- HERO‘S 大神 龍
(2011.2.21更新)※写真をクリックすると大きくなります。
勾配が落ちついたダムに辿り着いたあたりで一回停まると雪中行軍隊はすでにバラバラだった。
経験、マシンの状態などからペースはそれぞれなのだが前述した通りの理由からゆっくり停まって待つということができない。行ける者は先へ先へが暗黙のルールとなる。
隊長のイシイちゃんとヨーイチくんはキャンプ地がどうなってるか様子を見てくると言って一足先に再スタートしていった。
少し遅れてオレも走り出す。
ここからは上りのみ。しかも幾つものコーナーが連続する正念場だ。
景色は白くない所を見つけるほうが苦労するほどの白銀の世界。
その中にあっては平衡感覚がマヒして真っ直ぐ走ってるつもりなのにバランスを失いコケそうになる。
2つほどコーナーを抜けた上りの直線でその崩れたバランス感覚に加え轍の段差にフロントを取られオレは転倒した。
マシンを起こしながらまわりを見ると道の左右に積もった雪の壁にバイクが突っ込んだような跡がある。
前を行く2人も相当苦労しながら進んだようだ。
四苦八苦しながら足漕ぎ全開でなんとか再スタート。
最後のコーナーを抜けて息を切らせながら(バイクなのに)キャンプ地となる公園に辿り着いたオレの目に飛び込んできたのは・・・・。
公園の入り口は人の背丈ほどもある雪の壁に阻まれていた。
さすがにここからの最後の坂は荷物を担いで歩くしかないようだ。
とりあえずはここで後続の到着を待つことに。
しばらくして一台、また一台と無事に現地に辿り着いた。
通勤用のロードタイヤ仕様で一番心配された野中くんはリヤにトラロープを巻いて満面の笑顔で入ってくる。
オレはまだ試した事はないがこのロープ巻きは完全な雪道ではかなり効果的なようだ。