「はーい、ゆっくり丁寧に確実に操作して下さいね～」こんな声が2011年４月17日、茨城県白井トライアルパークに響き渡った。

最高の天気の中で第二回STRADA SMOOTH RIDE CLINICなるものを開催した。

今回のテーマはアンダンテ・カンタービレ。

アンダンテ・カンタービレというのは音楽用語で「歌うようにゆるやかに」という意味。

そんな気持ちで一日かけてゆっくりと自分のオフロードバイクと向き合ってくれればいいかなという思いから。

オフロードバイクライディングというのは想像以上にバイクの上で体を動かす、発汗量もかなりある。

例えば競馬の選手も見た目は何もしていないように見えるけど実はもの凄い運動をしているのはご存知だと思う。

オフロードバイクライディングも全く同じ、だから最初は無理せずゆっくりと力を入れるんじゃなくて力を抜く方法を体感してもらいたい。

僕の経験上、最初はゆっくり動いて確実に体の動きを覚えるのが上達の早道だと思う。

例えばゆっくりとした動きで行う太極拳、あれをいきなりジャッキー・チェン並みの速度でやれって言っても……ハマちゃん出来る？ やっぱ無理でしょソレは。

MotoGPレプソルホンダチームのケーシー・ストーナーだっていきなり300km/h以上の速度で走れた訳ではないと思う。物事には順番があるという事だ。

そう、だから最初はゆっくり確実にアンダンテ・カンタービレでオフロードライディングの体の動きを理解しようというのが当クリニックの目的のひとつ。

そしてこのクリニックのメインの目的は「練習方法の伝授」。

僕の周りには「上達したい！　でもどんな練習をしたら良いかわからない」と言う人がとても多い。

もうちょっと正確に書くとやる気はあるのだが良い指導者に恵まれておらず、上達したい気持ちだけカラ周りしている状態が何年も続いているような皆さんだ。

そういった皆さんの練習方法を見ていると、殆どのライダーが難所に向かってバイクごとエイヤーっとイキオイマカセで突進する出たトコ勝負的なヤリ方。

これは練習じゃなくてただの無茶！　こんな事をやっていたら当然ケガもする。

もしケガをしたら大好きなバイクに乗れない、これは人生にとって無駄な時間以外のナニモノでもないし、仕事にだって影響は出る。

誰でもそんな事は少しでも避けたい、そんな皆さんの為にローリスクで確実に上達する練習方法を一緒に

楽しみながら伝えられればと思いこのクリニックをスタートした。

クリニックの内容はとてもシンプル、危険もかなり少ないのでなるべく初心者や初心者じゃないけど腕前は初級者という皆さんに是非参加して頂きたい。

あんまりストイックになると疲れるしつまらなくなるからいつも笑顔を忘れないように心がけると練習も楽しくなる。

頭の中でライディングを組み立ててイメージを作ってから走る、頭を使って乗るというのはそういう事だと僕は思う。

大事なのはそういった練習を普段からやってもらうようにすること。

ブレーキも使い方のコツがあるのでそれはクリニックに参加してくれた皆さんにはその場でレクチャー、簡単なコツでブレーキングテクニックは飛躍的に向上する。

コツとしては左足は土踏まずで乗らず親指の付け根で乗りカカトを若干上げ気味にするといい感じになるから一度試してみて欲しい。

写真はエンジンを始動していない状態でのステップでバランスを維持する練習。

路面状況にもよるが、バランスのタイミングが合えばトレール車でもハンドル真っ直ぐのままスタンディングは可能。

最初はほんの数秒から始めてくれればいい、力を抜けばキミもきっと出来る。

このクリニックの大きな魅力でもある参加者の走行写真撮影。

皆さんの走行写真はプロのフォトグラファーにお願いして撮影していただいている。

撮影はいつも色々な企画で一緒に行動をしてくれている通称トクさんこと徳永茂氏。

彼の人懐っこく優しいキャラクターは参加者の皆さんにも大好評！

そんなトクさんだが、写真の切れ味は抜群で皆さんのライディングフォームをズバリと切る！

動画ではわかりにくいライディングフォームの分析にはやはりスチール写真がベスト。

ヒジやヒザの角度、はたまた視線まで写真で全部わかってしまうので皆さんの上達のプラスになるのは間違い無いだろう。

この写真を見ながら、仲間とオフロードバイク談義を楽しむのもいいだろう。