよーな落差。

そこでスティーブ君が一生懸命「コイツは日本人のジャーナリストだ。取材させてやってくれ」と力説しているのだが、近場にいる連中が「は?バイブズ・マガジン。知らねえなぁ」とけんもほろろ状態……。

ヤバイ、このままでは取材はおろか、何かされちゃうのだろうか。と、かーなーり本気で萎縮するオイラ。スティーブにも「もういいよ。ちゃんと入場料払って客として入るから」といったものの、スティーブはスティーブでイケイケジャーナリストなので、なんとかエンジェルスのクラブ員を説得してくれている。それが10分ほど続いただろうか。突然部屋の奥からデカい声が響いた。

「おー!バイブズマガジン!!ジャパニーズ、ウエルカム!!」

声の主を見つけてみると、なんかチャラチャラしたカーリーヘアにデレデレ伸びた金髪、そして半ズボンにサンダルという出で立ちの、どっからどーみてもエンジェルスとは思えない、なんかテキトーな男が寄ってくる。

だが、よく話しを聞いてみると、彼はやっぱりエンジェルスのメンバーで、しかも日本のバイク雑誌がお気に入りらしく、バイブズにファックスを送ったのも彼らしい。結局「この会場内ではどこへアクセスしてもオレが許すからノープロブレム。文句を言う奴がいたらオレがぶっ飛ばす」と、やっぱり“エンジェルスだぁ〜”と思われる言葉を吐いて去っていったのであった。

ああ、もっと早く来ておくれよ・・・・。アンタ来なかったらどーなってたコトか。

つーことで、実際のイベントについては来月をお待ちあれ!


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アッキー加藤
アッキー加藤
アメリカン、チョッパーなどそっち方面が主戦場のフリーライター。見かけはご覧のようにとっつきにくそうが、礼節をわきまえつつ、締切も絶対に守り、かつ大胆に切り込んでいく真摯な取材姿勢で業界内外で信頼が篤い。ここまで書くとかなりウソくさいが、締切うんぬん以外はそれほどウソでもない。

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