編集部ブログ 勝島部屋から

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※編集部宛のメールはこちら「bg@mr-bike.jp」へ。

2013年8月11日 

ミスターバイクBG 9月号発売されました

- Noah Sellen @ 6:19 PM

お! 新しい号が出ましたね。
巻頭特集は裏テーマ「ゴイスーバイク」でした。
デスモセディチに乗らせてもらったんだから、ほんと、ゴイスーな体験でしたよ。オーナー様ありがとうございました。
続きはぜひ紙面で。お盆休み、暇でしょ(笑)

CB550フォアのレストアは順調です。
シリンダー内のサビがちょっと気になるところ。ペーパーで削り落としても、同時に削りたくないところまでやっちゃいそうだからなぁ。やっぱりボーリング屋さんに出して、径は変えずにサビだけさらってもらうかな。軽くホーニングでもしてもらってさ。

なんと、1977年製のこのバイクの軽レストアに必要な純正部品、全部出ました! ホンダは旧車の部品供給が芳しくないって言うけど、そんなこともないみたい。外装とかはともかく、ゴンゴーに限らず主要部品は結構出るもんです。ありがたい! 宗一郎さん、見てますか?

当初の予定では10月26日の絶版車祭までに完成させて走ろうと思ってたのだけど、うーん、どうかなぁ!

(ノア)

2013年8月2日 

今週末はまたまた日光チャレンジロード

- Noah Sellen @ 10:29 AM

ウエマツさんとBGでコラボして、日光チャレンジロードの「MID4」という耐久レースに出てます。
このレースは車両が古ければプラス集回数のボーナスハンデがもらえるから、すっげー速いバイクでギンギンに走っても勝つのはなかなか難しい。一方でこのホークみたいな古いバイクではタイムこそなかなか出ないけど、ハンデがあるから勝てちゃう可能性も結構あるというわけ。ま、必ずしも勝ちを狙うレースではないんだけどね、なんとなく表彰台を狙ってやるわけですよ。
ウエマツ製作のこのホークは、ウエマツファクトリーの渾身の寄せ集め…じゃない!じゃない!! 渾身の力作ですよ(笑)
ハンデ周回数13周という、一番大きなハンデをもらうべくフレームはホーク2。エンジンや足回りは違うんだけど、何せ古いバイクだからね、100%純正ってのはなかなか難しいわけで、だからこそ日光チャレンジロードはレギュレーションがある程度フレキシブルだったりするわけだ。
勝ちを狙うレースではないけど(スプリントカテゴリーは勝ちを狙いますよ。凄いハイレベルで僕はもう出れないほどですが、観る価値は大いにあり! 腕試しにもどうぞ)、僕は過去何度も日光チャレンジロード耐久に出てるのに、表彰台は2位が1回だけ。しかもそれは2007年の話だから、そろそろもう一度乗っておきたいわけですよ表彰台。
先日マシンのチェックを兼ねて日光へ練習に行きました。
前回も走った前田君はコソ連が効いて着実にレベルアップ。石橋を叩いて渡るタイプで、力が抜ければもっと化けそうだな。新規参加ライダーの笹原君は筑波やモテギでもいいタイム出してるサーキット経験者だから頼もしい。

ふっふ、こりゃ俺の出番はないかな!

こりゃ俺が出なくても大丈夫そうだな!

なんて思ってたら、この翌日にぎっくり腰…。ここ1週間は安静にしていてだいぶよくなってきたけど、編集長に「ダメに決まってんだろ! 棄権しろ!」といつになく厳しい口調で言われちゃいました。

えー? だって桃尻杯も申し込んじゃったし… XLR125Rで桃尻4ストクラス(2人!)の頂上を狙ってるのに… とゴネたけど、「ダメ」「ダメ」と、自身も腰痛に悩まされている編集長に強く諭されました。

「わかりました」

と、ぜんぜんわかってないのにとりあえずその場を収め、
「ところで日曜日、日光に来る人!」
と編集部で言うと、しーん。

なぁんだ、じゃ走ってもバレナイじゃん!

日曜日は天気よさそうですね。日光サーキットは東北道宇都宮インター降りてすぐです。見学無料ですので、ツーリングついでにお立ち寄りください。

(ノア)

2013年7月21日 

コンペモデルの魅力

- Noah Sellen @ 7:22 AM

ミスターバイクBG 新しい号が発売されてるんだからその話をしなよ、って感じですが、先日行ったKTM最新オフロードモデル試乗会のお話。
 
 最近KTMが特に元気なのは皆さんご存知の通り。かつての、乗り味も価格もプレミアム路線、から次々とより親しみやすい性能と価格のモデルを投入してくれたおかげで、今まで外国車には興味のなかった人も魅力的なロードモデルに気づいていると思う。
 けどね、僕の大先輩ジャーナリスト松井勉さんが「オフロードこそKTMだよ。絶妙なしなやかさやパワーデリバリーは、国産の最新のアルミフレームコンペモデルにはないものがある。機会があれば是非乗るべき」と強く勧めてきたことがありました。松井さんといえば業界屈指のナイスガイ(もちろんウデもトップクラス)。僕にとってはちょっとした憧れの存在なわけで、そんな人に言われたら乗ってみるしかないと思っていた次第です。

 そこで今回の試乗会ですが、BGはハマヤ先生がオフロードにハマッてることもありオフ担当。「そこを何とか~!」とご一緒しましたよ。

 KTMのコンペモデルは、モトクロッサーシリーズのSX系と、エンデューロシリーズのEXC系の2系統がメイン。モトクロッサーはキック始動だからダメ、ダメ。だいたいシート高が高すぎてキックできないんだから …なーんて思ってたのは過去の話で、KTMはSX系でもみんなセルがついてんの! 素晴らしい! エンデューロモデルはもちろんセル付で、ある程度の保安部品がついてるのが特徴。世界のエンデューロレースによっては夜間走行や、公道を走る場合もあるからなんですって。

 コースはモトクロスコースとエンデューロコースが用意されててどっち走ってもいいのだけど、モトクロスコースはバキバキの上級者がビャンビョンジャンプしてるから、おっかなくて終日エンデューロコースへ。

 KTMは今でもコンペモデルでは2ストを用意してて(ヤマハもしてるけど)、125と200と250をラインナップ。実はハマヤ先生がここら辺の2ストがイイ!イイ! さらに欲しい!と言ってるので、きっとイイのだろうと125からスタート。ひゃー、こりゃいいね! で、200に乗ったらさらにいいでやんの。詳細は次号「オフロードクラブ」でね!

 そうかー、競技の世界ではまだまだ2ストもアリだな。と思いながら今度は4ストの250。そしたらこっちはさらに上を行く極上さ(笑)。車体は大きくなるけど、僕は幸い体格が大きいのであまり問題なく、そしてやっぱり扱いやすさでは2ストより上じゃないかなぁ、僕ぐらいの腕だとね。詳細は次号「オフロードクラブ」でね!

 すっかり満足だったのだけど、今度は250の車体に350エンジンというのがあって、ヨシヨシと乗ったらさらに上を行く良さ(笑)。松井さん、こういうことっすか! 詳細は次号「オフロードクラブ」でね!

 まぁどのモデルも本気度が高いだけあって価格もそれなりにするし、乗り味も扱いやすいとはいえ競技に勝つためのものだからハードルはそれなりに高い。けど、公道を走るための各種規制とは関係なく、極限を目指して作られたモデルってのは魅力的だね! 一般向け試乗会もあるということだから、興味のない人も是非。

(ノア)

2013年7月12日 

発表:私的ベストバイク

- Noah Sellen @ 2:43 PM

暑い毎日なので、アツいバイクを紹介しましょう。
過去にもこのブログに書きましたが、私的「このバイクこそ最高なのではないか」というのが、写真のコイツです。もちろん、ミスターバイクBG的絶版車にも「最高なのでは?」というバイクはたくさんありますよ。パパッと思いつくだけでGPZ750FとかCB750とかニンジャとか3型カタナとか…たくさん出てくるけど、それは紙面で読んでいただき、もしくはちょっとマニアックな名車については毎号100ページ目に書いている「ノンポリノアの週替わりバイク選び」というコラムを読んで下さいませ。でもここは現行で、ということさ。「現行車はいまいちピンと来ない」なんていう声も聞こえますが、そんなことないですよ、みなさん!

Vストロームがなんでそんなにいいのかは過去(2012 2/5)のポスト
http://www.m-bike.sakura.ne.jp/?cat=65&paged=8を読んでもらうとして、「そんなに良いんなら買ったらイイじゃないか」ということで買いました。

買ってみて。やっぱり最高です。

なんて言うんだろーなー、全てが平均点以上で総合得点が高いということなんだろうなぁ。そう意味では絶版車的かもしれない。

スポーツバイクと呼べるレベルのスポーツ性もちゃんとある。
日常的に使えるトルクや使いやすいパワーもある。
何ヲ? となった時にはちゃんと本気になれる。
燃費が良いからチョー乗る。
ポジションが楽でどこまででも行ける。
シートが快適。防風性も高くて快適。
タンデムや荷物の積載性もバッチリ。
ツインヘッドライトで夜道の安心&被視認性が高くて安全。

ま、気に入ってる所は挙げていったらキリがない。ヨーロッパの「毎日通勤で使ってるけど、週末は奥さんとイタリアに行くんだ!」なんていうライダーの要望にしっかり応えるように作られてるんだから、死角はないよね。あちらでは1000ccのVストロームがあったことから、650はWee Stromと呼ばれています。「ウィー」とは「小さな」という意味ですよ。

不満点は。
今の所ないんだワ。車格が大きいから駐車するときなんかはちょっと気を使うけど、ハンドルが広いだけで車体はスリムだからそんなに気になんない。

驚いてるのは峠での性能。5000回転辺りからかなりモリモリトルクがあるから、グバッと開けるとリアがズズズと出て行くほど。今度のタイヤ交換はもうちょっとハイグリップにしようかな! このアドベンチャーカテゴリーは最近浸透してるだけに、リア細めの17インチ、フロント19インチのタイヤが選び放題なのが嬉しい。
ポジションもアップだから先が見えて、峠道だったら以前乗ってたGSF1200よりも安全に速いだろうな。

うーん、本当に死角なし。こりゃ国内販売されて、しかも売れ行き好調なのもうなずける。いい買い物をしたぞ。

とはいえ、BG読者の皆さんはご心配なく。旧いバイクをやめたわけじゃないよ! 誌面で展開してるCB550FOUR-Kレストアは順調(?)に進んで(?)るし、XLR125Rや、CD90ベンリィ、サーキット用のZX4があったりと広く楽しんでます。ただ毎日乗るバイクは極限に快適でありつつ経済的で、さらに最高水準の信頼性が欲しいと考えると、このVストロームになったのです。

7月号では650辺りのバイクを一通り取り上げて、あの時もだいぶ悩んだ。
グラディウスはスッゲーいいけれど、高速道路はつらいでしょう。リアサスももうちょっとだった。
ニンジャ650もとってもいい。けどシートがもうちょっと。エンジンもスズキのVツインに比べると荒削りかな。
ヤマハのXJ6なんてもう最高の類だけど、熱いんだよねぇ。走り続けてるうちはイイのだけど、渋滞にはまるとエンジンからの熱がけっこう気になる。
最後まで悩むのはホンダのNCですよ。高回転が回らないからって決して遅くない。ディーゼルターボみたいに低回転からグイグイ行くもんね。峠道での実力の高さは「おぉ、さすがホンダ!」と唸ってしまった。メットインもとっても魅力的。価格も魅力的。だけどスイッチボックスのウインカーとホーンの位置が逆になってるのがどうしても嫌なのと、シートの快適性でVストに譲る。あとは若さなのか、まだもうちょっと弾けたい気持ちもあったかな。
あとは他の車種とも共通だけど、未舗装路も多い田舎に帰ることを考えるとフロント19インチのVストがいいな、となったわけ。

やばい、ながくなっちゃった。
Vスト、そーとー気に入ってるのでそのうち続編を書きます!

(ノア)

2013年7月2日 

CB550レストア記

- Noah Sellen @ 10:51 AM

意外にもファンが多くてとまどっているレストア企画「TLC」。もちろん、多くの賛同を集めているのはナンディさんのZ2の方なのだけど、僕のCB550の方も何かと読者さんに「その後どうなったの?」と聞かれることが多い。

どうなったもこうなったもないよ、誌面に書いてる通りです。シリンダーの固着を、エンジンを開けずに解除するために試行錯誤してるけど、思うようにいかないのです!

ちなみに7月号では試しにシリンダー内にタンク内サビ取り剤の「花咲かG」を入れてみましたが、なんと「花咲かG」を作ってる「榮技研」の社長さんから直々に電話があって「そんなことしちゃだめだよー」と言われてしまいました。

ということで同じことで困ってる人はマネしない方がいいみたいですよ。詳細は次号にて書いておりますが。

ちょっとだけ8月号の内容をばらすと、結局カムチェーンを切ったらピストンと対面できて、ハンマーでぶっ叩いてなんとか解除しました。詳細は次号にて書いておりますが。

解除後のシリンダー。ピストンリングがサビで固着してたのがわかりますね。

楽しみに読んでくださってる皆さん、ありがとうございます。だけどね、素人の簡易レストアだからね、色んな裏技をまねしないで下さいね~!

(ノア)

2013年6月21日 

ミスターバイクBG 7月号販売中

- Noah Sellen @ 7:20 PM

 

といっても、実はもう1週間経っていますね。
7月号は「忘れていないか? 日本のライダーのための日本のバイク」
ということで、CB550フォアとZ650ザッパーを巻頭に、そのあたりの排気量のバイクを集めてやってみました。
いずれも楽しいバイクで、作る側としては面白かった(興味深かった)わけですが、さーそれを読者の皆様が興味を持っているかといったら、
どーかなー(笑) 現在の絶版車人気の中では、ちょっとマイナーではありますもの。

でも、編集後記を見ればわかるようにスタッフは楽しんだのです。
で、その編集後記に書いたように、ページの都合上当初書きたかった文量をかけなかったので、デザインが決まる前に先行して書いちゃってた原稿をここに載せておきます。誌面とかぶる所もあるけれど、そうでない所もあるかな。

これら中間的なジャストサイズバイク、「いいなぁ」と思えたアナタはよろしかったら読み進んでくださいませ。

(ノア)

       この特集の副題は当初、「ヒゲとゴンゴー」だった(笑)。Z1やCBナナハンがとても人気の車種なのはみんなが知っていること。必ずしも絶版車のファンでなくとも、この2機種及びその兄弟車種は、バイクに乗る人ならば誰でも多かれ少なかれ憧れを抱くことだろう。その一方で今回取り上げた550cc~650ccという、兄弟車ではないが従兄弟車ぐらいの存在のバイクがある。
 人気、という尺度で捉えると他にもっと人気のある絶版車は多いし、このクラスは市場価値的にも「求めやすい」という部類だろう。しかしそんな要素と、バイクのもつ魅力は必ずしもリンクしないのである。僕が今回担当したZ650は、「ザッパー」と呼ばれるほどに高い機動性が評価されたモデルであるし、550フォアもまた「ナナハンよりも軽量でコーナーが楽しい」と評価されていることも知っている。絶版車人気の中であまり目立っているとはいえない2台だが、改めて検証してみようじゃないかというわけである。
 そうそう、なぜヒゲかというと、このクラスの絶版車は渡辺編集長のように口ひげをたくわえるぐらいの年齢&地位(?)の人が、強い思い入れとエンスージアズムで愛でつづけるようなイメージがあったからだ。
僕の「ザッパー」試乗経験は今回が初めてだ。きっと良いのだろうとは思っていたが、乗ってみたらこれが良いなんてモノじゃない。極上だった。
威風堂々とした大型車が好きな人には受けないかもしれないが、見た目にコンパクトな車体は跨ってもコンパクトでありながら窮屈ではなく、Z1などの包容力や許容力をもったまま一回り小柄になった感覚だ。「ザッパー」というイメージからはもう少しアグレッシブなポジションを想像していたが、しかし多くの70年代絶版車がそうであるようにハンドルやステップ、シートとの位置関係など全てが至って「普通」の場所にある。
走り出すと軽量な車体の恩恵はすぐに感じられる。意外にも低回転から十分なトルクを発するエンジンに押し出され、スイスイと加速し、(現車はブレーキが強化されていたこともあって)減速も思いのまま。跨ってコンパクトだった車体は走り出すとさらにコンパクトに感じることができた。Z1と基本を共通とするZ2に比べ、こちらの車体はさすが専用設計。フロントタイヤが近くに感じ、ブレーキングから寝かしこんでいくのもヒラリと軽快だ。まるで前輪が18インチかのようにクルクル曲げることができ、またバンク角が思いのほか深くかなりその気にならないとステップも擦らない。
エンジンもまた、Z2と比べると次世代のものに感じる。カワサキらしい荒っぽさや個性は残っているものの、中回転域までは振動も少なくシューン!と回りとても素直だ。流す走りでは4000回転も回せば十分で、快適なツーリングペースを維持でき、そして5000回転から先は(それなりの振動を伴うのはZ1やZ2と共通だが)小排気量4気筒ならではの回し切る感覚が楽しめる。これぞDOHCの気持ちよさ。650ccという排気量から生み出される、ならではの高揚感である。
大排気量と比べるとパワー不足を不安に思う人もいるかもしれない。しかしアップダウンの激しいワインディングでの撮影中でそう感じることはなかった。後にこのエンジンはFXⅡに、そしてGPZ、ゼファー(ZR7も!)へと長く愛されるものになるわけだが、ザッパーの時点で車体とのバランスを含めて大変完成度が高く、公道での動力性能的にはより大きな兄弟車に劣る場面は考えにくく、そして走らせる楽しみではそれら車種を超えることも多いかと思う。ザッパーの試乗経験は、本当に楽しいものだったのだ!
ちなみにCB550フォアにも少しだけ乗ってみた。こちらはザッパー以上にとにかく小さい! 現代の250ccぐらいの感覚で振り回すことができ面白かった。
これら二台、いわゆるショーオフ(見せびらかし)要素では大排気量に譲るかもしれない。しかし玄人ライダーがヒゲを撫でながら内面のエンスージアズムを満たすには、これ以上のマシン、カテゴリーはないだろう。こりゃ頑張ってヒゲを伸ばすしかなさそうだ。

2013年6月5日 

ミスターバイクBG6月号を振り返る その2

- Noah Sellen @ 11:32 AM

「BG読者はオフロードにはちょっと…興味がないんじゃないか」なんてことを言う人は、自分がオフロードに興味がないだけなんじゃないかなぁ。だってオフネタってけっっこう反応ありますよ、毎回。

で、今回はハマヤ先生に誘われるがまま林道へ。

実はこれ、その前の月にちょっと接点があった女性ライダーを誘って行こうよ、という話だったのですよ。その女性ライダーがね、なかなかボクの好みで(笑)。かわいらしい女性と林道でウングリモングリ(?)とホクホクしてたのに、残念ながら僕の人望がなかったのかハマヤ先生の下心が見透かされたのか、それとも鈴木カメラマンの目つきがエロかったためか、実現せず……。
現実は僕がハマヤ先生にいつも連れて行ってもらってる獣道トレックとなりました。

これがね、当初はもう道じゃなくなっちゃってたらしいけれど、ハマヤ先生とその仲間たちでGPSや古い地図やノコギリや鉈やロープを駆使して開拓してくれたらしく、僕はその苦労を知らずに一応は道がある状態で連れてっていってもらったところ。苦労せずに楽しみだけを傍受しているというズルイ奴なんです(笑)。

この獣道トレック、ちょっとぐらいは腕に覚えがないと難しい場面もあるのだけど、僕は当然ハマヤ先生とその仲間たちほどのオフ腕はない。だけど原稿に書いたように「ヒドイ目」にあいたいがために参加しているようなもの。幸いバイクがXLR125Rという軽量&セル付マシンだから難しいシチュエーションではバイクを降りて、押してごまかしちゃう。

まぁ、本当にヒドイ目にあったのは鈴木カメラマンだな!
道が崩落しているところで、「おお、ここで今日は終了だな!」と喜ぶカメラマンを横目に、僕とハマヤ先生が「いけるでしょう」とルートを作り始めたときには、本気でムッとしてたもん(笑)。

ところで、この企画で嬉しい発見が一つ。
オフ専門誌やオフロード上級者がみな「ちょっと重い」とか「ロードでの性能の方が高い」とか「空冷XRの方がポテンシャル高い」と厳しめの評価をしているCRF250L、これが獣道ではかなり良かった! 最低地上高は木の根っこが張り出す獣道ではちょっと足りない場面もあったけど、トラクション感もパワーの出方も、バランスも「さすがホンダじゃん!」と納得することができた。自分のXLR125Rが絶妙だと思ってたのに、CRF乗ったらそっちの方が全然イイでやんの! 悔しいような、でも最新型がイイというのは、それはそれで安心できるような…複雑な気分。

「CRFいいじゃーん!!」と思ったのは僕だけでなく、オフ上級者になりつつあるハマヤ先生も同意見だから、ホントの話ですよ!

さびれた林道や獣道ほど、通行者は自分以外の人の存在を想定していないから、これからのシーズン、そんなところを通る時にはマナー重視でね! 地元民には挨拶。村内はスローダウン。舗装路でも同じですけど。

これだけ天気がいいとワクワクしちゃって、仕事なんてしれらんねーっす! 
バイクで出かけちゃオー!

(ノア)

2013年5月29日 

ミスターバイクBG 6月号を振り返る

- Noah Sellen @ 6:28 PM

マッハ系はねー、誌面でも書きましたが、僕にとってはもう完全にクラシックマシンで、なかなか乗ったり所有したりする対象じゃないのですよ正直。例えばマンクスノートンみたいにね、そりゃもちろん興味もあるし乗ってみたいし所有もしてみたいけれど、でも実際問題、マンクスノートンは所有することは一生ないだろうな。

そんなマッハシリーズの中でも、今までイイナと思ってきたのはラバーマウントのKH。KH400は良いバイクだよ!! スムーズに回るし力もあるし。ブレーキだってソコソコ効くから今の世の中でも不安なく乗れる。KH400と、あとこの時代の2ストではGT380、あとRD400なんかも好きな類。ここら辺はあまり気負わずに乗れると思う。

で、特集の500と750。
これはね、正直、強烈な個性を知らずに育った僕の世代にとってはハードル高い! いや、そうじゃなくてもけっこう高めでしょう(笑)。 バランバランとアイドリングして、ギャァァン!! ギャァァァァン!!! とフケる感じはもう、それだけでお腹いっぱい。走り出さなくても「マジか」とケラケラ笑っちゃう。

以前に乗ったときは「これはちょっと…」と思ったもの。今回乗ったときもその気持ちは大きくは変わってないんだけど(笑)、でも低回転で流すぶんには独特の魅力があることにも気づきました。そう、2ストって回してナンボ、みたいなところがあるでしょ? だからどうしてもパワーバンドを使おうと欲張っちゃう。ところが特に750の方は低回転のトルクが豊富で、回さなくても楽しく走れるんだ。と、いうか、回すと振動が凄すぎて、手がハンドルを握れているのかどうかがわからない。

前にゼンシン製のカスタムに乗らせてもらったときも、まさにこの感じ。あれは確か900ccぐらいまで排気量が上げられていたのだけど、そのおかげで低回転域のトルクが強大になっていて、高回転の超振動ゾーンは使わずに速く走らせることができるという仕様だった。今改めて、マッハで今日的な走りをしたいなら、ああいったカスタムが有効に思えたね。だって高回転はマジで凄いんだもの! 一瞬使うぶんにはいいけれど、使い続けることはまず無理だと思う。

撮影していた現場の近くで、道路工事をしていた人達が休憩していて、こっちの撮影をのぞきに来てくれました。現場の棟梁みたいな推定55~65歳ぐらいの人と、40歳手前みたいな若手の2人。
若手:「おー! マッハ! カッコいい!!」
棟梁:「わはは! なつかしーね!」
若手:「欲しいなぁ。速いんだろうなぁ」
棟梁:「バカ、これアブねーぞ! 止まんねーンだから!」
若手:「でもいいじゃないですかー」
棟梁:「×××、×××××××××××!! ××××××……。××!」(自主規制)

こんなやり取りがありました(笑)
棟梁はきっと、リアルタイムでマッハを知っていたのでしょうね。マッハにまつわるいろんな伝説や武勇伝、そして危ない目や悲劇も知っていたのでしょう。
当時よりは色んな技術が進んで、エンジンもより信頼性を高めることができるだろうし、ブレーキももっと効くようにできるだろうけれど、まーそれでも個性が強くて、ある程度覚悟を強いるマシンだという意味では、僕も棟梁に同意する部分もあるな。

「なんか、旧いバイクってカッコいいし、やっぱマッハだろ!」
という人はちょっと再考してもらって、KH400にした方がいいと思うけど、
「ZもCBも知ってる。個性も味として付き合える。運転も無理しなくなった」
という絶版車上級者は、一度所有してみると面白いバイクだと思います。

(ノア)

2013年5月10日 

ミスターバイクBG 5月号を振り返る その3

- Noah Sellen @ 4:29 PM

僕が担当した車種で、最後はCRM。

 このCRMにはなかなか思い出があって。学生の頃、トライアルをやっていた先輩がCRMの50を持っていて、これをなんだかんだとチューニングして滅法速かった。50ccでこんなに速いか! と驚いたもんです。

 その後、今度は後輩がCRM250のARを購入。借りてツーリングに行ったりもしましたが、速いし燃費も良いし2ストなのに静かだしで大変気に入りました。当時すでにちょっとプレミアでね、けっこう高かったように記憶してます。

 学生の頃よく出入りしていたお店のメカニックさんもCRMに乗っていて、当時ちょっとハマってたエンデューロレースに出ていました。2ストなのにけっこうトルキーで難所をスイスイ走る彼を見て、CRM(そして彼のウデ)に憧れもした。

 今回の特集の「今買うべき」とは、今後値段が高くなることが予想されるから買うべきよ、というニュアンスもあるけれど、CRM-ARについては一時期のプレミアは落ち着いて、反対に今ちょっと値段が落ちてきて買いやすくなっているという状態。でもプレミアじゃなくなってくると大切にする人が減って、そうするとボロボロになっていく車両が増えていくのも事実。だからこそ、今のうちにいいのを買っておきたい!

 今回CRMについてお伺いしたのは「モトショップ ストラーダ」さん。まさに学生の頃に出入りしていたお店そのものです。メカニックさんはかわっていなかったけれど、もうCRMには乗ってなかった。でも話は聞けましたよ。

 CRMはとにかく調子のいいときはめちゃくちゃ良いのに、どこか一つダメになるととたんに全てが狂い始めるそう。だからこそ定期メンテナンスを欠かさない必要がある。ま、2ストはおおむね4ストよりはその傾向が強いからなぁ。

 一番多いのは3万キロぐらい走った車両のピストンやリングの磨耗。これにより吹き抜けがおき始めると、クランクケース内にカーボンが入ってしまい、それによりクランクベアリングに損傷が出てしまうことがあるそう。こうなるともうフルOHですね。吹き抜けが始まってるかを見極めるのは難しいけれど、パワーダウンや煙吐きが増えるのがその症状。さらにチャンバーを外すことができれば、直接ピストンを目視してリングの下にカーボンが付着しているかを確認する方法もある。リングより下が黒くなっていれば吹き抜けてる証拠だから。さらにはシリンダー側面にカーボンが付着して黒くなっていたら、もうそれはアウト。OH前提だそうです。

 あと2ストでありがちな排気デバイスの故障だけれど、これはそうでもないらしい。腰上の整備の時に併せてクリーニングしてあげれば大丈夫でしょうとのこと。NSRと一緒で固着しちゃうとギアのナメや過電流によるPGM損傷になるから気をつけておきたいところではあるけれど。

 ストラーダで最後に付け加えてくれたのは「オイルは必ずホンダ純正を使うこと!!」これはもう鉄則だそうですよ。いらぬトラブルの原因になるし、純正オイルを使っていれば、少なくとも何かあったときにそこを疑わなくて済むわけだから。

 しかし話を聞いた印象では、けっこう大丈夫でしょうという感じ。ARの一つ前の93年型CRMもかなり頑丈で良いバイクだそうです。絶版とはいえそこまで古くないもん。

 CRMの他にもランツァなんかもこの時代の素敵な2ストオフ車。スズキのRMXはちょっとイジルとヤバイぐらいに速くなるというし(メンテも大変らしいけど)、あとカワサキのKDXなんかも絶対楽しい。失われていく2ストオフ車、今こそ乗るべきでしょう!

 

この写真は4ストのピストンだけど、リング周りのカーボンの例です。こうやって上のほうにカーボンがついて黒くなってるぶんにはいいのだけど、リングの下のシリンダー側面が黒くなってると吹き抜けてるってこと。チャンバーを外させてくれる中古車屋さんはなかなかないだろうけれど、個人売買で購入する際や、自分のマシンのチェックとしては有効な方法かもね!

 
(ノア)

2013年5月6日 

ミスターバイクBG 5月号を振り返る その2

- Noah Sellen @ 11:20 AM

そもそもこの特集が企画された会議には僕は都合で出席できなかったんだけど、SRXやCRMもとりあげましょーよ! と後になって申し上げた次第。そりゃ人気車種ばかりでもいいけどさ、あらゆる旧いマシンを楽しみ、敬い、走らせるのがエンスージアズムってもんでしょう。シングルもオフ車もね。

ではSRX。

SRXについては「ハヤシカスタム」さんと「スラクストン」さんにお話を聞いてきました。

いずれでも聞けた話は、やっぱりSRX600ってのは独特の世界があるということ。確かに今、一部の海外車では大排気量シングルってあるけれど、国産車でビッグシングルスポーツって考えられない。しかもSRXはキックの型(2本ショック)はバイアスタイヤでヒラヒラ走る感覚で、セル付の型(モノショック)はラジアルタイヤでグイグイ走る感じと、同じバイクでもモデルごとで性格の違いがあるのが面白い。

いずれの型も部品供給はもう厳しくて、600はピストンリングすら出ないから大切に乗りたいところ。だけどね、部品が出ないって悲観的になる人は多いけれど、じゃ所有車のピストンリングそんなに換える人いる? 実際問題何万キロも乗ってはじめてそういうことを心配し始めてもいいでしょう。買う前からそんなに心配することもないと思う。実際に交換が必要になった時にはデッドストック品がでてきたりすることもあるしね。

取材にあたって実際にSRXのシリンダーを見たけれど、いやー思った以上にでっかいピストン。こんなでかいのが空気で冷やされながらバッコンバッコン上下してるんだから、まーオイル管理は大切だよね。

特にセル付のモデルはオイルタンクがエンジン前方についてるでしょ? そうするとオイル交換の時にオイルポンプにエア噛みしてしまって、潤滑されずに抱きつき症状やシリンダー・ピストンに傷がついたりということがあるみたい。とにかくオイルには気をつけましょうよってことです。

ハヤシカスタムでは400ベースで600のクランクとコンロッドを使った500cc仕様ってのを製作していて、400の回して楽しい感覚と600の大トルクを楽しむ感覚のちょうど中間を作ってる。これは以前にカスタムラボという企画で取り上げて乗ったこともあったけど、いや速い! そのときはCRキャブだったんだけど、今は同じバイクにFCRがついててさらに良くなってるって。
ちなみに純正ピストンやリングは欠品だけれど、ハヤシカスタムではオリジナルの630ccピストンを販売中。リングの供給などもしばらくはお約束できる状態だそう。

スラクストンでは今もSRX用の外装キットなどをラインナップしていて、SRXのお客さんも多いそう。SRと違ってフレームがタンクの下ではなく左右に広がってるから、イメージをがらりと変えるようなカスタムするのは難しいけれど、でも魅力的なバイクだと言っていました。だってそもそもZやCBなど4気筒を乗り回してた店長がシングルに乗って「こりゃ面白い!」と目覚めたのがSRXだったのだもの。スラクストンの出発点バイクみたいなもんです。

今回の取材で特に印象的だったのは、スラクストンで最後に聞けた言葉。
「軽量でセル付で足つきが良くて、かつ味のあるSRXは年齢が高くなっても乗り続けやすいバイク。バイクを降りるその日を遅らせてくれる」
うーん、名言だ。

SRX600のシリンダー。あ、大きさがわかるように何かと並べて撮らなきゃダメじゃん。ごめんなさい。これは抱きつき・焼きつきを起こしたもので、シリンダーには傷が見えるし、上部にはピストンのアルミが溶けてくっついてるのがわかる。オイル管理大事!

 

こちらハヤシカスタムでリビルド中のスイングアーム。純正欠品だけど壊れるところでもない。でもハヤシカスタムでは綺麗にして、レーシングスタンド用のフックつけて、ブレンボなんかをつけるときのトルクロッドのステーをつけて、アルマイトかけてストック。

 

同じくハヤシカスタムで、リアブレーキはR1とかの純正MOSキャリパーをつけるステーをつくってたのだけど、このキャリパーの値段がけっこう高いことから、今度はブレンボキャリパー用のステーも作ってるところ。商品化予定。

 

ツクバで1分1秒まで記録したスラクストンのSRXレーサー。テイストでは4気筒が1分を切れるか!と言っているけれど、シングルレースが盛んだった頃は空冷のシングルでもそういうタイムを出す人達がいっぱいいた。シングルあなどれん!

つづく (ノア)