- HERO‘S 大神 龍
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この時点で雪は止んでいたが全国各地での大雪による交通マヒのニュースが聞こえてくる。にもかかわらず・・・夕方近くになると次々にバイク乗りがやってきた。
それも近場なヤツ等がちまちまやってくるのではなく東海、関東、東北などの遠方から続々とやってくる。
まったく、負けず嫌いにもほどがある。
特に新潟や福島の人間がやたらといるのはなぜだ? 時期を考えたらあまりにも不自然すぎる。コイツらは屈するとか諦めるという言葉を知らないらしい。
横浜のテンドウ氏は箱根あたりで心が折れたと言いながらもなぜかここにいる。
愛知のスイセイは出発直後にエンジントラブルに見舞われ車に乗り換えての現地入りだ。
どうやら神にイジメられているのはオレだけではないようだ。いや、毎年、何かしらのトラブルに見舞われるこの集まり自体がイジられまくっていると言えるのかもしれない。
それぞれが決して近いとは言えない距離を走り、それだけの苦労して川湯までやってきて何をするかと言えばこのクソ寒い時期にキャンプしての野宴である。
その宴会の内容など今さら語る必要はなかろう。やってる事などいつも同じだ。
温泉に浸かって乾杯してバカ話して呑んだくれて・・・まぁ毎度毎度飽きもせずと思うだろう。オレ自身もそう思う。
だが集まった一人一人はその都度、違った旅を走り、辿り着く。集まった数だけ旅の物語がそこにある。
オレはそんなやつらとの語らいが面白くて仕方がないのだよ。
バレンタインデー直前の3連休。ただただ自堕落で至福な時間が過ぎていった。
2年前は大雨に流され、昨年はやたらとぬるかった仙人風呂は今年は最高の湯加減だった。
来がけにトラブったシェルパもとりあえずは問題なく動く。こうして今年の川湯越冬も終わっていった。
結局この冬、最後にもうひと雪やられてしまったが十分に満足のいくお目当てのものは持ち帰る事ができた。
それを自己満足だといって笑うやつもいるだろう。だがオレはそれで十分だ。
なんせ人を満足させる為にオレは走っているわけではないのだから。
PS・・・ちょうどこれを書いている最中に関東から東北にかけての大地震のニュースが流れてきた。
過去に例を見ない規模の被害。今回の川湯に来ていた東北の仲間や爆発した千葉のコンビナート付近に住む友人などは、まともにそのとばっちりを喰らったが今のところ最悪な知らせは入ってきていない。
テレビからは毎日、緊迫した原発の状況や被災者の映像が流れてくる。ひとまず無事ではあってもこのあとどうなっていくかなど分かりはしない。
どいつもこいつもタフなのは知っているが前例がないほどの厳しい環境で不安な時を過ごす仲間の事を思うと胸が痛む。
自分が個人でできる事などほんのわずかだ。ただ動けばいいというものでもない。何もかもが不足している今、無駄にできるものなどない。
その中で正確な情報と照らし合わせながら少しずつでいいからできる事をオレはやっていきたいと思っている。
大自然と言う強大な力の前にあっては人間など最下層に位置する弱者だ。
弱い者が強い者と闘う時、勝るものがあるとしたらそれは数と知恵のみ。
今まさにその両方を駆使して一人一人の微弱な力を大きいものに変えていかなければならない時であろう。
今こそ集え!バイク乗り!!
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