Hi-Compression Column



紀州“じゃばら宴”、みちのく“かたぎや”の旅路 予定外のシェルパ奮闘記
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じゃばら宴を終え、自宅に戻ったオレは次の旅に向けて準備を始めた。

行き先は東北山形“かたぎや”。別に震災があったから行ってみようという気になったわけではない。昨年、参加した新潟の俺節、福島の狂宴でその話は散々聞かされ翌年は行くつもりでいたのだ。

3月の例の大震災でこりゃ中止だろうなと思っていたら告知に出ていたためやるならば・・・行く、と行動に移したまでだ。イベント事に関しては自粛ムードが蔓延していたが地元の当事者達が自らを奮い立たせるように開催しているものに対して遠慮するなど逆に失礼であろう。

現地まで片道で1300キロ近い道のりになる。そうなると当然、我が家のフラッグシップ、ホーネットの出番となる。旅の足としては昨年10月以来の登場だ。

目に見えて消耗していた前後のブレーキパットとオイルを交換した後、パットのアタリをつけるため地元の峠を走らせた。なかなかいい感じで感覚を取り戻し自宅へ戻ったのだがこの直後、大問題が発覚する事となる。

フロントフォークのオイル漏れである。早々にバイク屋にパーツを注文するがパーツの入荷は週末になると・・・。間に合わねぇ。このまま騙し騙し走ると言う事も考えたが今回は「ちょっと隣町まで」というのとは訳が違う。

仕方ない。シェルパにもうひと頑張りしてもらうしかなかろう。とは言ってもシェルパもタイヤがトゥルントゥルンな状態。幸いな事に新品タイヤのストックがあったのですぐさま交換。ついでのオイルも交換して準備完了。準備完了ではあるが・・・大丈夫か!?シェルパ。多少の不安を抱えながらもオレはシェルパにいつもの旅道具を括りつけスタートを切った。

ETCは搭載しているが平日スタートなためとりあえず東京まで高速を使うつもりはない。豊橋を越えた所での一泊を挟んで2日目の夕方に東京着。東京では今回もBGの方でマンガを連載してるイラストレーターの花輪氏宅で世話になる事に。

まぁ余談ですがこの日は居酒屋でしこたま呑みました。と、ここまでは何の問題もない。過去に何度もシェルパで経験済みだ。そういえば一ヶ月ほど前にも同じパターンで東京に来てるわ・・・オレ。

翌日、早朝に花輪邸を出発し外環状、首都高と繋いで東北道へ。ここからはシェルパにとって未知の領域となる。

走る距離は400キロ程なので大した事はないのだが流れの速い東北道ではやはり250クラスのオフ車は役不足だった。勾配のキツイ上りではトルク負けしてスピードは落ち込んでいく。おまけに予想していた以上に交通量が多い。

だが週末の混雑は宇都宮までだった。道は3車線から2車線になったにもかかわらず交通量はグンと減り走っている車両も限られてきた。被災地支援の自衛隊車両にボランティア団体のバスに地元ナンバーの乗用車、そして東京電力の車両。バイクの姿はほとんどと言っていいほどない。そのせいもあってかPAではちょくちょく話しかけられたりした。

福島に入ってからのつぎはぎだらけの路面は地震による被害の大きさを物語っている。何箇所かリッターバイクが全開で走ってたらジャンプするんじゃねぇ!?って思えるような隆起もあったがシェルパでは何の問題もない。

それよりも次から次へと車に抜かれていくのが少々腹立たしい。開き直ってしまえばいいのだろうがなかなかそれができない。バイク乗りの悲しい性ってやつなのだろうか。

村田JCTから山形道へ入りしばらく走るとみちのくの深い山々が織り成す雄大な景色が目の前に広がった。蔵王を過ぎてからは左右にどこまでも続く田園風景が何年も前に訪れた時の姿のままオレを迎えてくれる。これだけ見ている分には太平洋側で起きた悲劇が嘘のように思えてしまうのだが現実はそうではない。この辺りの農家の人達にしたって深刻な風評被害にさらされているのだ。


道の駅寒河江の裏手には川が流れその河川敷がイベント会場になっている。そこがかたぎやの会場。広い駐車場には次々にやって来るバイクの姿が。

道の駅寒河江の裏手には川が流れその河川敷がイベント会場に
広島の風神ことコウタンはオレよりも長い距離を走りやってきた。「去年も来てるんで勝手は分かってる」ってそういう問題じゃないんですが・・・まぁ今さら驚きませんよ。私は。

寒河江ICを降りて112号線を街中へ向けて走ると右側に道の駅が現れる。その道の駅の裏手にある河川敷がかたぎやの会場となる。昼頃に会場入りするとすでに数名の参加者がテントを張り構えていた。

さすがにここら辺りまで来ると毎度お馴染みという顔ぶればかりではない。まぁそれも最初のうちだけでしたが・・・。その中に新潟ビナムドの加藤、上村氏を見つけた。

このへんの面子と顔を合わせていると自分がどこに来たか分からなくなる
このへんの面子と顔を合わせていると自分がどこに来たか分からなくなる。そう言えば先週も和歌山で一緒に呑んでましたな、君達。
買出しから戻った上村氏のタイヤがパンク
買出しから戻った上村氏のタイヤがパンク。急遽HERO‘Sファクトリー開業。ってたまたま修理キットを持ってただけなんですけどね。しかしチューブタイプの修理はしんどい。

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