- HERO‘S 大神 龍
(2011.6.30更新)※写真をクリックすると大きくなります。
前回、紹介した流れでオレのGWの旅は終わった。遊んだあとは仕事である。それは暇人っぽいこのオレとて例外ではない。
旅を終えてから一日を置いた週末、オレは四国徳島へ向かって走った。ハーレー系のマシンがほとんどを占めるイベントであるバイカーズ・パラダイスの取材である。
オレにとって近場である四国行きという事になるとよほど急いでいるか林道でも走らない限り足としてはエイプと言う事になるのだが(まぁ長距離でもエイプ出動は多々あるが・・・)GWに散々、使い倒してなんのメンテナンスもしていないエイプにムチ打って走らすのはさすがに気が引ける。そこでマシンはシェルパという事になった。
そしてこれを皮切りに5月の後半、シェルパの酷使が始まる。
イベントはというと取材とは言え今年に入ってハーレー系のイベントにはまったく参加していなかったため久しぶりの顔を見つけたり、中にはミスター、またはMJバイクの読者の人達から声を掛けられたり色々ご馳走になったりしながらほとんど遊びと変わらない状態で楽しませてもらった。おかげで最後はカメラの電池切れというお粗末な理由で集合写真を撮り損ねるといった失態を演じるハメにはなったが・・・。
その翌週末、和歌山である。ここからは仕事ではなく単純にオレのプライベートな旅だ。金曜日の昼間に自宅を出発し和歌山を目指す。
一口に和歌山と言っても場所によってはかなりの距離を走る事になる。この時、向かったのは紀伊半島東部に位置する北山村。オレの自宅から500キロの距離を隔てた所にある。
マシンはやはりシェルパ。ホーネットで高速という選択肢が一番ラクで無難なのだがホーネットはこの翌週に控えたさらなる長距離走に備えて温存だ。おまけに経費節約のため今回は下道の旅となる。
そう言うと大変そうに思うだろうが行きの道中は途中泊有りで一日半ほどの時間を用意してるので余裕である。この日は深夜11時頃まで走り、和歌山県内424号線沿いの道の駅で一泊する事に。
この時点で片道行程の8割を走った事になる。厄介な街中もすべて越えてこの先はひたすら山の中を走るだけなのでもう楽勝と言える。
楽勝とはいえそれだけの距離を走って何をするかと言えば・・・呑みます。いつもの事じゃねぇか!?って言われればそれまでなのだが今回はちょっと主旨が違う。主催者にしてもただ呑んだくれるだけの輩ではなく作る側の人間が今回の主催となっている。
昨年の夏以降、この手の宴会でやたらと目にするようになった“じゃばら酒”。柑橘系果実であるじゃばらを原料にしたリキュールなのだがこのじゃばらという果実、聞いた事がないという人も多い事だろう。世界的に見ても和歌山県の北山村でしか栽培されていない唯一無二とも言える貴重な果実なのだ。
しかもこれを作っている蔵元の名前が吉村秀雄商店。念のため言っておくがあのヨシムラではない。だがこれは偶然か、それとも何かの因縁か・・・とにかくそんな事もあってバイク乗りの宴においてこの酒の存在がその場を大いに盛り上げているのだ。
そしてその蔵元で働く荒走り君の呼びかけで今回、じゃばら酒の生誕地である北山村に集まって呑もうという事になったわけだ。
翌早朝、オレは道の駅を出発し開催地である北山村、おくとろキャンプ場を目指す。311号を経由し川湯温泉を過ぎた所で169号へ。そこから国道とは思えないほど険しく狭い峠道を延々と走ると道の駅おくとろがある。
キャンプ場はその道の駅近くと聞いていたので道の駅に入り地図を確認しようとするとどこからともなく「お~~い!」と。声のする方に目をやるとオレに向かって手を振りながら叫んでる男たちが数名。遠目にも間違いなく今回の参加者である事はわかる。それにしてもこの時点でまだ午前中だ。この時間に居るという事は前夜からやっていたという事だろう。
キャンプ場は道の駅に隣接していた。見方によっては道の駅の敷地内にキャンプ場があると言ってもいいかもしれない。テントサイトへ行くと10名ほどの参加者がいい感じで飲み散らかしていた。そのうち半分はお馴染みの顔である。
主催者である荒走り君の旅仲間はバイク乗りに限らない。車、自転車、バックパッカーなど様々だ。その後も夕方にかけて20数名の参加者が集まってきた。
主役である“じゃばら酒”も大量に用意されている。そして日も暮れかかった頃、乾杯!!色んなジャンルにおける旅人達の宴は例に漏れる事無く深夜まで続いた。
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