10時30分、新会場での隼駅まつりは始まった

10時30分、副会長の垣田さんによる開会宣言で第3回のまつりはスタートした。

開会5分前
開会5分前。挨拶する側も暑さは同じ。いや、開会前のわくわく視線ビームでこっち側の方が暑かったかもしれない。みなさまお疲れ様でした。

昨年は鳥取県知事や石破元防衛大臣など大物議員が挨拶にやってきたが、今年は会長、町長、町議会議長など身内? が手短かにお約束の挨拶。大物議員もいいのだが、挨拶を聞くために来るライダーはまずいないだろうから、やっぱり挨拶やお説教は短い方がいい。

熊本県多良木町の町会議員(多良木町には最末期のはやぶさ号に使われていた14系と14系15型寝台車3両を宿泊施設ブルートレインたらぎとして2010年7月に開設した、はやぶさライダーハウスの先輩で、そのPRと視察を兼ねてわざわざやってきてくれた。守る会のメンバーに「3両もあるんだから1両ください」と無茶振りされて苦笑していた)や、ハヤブサライダー代表・執行竜也さんの挨拶は人柄が実直さが伝わってきた。

実はこの二人、事前の打ち合わせもなく直前に守る会の西村会長から挨拶を要請された。いかにも手作りイベントという感じでほほえましい(頼まれた方はほほえましいどころではないと思うが)。

仕事柄手慣れているであろう議員はともかく、執行さんの挨拶はいきなり振られたというのがウソのような立派な挨拶だったことを忘れずに書いておかねば。

開会の儀が一通り済むと、参加者全員での記念撮影、よさこい、そしてこの日のために作られたオリジナル曲「隼音頭」がお披露目されまつりらしくなってきたと思えば、そのあと特に催し物はない。


ライダー代表で挨拶をした執行(しぎょう)さん
ライダー代表で挨拶をした執行(しぎょう)さん。佐賀県からはるばるやってきた。愛車はもちろんハヤブサでスタイルと扱いやすさが気に入っている。孫子の代まで自慢できる(してください!)ムーンライトはやぶさの初宿泊のうちのひとり。感想は?「暑いかなと思いましたが、快適でした。前夜の祝賀会では地元のおじいちゃんが自宅のお風呂に招いてくれました。家族の方はとまどっていたみたいですけど(笑)」
前日のムーンライトはやぶさ祝賀会で初お披露目された「隼音頭」。作詞、作曲、唄、振り付けはすべて地元の方という完璧な地元オリジナルソング。曲調は盆踊りにぴったんこ。ノーカット動画でしばし癒されて下さい。
※スタートボタン通すと動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeで直接ご覧ください。Youtubeの動画ページへ

隼ライダーのテーマ

作詞・作曲 藪田さん 唄 松下さん(市役所勤務)
1
日本中の隼が聖地巡礼ツーリング
若桜鉄道隼駅にみんなの笑顔が待っている
誰もみんな知っているスーパーライダー知っている
隼ライダー迎えるたびにみんなの笑顔がまた増える
隼ライダー カッコエエ どんなライダーよりカッコエエ
鳥取 隼 ライダーの聖地 みんな集まれ隼ライダー
2
風を切って隼が緑の谷間ツーリング
若桜鉄道隼駅に楽しい笑いがこだまする
隼が集まってレトロな街に賑わいを
案山子も手を振り迎える街に楽しい笑いがまた響く
隼ライダー カッコエエ どんなライダーよりカッコエエ
鳥取 隼 ライダーの聖地 みんな集まれ隼ライダー
 
隼ライダー カッコエエ どんなライダーよりカッコエエ
鳥取 隼 ライダーの聖地 みんな集まれ隼ライダー

隼音頭

作詞・作曲 藪田さん 唄 松下さん(市役所勤務)
1
ハァー 此処は 隼 八東川の 清き流れに君恋う郷よ
隼神社に願掛けて 竹林の里で夢馳せる
隼プールに沈む夕陽に涙して 月夜に浮かぶ福井の石灯籠
アソレ ライダーの聖地に集まって 老いも若きもライダーも
遥へつづく 隼音頭
2
ハァー 此処は 隼 旅路の夢か 若桜鉄道 隼駅よ
竹林祭りで声かけて 二人寄り添う光福寺
隼ライダー心残して帰る夜は 君待つ窓も霞めるおぼろ月
アソレ ライダー聖地に集まって 老いも若きもライダーも
遥へつづく 隼音頭
3
ハァー 此処は 隼 かかしが笑う 駅のホームに咲く花見つめ
君への想い空翔けて 胸に焼きつくあかね雲
隼駅から旅立つ人と誓い合う 八月八日に再び会えるねと
アソレ ライダーの聖地に集まって 老いも若きもライダーも
遥へつづく 隼音頭
隼駅のある八頭町の名所とハヤブサが盛り込まれた歌詞。いろいろなバイクがあるが、唄になるバイクはあっても、盆踊りになるバイクはそうそうないはず。バイク史に残る歴史的快挙じゃなないかっ。B面(と、今でも言うのかな?)の「隼ライダーのテーマ」の動画は……動画屋が撮り忘れて……歌詞のみでお楽しみを。「カッコエエ」を連発されるとお尻の穴がむずむずしそうだが、ブサ使いでよかったでしょ! 
鳥取市のしゃんしゃん祭でよさこいを踊るため3年前に結成された「輪舞(ロンド)」はおとなりの智頭町から参加してくれた。このメンバーの中の3人の勇者が「隼クイーン」としてこの後、大活躍? した。暑い中、おつかれさまでした。
軽トラ朝市
屋台は八頭町商工会が主催する軽トラ朝市がずらり11店も。やはり餅は餅屋に任せるのが一番。餅屋はいなかったけど。軽トラ朝市は全国でさかんに行なわれているようだ。「昨年、地元のおばちゃんが作ってくれたポン菓子食べたかったなあ」と依田カメラマン。
軽トラ朝市
第1回から皆勤賞の取材はミスター・バイクと山陰放送さん。Tシャツ短パン、頭にタオルの弊社記者とは真逆な、クソ暑い中きちんとした服装で取材されるのは脱帽。他には日本経済新聞さんの記者も見かけました。ちなみにwebサイト上では朝日新聞読売新聞中国新聞などで報じられている。
かかし
八頭町の名物のひとつが手作り(既製品というのもあまりなさそうだけど)のふるさとかかし。隼駅にも常時配置されている。愛嬌のあるかかしが至るところに配置されていた。近くで見るとそうでもないが、大きさや姿がリアルで、ぶつかってしまい謝っている実直な人も(実は拙も)。
ミニSL
会場の横にはミニSL。普段は有料だがこの日は無料開放。炎天下石炭焚いて走るのは機関士さんも、機関車さんもご苦労さま。子供はミニSLで大はしゃぎ。一部の大人は側線に待機している黒部峡谷鉄道ED9(クリックすると出てくるオレンジ色の機関車)に激しく興奮。
隼クイーン
突然会場の片隅にカメラを構えた人垣が。その輪の中には、見事なよさこいを披露してくれた輪舞のきれいどころが隼クイーンのたすきを装着して撮影会中。このたすき、まつりを盛り上げようとなんと自前で用意してくださったとか。ありがたいことです。※クリックするときれいどころが見られます。
カルロスさん
恒例の遠来賞を募ったら、北は函館(約1500km)、南は鹿児島(約750km)からのブサ使いが名乗り出た後、「Texas!」と名乗り出たのはハデなブサが似合う英語教師のカルロスさん。昨年の隼まつりにもやってきたので覚えていた人も多かったのでは。
今年はスズキャリイキャラバンが駆けつけてくれた。普段とは異なり、試乗体験はなかったがウエア類やハヤブサのパーツを特価で販売したりで、人が途切れることのない大盛況。そして一番注目を浴びたのが義援金を寄付するともれなくプレゼントされた日付入りの特製バンダナ。もう二度と手に入らない逸品。スズキ二輪の西村部長が「こういう開放感のある場所でのイベントはいいですね。今日は時に義援金の集まりがいいようです」と自ら陣頭指揮。おつかれさまでした。
ジャンケン大会は先発の西村会長がノックアウト? され、急遽NTTdocomo(昨年もブースを出してくれました)のかわいいおねーさん(左の写真をクリックすると見られます)がリリーフして会場はヒートアップ。最後は隼クイーンが見事に火消し役? を務めゲームセット。ビンゴ大会の賞品は地元産のエリンギ、シフォンケーキ、梨、鹿肉の粕麹漬けなど、ジャンケン大会はスズキ二輪さんからどーんと60本が提供された。ちなみにMCの方が「スズキ60本というから冷凍の魚が60本かと思いました。この炎天下に大丈夫でしょうか」と見事な大スベリを惜しげなく披露し、猛暑の解消に一役買った。
ハヤブサ
今年は駐車スペースがいくつかに分かれたため、会場中どこを見てもハヤブサだらけの迫力はなくなったが、出し入れに難儀するよりゆったりと駐車できるほうがいい。ハヤブサ以外のバイクも結構いたが、特に駐車スペースを分けないのも隼駅まつりのおおらかさ。だからブサ使いじゃなくても遠慮は無用のウエルカム。ただし、大人の一般常識のある方のみ(笑)。

切れ目無く出し物が続くイベントもいいが、全国から集まった見知らぬブサ使いがバイク談義で盛り上がるもよし、軽トラ朝市にキャリイキャラバンやドコモブースをひやかすもよし、八頭町の緑豊かな景色に見入るもよし、各自が各自のスタイルでご自由に楽しんでくださいというスタンスのこんな時間も隼駅まつり。会場が駅周辺の時は地元のおじいちゃん、おばあちゃんとの異業種? 交流も楽しかったが炎天下でここまでは来てもらうのは厳しいか。

最後のイベントは、恒例のジャンケン大会にビンゴ大会。

地元の特産品やスズキグッズが大量に用意され、半数近い参加者になんらかの賞品が行き渡った(はず)。

とまあ、このように隼駅まつりに特にすごいイベントが用意されているわけではない。

そしてそれほど広く告知されているわけでもないのに、今年も多くのブサ使いがここに『帰って』きた。

ハヤブサ
隼駅を守る会の西村会長。イベント会社などに頼らずに、一切を有志で取り仕切って開催することはかなり大変。それでも苦労話は一切せず「今年は大震災や高速1000円の終了で来ていただけるか心配でしたが無事開催できてよかったです。来年もやります」と笑顔で語る。継続は力!
ハヤブサ
隼駅を守る会の東口事務局長。「惑星探査機はやぶさの研究員の方に来ていただきお話してもらったり、世界中のハヤブサライダーが集まれるような場所にできたらいいですね。まだまだ夢のような話ですが」と語ってくれた。夢や希望があればこそ明るい未来がやってくる!

開始からわずか3時間でまつりは終わる。

「来年もまた、隼駅で」

笑顔で見送る地元の人に、ライダーは笑顔でうなずく。

「来年もまた、ここで」

その言葉の源には「どうか無事故で楽しくハヤブサに,バイクに乗り続けて、またここで」そんな意味も込められている。

「来年もまた、ここで」


[前のページへ] [第2回隼駅まつりのページへ][第6回隼駅まつりのページへ]