Hi-Compression Column

フツーのおとうさんのバイク生活・シーズン2

タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が……

「ラブストーリーは突然に」

(2011.10.25更新)


単身フニン中である。

一人暮しも1年が過ぎ、フニン先で新しいバイク仲間も少しは出来たのが嬉しい。

でもそうは言っても以前と比べれば僕の身の回りにバイク好きの同好の志はやっぱし少なくなった。

「あー、バイクのハナシがしてーなー」とつくづく思う。まあバイクっつーのは乗ったりイジったりするモンで話すモンじゃない、とも思うのだけれど、やっぱり好き者同士の会話ってとても楽しいから。

従って僕の単身生活の中では余りバイク話が出来ない分、バイク雑誌が重要な役割を果たしてくれている…ハズなのだが、ううう、最近のバイク雑誌の少なさは余りに悲しく寂しい。僕にとってバイク雑誌が少ないと、日々の生活(特に夜部屋に帰ってからのね)の彩りがアセてしまう、とまで言い切って良いくらいだ。

だって好きなんだもの、バイク雑誌。

今、僕の(単身先の)部屋での最大の楽しみといえば、TVでのサッカー観戦を除けばお風呂で半身浴をしながらバイク雑誌を読むことと言い切っても過言ではない。バイク雑誌を持って汗をだらだらかきながら30−40分程半身浴をするのが、僕のこっちへ来てからの平日の夜の至福の時? である。

特に夏場は暑くてモーローとしてくるので果たしてこれが身体に良いのか悪いのかよ く分からないけど、それでも結構続けている。 従って我が家のバイク雑誌は水滴に濡れてべろんべろん状態だ。

その日の夜もジョギングから戻り、へろへろ状態で風呂に飛び込み半身浴をしていた。

その日バスルームに持ち込んだのは「日本のバイク遺産 思い出の国産車たち 1980年代編」という(モーターマガジン社です)極めて重厚な、もはや「書物」と言うべき存在である(最近は半身浴に持ち込む本も段々エスカレートしてきて雑誌だけではなくなってきている)。

で、目に留まってしまったんです、SRX-6。

すでに何度も告白しているのだけれど、僕はシングルバイクがかなり好きだ。

ヤマハ様のSR500販売再開に備えて(そんなウワサはないけど!)500円玉貯金をしている位好きである。

実際これまで20台弱のバイクをとっかえひっかえ乗ってきて、上手く乗りこなせたなーと自己満足出来るのは、現行のCB-Fを除けば20年近く前に乗ってたSRX-6が一番と今も固く信じている。

今でも年に1回か2回、大抵なぜか春先になると「ああSRX-6欲しいー」と発作が出るくらい好きなのです。

で、半身浴をしながら久し振りにSRX6をまじまじと眺めていた。


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なんちゅうかやっぱりキレイである。よくヤマハのバイクを揶揄して「カマハ」などとからかうけど、なんかこうバイクのくせに? 官能的なんだよなあ。SRXに限らずヤマハのバイクって妙に「官能的にうつくしー」ところがあって、逆にちょっと錆びたり汚れたりするだけで魅力が急激に衰えたりするキケン性も合わせ持っている。ぴっかぴかに磨いていると愛着は強いのにちょっとほっておくとなんか急激にみすぼらしくなって手放したりしちゃうんだよなあ(過去のワタクシの実績より)。

ああSRXやっぱりきれいだなあ、などと眺めていたら、またもやシングルエンジンの楽しさが甦ってきてしまった。

「おおSRX、キミが欲しい」病、再発である。

ただちに遠方のバイク仲間に「どう? SRX乗りたいんだけど」とメールを流すと、どいつもこいつも否定的な回答ばかり帰ってきた。

曰く(いわく)、

「高速辛いぞ〜」

「遅くて今更耐えられないって」

「壊れる」

「まだ軽いバイクにヒヨるのは早い」

「4気筒に慣れたヤツにはもうムリ」

「今更250と同じ馬力で我慢できっかよ?」

う〜む、かなりの罵詈雑言である。そして確かに当っている気もする。

僕の場合、ここ7年間は30年前のCB-750Fが主力機だったのでパワー不足・スピード不足には割と慣れているつもりなんだけど、それでも「昔の250より馬力無い('80年代後半当時250で45PS、対するSRX6は42PSだった)」と言われるとちょっとがっかりしてしまう。

でもなあ、くねくね道では決して遅くなかったよなあ。「ダラララララー」って感じでいい音出しながらビッグバイクに結構付いていったよなあ、とも思い返す。

ふ〜む、バイクの楽しさって一体何だろう?

圧倒的なスピード? 強烈な加速感? 誰にも負けないコーナリング? どれもバイクの魅力なんだけど、一方で僕は最近はそんなのどうでもいいや、ってな気持ちにもなってきている。

じゃあ代わりに何を望むのかって言うと、なんて表現したらいいんだろう?

一言で言うと「一体感」かしらん?

バイクだからもちろん機械であり道具なんだけど、それだけじゃなく一緒に力を合わせて最高のパフォーマンス(っつーほど大げさなモノでもないか?)を出す楽しさって言ったら良いのだろうか?

昔、草エンデューロとかやってた頃、ヘタクソなりに上手くコーナーを廻れた時やジャンプした時の喜びや楽しさと似てるかなあ?

乗せられてるんじゃなくて、バイクと力を合わせて「これまで以上」を見つけ出す感じ。非力なバイクであっても長所を見つけ出して一緒に成長していく感じでしょうか(かなりオオゲサである)。  

あともう一つSRXで楽しめそうなのが、「ゆっくり走りながらのバイクとの対話」ってヤツですか。

シングルエンジンに限らず中低速型のエンジンってヤツは、もちろん低回転で気持ちよ〜く走るので、田舎道のノンビリ走りがとっても楽しい。信号の全然無い田舎の農道や町道を、景色を見ながらエンジン音を聞きながら流していると、「ああ、このままずっと走っていたいな〜」って心から思ったりする。秋の山里の午後をゆっくりといつまでも走っていたいねぇ。「あ、あの柿美味しそう」なんてね。

ナンだか、ここまで情熱を込めてSRXやシングルエンジンを語っていると、こりゃあマジで恋に落ちたなぁと思う。 

どうしましょうかねえ。

(いや実はもう買っちゃったんだけど…)


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