Hi-Compression Column

フツーのおとうさんのバイク生活・シーズン2


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が……

(2010.10.29更新)

「乗ってないじゃない!」


名古屋に赴任してから早や4ヶ月。共に移り住んだCBクンはツーリングに、時には家族先への帰宅の手段として着実に距離を伸ばしている。

これは実に喜ばしい。

やっぱしバイクはきちんと乗ってあげることが一番のメンテナンスなんだよなー。

乗っているからこそ不具合が出てきてもすぐに分かるし、そうすれば早め早めのメンテナンスが出来るもんね。  

先日、前後のタイヤとフォークオイルも交換したし今のところ、へへ絶好調だ。

なんてね、もちろんこのセリフはかなり見栄を張っている。

そんな30年も前のバイクをささやかなオコヅカイと素人メンテでカンペキになぞ維持していける訳がない。  

時々僕は思う。古いバイクに乗り続けるには、お金を掛け続けるか又は妥協する寛大な心を持ち続けるか、だ。 

妥協ってったって走ってこそのバイクだもの、走りに関わるトコに手を抜く訳にはいかないし、あ、いやエラソーなパーツに交換するとゆー訳じゃなくて、消耗品はなるべく手を抜かないでマメに交換しよう、と思っているだけですけど。

ところが先日、久々のツーリング(兼家族先への帰省)の最中、フロントタイヤの空気圧が徐々に下がってくるトラブルに見舞われた。

空気圧を適正にしておいても100kmも走ると0.3kg/cm3位下がっちゃうのである(実はワタクシ空気圧が非常に気になるヒトで、いつも出発時から休憩毎に空気圧を計っている変なヤツです)。

タイヤは交換したばっかだし、パンクっちゅう程の抜け方でもないし、何でだかなあ?なんて考えながらクネクネ道(ワインディングですね)を走ったってやっぱり気になって楽しくない。

いつもの調子で走って、フロント取られたらシャレにならないもんね。

昼の時間も過ぎた頃、ハタと気が付いた。

ひょっとしてムシ(タイヤのバルブの中に入っているヤツね)かあ?

チューブレスの新品タイヤで空気が徐々に洩るとなると、ホイールが曲がってなきゃ後はムシ位しか考えられん。

しかし我ながら30年以上もバイク趣味をやって来たけれど、あんまり(とゆーか全く)ムシ関係の問題が起きた事はない。一体どうしたもんかね? 

まあ今日のところはダマシダマシ走らせて、もしバイク屋さんを見つけたら修理してもらおうかな?なんて考えながら走り続けていたのでした。


秋の日はつるべ落とし。

ゆっくりと松本は浅間温泉の露天風呂で沈む夕日を満喫して(こうゆー気まぐれ行動出来るのがソロツーリングの楽しみですね)、
さあ〜ていい加減に出発しないと今日中に帰り着かないなあ、などと思いつつ

「なんか空気圧に問題を抱えたまま高速道路に乗るのイヤだなあ」
とこんな気分で高速手前のガソリンスタンドに入ったのでした。

ところがところが、スタンドで給油ついでに空気入れを借りながら話をしていたら、「じゃあ、ムシ交換しましょうか?」と軽〜く言われてしまった。

「え〜っバイク用のムシなんかあるの?」
「いやあクルマと一緒ですよ」
とゆー力強いお言葉である。

嬉しい!あっという間に交換してくれて、ムシは売り物じゃないのでお金はいらない、とまで言ってくれる。 

いやいやせめて気持ちだけでも、と100円置いてきたけれど(100円ちゅうのはどうよ?と反省。大人だもの今時ワンコインだったら500円だよねえ)、いやあまだまだ知らないことは一杯あるなあ、と改めて感じた出来事でした。

なんとか曜日が変わる前にたどり着いて、翌朝、CBクンを車検に出す準備をしていると背後から「ふ〜ん」とも「は〜ん」とも聞こえる怪しいオクサマの声が耳に入ってきた。  

「ねえ、もう1台のバイクってず〜っとこっちに置きっぱなしだし売っちゃっていいんじゃない?」   

いきなり内角高めの直球である。

「いやいや前にも言った通りCBとXLRでは用途が全く違いますから」
と軽く受け流すと、敵は決め球の
「だって全然乗ってないじゃない。乗れるようになったらまた改めて買えばいいでしょ」
と容赦無く痛い所を突いて来た。

そうなのですよ。タンシン赴任状態の今、何とかCBには乗れているものの(つーかこのバイクはちょっと乗らないでいるとすぐにグレてしまうので乗らざるをえない)その分XLRに全然乗れていないのです。

梅雨前に前後タイヤも交換し、「いくぞ林道、走るぜ獣道」仕様にしたはずなのにまだ1回もツーリングに行けて無く、たまーにエンジンを動かす目的で河原をそっと走る位なのです。  

それにしてもまあ、このXLRクン(93年型MD22。個人的には名車中の名車!と信じて疑わない)は2ヶ月振り位でエンジンを掛けてもフツーに掛かってしまうところがスゴイ。

オフロードも粘るけれど意外と舗装路のクネクネ道も気持ちいい、とっても楽しいヤツなのです。

そんなかわいいヤツを2ヶ月間も屋根も無い家の端っこにバイクカバー1枚で置き去りにされていたなんて、かわいそうなハナシである。    

スマンスマンと思いつつ久しぶりに乗ってみると、なんだかみょーに調子が悪く感じられる。

結局クラッチワイヤーやブレーキワイヤーが伸びてタッチが悪くなっていたり、チェーンその他の給油が足りなくていつもの滑らかさが無かったりするのが原因だったのだけど、う〜んバイクって正直だなあ、とつくづく思いました。

やっぱり一杯乗ってあげて消耗品を替えてやってこそ元気なバイクでいられるんだよなあ。

「かあちゃん、頑張ってXLRクンにもいっぱい乗るからね」

     −お詫び−
先月に引続き、今回も写真がありまっしぇん。せっかくCBクンとの岐阜・長野ツーリングやXLRクンの家のスミッコにカバー1枚で佇んでいる写真を撮影したのに、家族先にカメラ忘れてきてしまいました。PCでデータ送ってもらうにも繋ぐケーブルは単身先(こっち)だし… すでに締切りも過ぎていて宅配便で送ってもらうまで待ってもらうことも出来ず… 次回は頑張ります。


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