★アフリカ大陸
(オンボロ)バスの旅(その6)
『南アフリカから寝見ビアへ
ツアーは快調に続く』
【前号までのあらずじ】
とあるお客様のアフリカ縦断バイクツアーのサポートカーとして手配を頼まれたミニバスの回送を兼ね、ヨハネスブルクからケニアまで東アフリカ8ヶ国を巡る約1万5千キロにおよぶミニバスツアーを企画。一石二鳥を狙った道祖神の若き辣腕添乗員菊地(現社長)であったが……バイクツアーはドタキャンとなりツアーのみを敢行するハメに。しかもこのミニバスがとんでもないオンボロ、2日間休み無く修理と運転を続ける悪戦苦闘の末1500kmを走破しケープタウンから旅は始まる。すると今までの苦労がウソのように快調に走りはじめ南アフリカの見所を巡った。
国境線になっている川幅100m程のオレンジ川を渡るとナミビア領だ。
入国審査ラインに車を並べ、一度建物の中に有るイミグレのカウンターに向かう。
南アフリカからナミビアへの国境通過は非常に簡単だ。
荷物や車のチェックは一切無く、車の登録証、パスポートを係員に見せスタンプをもらうだけ。
ものの5分で通過できる。
簡単な入国カードを書いてパスポートとともに係員に提出すると、カードなどまるで見ないで、メンドクサそうにパスポートに入国スタンプを押して返してくれる。
全員あわせても10分ほどしか掛からなかった。
旅行者は我々だけの様子で、お役人は皆ヒマそうにしている。
審査を済ませ車に向かって歩いていると、税関の係員らしき兄ちゃんが私の近くによってきた。
メンバーの一人を指差し「彼は忍者か?」と真顔で言うではないか。
50代の男性メンバーの一人が作務衣を着て、伸ばした髪を頭の後ろで結わいていた。
その姿が、おそらく彼の認識している忍者だったのだろう。
一瞬迷ったが、「ああ、忍者だよ、水の上だって歩けるよ」と応えておいた。
もちろん作務衣の彼は真顔でうなずいた。
空は雲ひとつ無い青空が広がっている。
乾燥した大地に何処までも道が延び対向車もほとんど来ない。
平均時速100キロで走っているのだが、60キロ位で走っている感覚だ。
途中からラフロードへ折れ、温泉リゾートのアイアイへ向かう。
ラフロードといっても管理・整備されており、非常に走りやすい。
緩やかな丘陵地帯をいくつも越えて、夕方、アイアイに到着した。
巨大な岩山に囲まれた谷間に大きなロッジが建てられ、レストランと温泉プールが有る。このプールが温泉だ。
気温が高いので温泉がさほどありがたい訳ではないのだが、それでもプールに入って汗を流した。
宿泊はロッジの前に広がる芝生の上、何処にテントを張ってもOK、利用料はわずか200円ほど。
レストランも安いので夕食はレストランを利用する。
30cmほどの大皿にチップスと巨大な肉の塊が入ったビーフシチュー。これも500円ほど。うれしくなる120円のビールで旅の無事を祈って皆で乾杯した。
明日は日の出とともに起きて出発だ。
世界第2位の大きさを誇る大渓谷フィッシュリバーキャニオンに向かう。
(つづく)
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