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2014年12月23日
ジョグを買ったよ!
- Noah Sellen @ 10:13 PM
この前、スズキが50ccスクーターのレッツをフルモデルチェンジしましたね。
全国を回って調査した結果「本当の日用品を作る」ということになり、新開発のSEPエンジンを投入するほど本気で作ってくれたんですって。
「ここまでユーザーの声を調査した機種は初めて」とまで言ってるから、相当ですよ。
でもね、業界ではけっこう「50ccはね……」というハナシになるんです。
だって二段階右折しなきゃいけないし、30キロ制限で幹線道路は危ないし捕まるし。
そもそも車の免許で125まで乗れるようになればいい。とか
50ccという区分そのものをなくして125を最小排気量にしたらいい。なんて
そんなことを軽々しく言っちゃうんですよね、僕含めて。
だって都市部での50ccに対する取り締まりったらないもんね!点数稼ぎが下手な白バイ隊員の滑り止めですよ。だって普通に流れに沿って走ってるだけで違反なんだもん。
ところが地方出身者の僕としては、心の中では50ccが大切な役割を果たしているって知ってるんだ。僕の故郷のような田舎ではとにかく移動の手段がないから、16歳になったらとりあえず原付の免許はとる。それで通学したり遊びまわったり。いろんな責任も付随するから、大人への一歩。大切なことだと思います。18歳になったら車の免許を取るからバイクはもう乗らないんだけど、でも乗ってた経験があるから50㏄がチンタラ走ってても寛容な気がする。
で、だ。写真のジョグ。
これは先日、母の誕生日にプレゼントしてあげたんです。
他の家族メンバーと割り勘だけどね、新車っす。
なんだよ、新しいレッツじゃないのかよ!ってハナシですが、地元のお付き合いのあるお店がヤマハ系に強く、そして「水冷が良いよ」と薦められたのでジョグになりました。インジェクションのSOHC3バルブ、燃費は何とWMTCモードで50.1キロ!すげー(笑)
それまでは2ストのジョグに乗ってた母さん、新しいジョグにご満悦です。
「前のはオモチャみたいだったけど、今度のは安定感があってバイクって感じがする!」ですって。
僕が小学生の頃の母さんは車の免許を持ってなくて、カブが日常の足だった。
どこへ行くにも経済的で頑丈なカブで走ってた。
車の免許を取った後もシャリーだとかに乗ってたな。とにかく日常の足として便利。ちょっとした買い物にわざわざ車で行く必要はないもんね。50㏄なら軽いしスピードも出ないし、うちの母さんが乗っても「まぁ大丈夫でしょう」と思える。だけどこれがシグナスXだと……ちょっとねぇ!おっかない。大きいし重いし速いし。
田舎だと点数稼ぎの白バイもいないからまずスピードで捕まることはないし、そもそも道が狭いからスピードが出ない。2車線あるような道は走らないから二段階右折だってする機会がない。2人以上で出かける時は軽自動車だから、二人乗りできないというのも特に問題ない。日用品として活用している母さんと同じように、ちょっと畑に行くおばあちゃんだとか、ちょっと駅まで行く主婦だとか、ちょっと田んぼの見回りに行く地主さんだとか、たくさんの人々に大変重宝がられているんですよ、50ccは。
喜ぶ母さんを見て、都会的な交通環境の目線だけで50㏄を軽々しく非難しちゃいけないな、と改めて思いました。以後気を付けます。
原チャリ万歳。
ありがとうジョグ。
ありがとうヤマハ。
ありがとう50㏄を作り続けてくれるメーカーの皆さん。
(ノア)
2014年12月9日
売り時の「旬」
- Noah Sellen @ 11:49 PM
バイクへの思い入れがたくさん詰まっているミスター・バイクBG読者が多いこのミスター・バイクBGブログなわけだから、あんまりバイクをポンポン売っちゃう話を書くと「なんだよ、アイツ愛情がねーな」とか「ポリシーやこだわりが感じられない!」などと言われちゃうのだけど、僕はバイクはどんどん乗り換えるほう。
乗り換えるってことはそれまで乗ってたバイクは売るわけで、その売ったお金を元に次のを買うわけです。ま、多くの人はそうじゃないかと思うけどね。
売らずに違うのを買うと、置くところに困るとか、税金がかかるとか、保険を何台分も払わなきゃいけないとか、そういう心配もあるけれど、結局あんまりたくさん持ってても管理しきれなくて徐々に腐ってっちゃうんだよね、バイクが。結局調子がいいのはいつも乗ってるヤツだけ、みたいになっちゃう。そうするとそもそも複数台持ってる意味がなくなる。乗ろうと思っても調子悪い(もしくは不動になっちゃってる)から。全部に均等に乗って、調子を維持できる余裕があれば良いんだけど……
そんなわけで年末大掃除中。溜めこんだバイクを現在放出しています。
でまた値付けが難しい! だいたいは15~20万で手に入れて、そこから細部をぜーんぶ綺麗に整備して「よし、これでもうバッチリ」という状態にするわけですよ。そこまでまた15万ぐらいかかってたりするから、本当は25万ぐらいで売りたい。でも実際には12万ぐらいでしか売れなかったりするから毎回毎回ちゃあんと損してる。
それでも12万円になると「ほっほっほ、12万もあるぜ!これに20万足せばあんなのやこんなのが買える!」と盛り上がって同じことを繰り返す(笑)。
3年ぐらい前、よく通る道にピッカピカのCBR954RRが停まるようになってた。屋外駐輪場でね、これまたピカピカのカバーが被せてあった。「いいなぁキューゴーヨン、憧れるっす。良いの買ったね!」なんて思いながらその前を通り過ぎるのだけど、1年もするとカバーがボロボロになってきた。そのうちカバーは被せられなくなって、せっかくの954がむき出しで停まってる。当初のツヤは失われ始めた。
「今っす!売り時!」と思ったね僕は!
オーナーさん、あなたはもう、そのバイクには乗らないよ?
「今」ならまだエンジンもかかる。
「今」ならまだタイヤも使える。
「今」ならまだボロボロ感が薄い。
「今」なら値段がまだつく。
「今」なら売ったお金でもう少しハードルの低いバイクを買って、あなたはバイクに乗り続けることができる。
ところがそのオーナーは売らない。その状態になってからさらに1年は経ったと思う。車検は切れ、外装は褪せ、タイヤから空気は抜け、チェーンも錆びた。買ったときは安い買い物ではなかったはずなのに、毎日毎日そのバイクへの愛情が薄れていっているのが感じられる。毎日毎日そのバイクの価値は下がっていく……。
954に対してはちょっと思い入れもある僕としては、その前を通ることが苦痛になってきていた。見る度に非常に悲しい気持ちになった。最終的にはその道は通らなくなった。
久しぶりにその道を通ったら、その954はなくなっていた。とうとう売られたのでしょう。でもたぶん、かなり安かったと思う。だって僕だって「今っす!売り時!」と思ったあの時だったら40万ぐらいは出したでしょう。でも最後の方だったら、ちゃんと走るようにするまでのお金を考えちゃって、出しても20万だっただろうな。プロなら利益も乗せなきゃいけないんだから、当然もっと安く買っていくことでしょう。
バイクを手放すのは難しいけれど、決断を先のばすとあまり良いことはない。
4か月ぐらい前、同じような状態の600ccスーパースポーツを持っている人に会った。
すでにチェーンは錆び始め、タイヤも硬化し始めていたけど、とりあえずまだエンジンはかかる。フォークのインナーも錆びていない。
「35万!現金で今払う!」と言ったのだけど「いやいや、まだ乗るよ(笑)」と言う。
その後、やはり乗ってる様子はないから何度かアタックしたけれど、効果なし。
そしたら先日、「来年の春には違うバイクを買いたいから、その時になったら売るよ。35万ね?」と言う。違うんですよ、35万は4か月前の値段です。4か月の間に錆が進み、腐食が進み、車検の残りは減り、ゴム部品は硬化し、価値はどんどん下がるのです。たった4か月だけど、「今だったらもう30万だな」と口には出せなかったけど思いました。
ね、難しいんですよバイクを売ったり買ったりは。
良さそうなバイクに出会うとすぐ「乗らなくなったら買うよ!」と言っていますが、のちに「乗らなくなったよ」と連絡をもらう頃には、大抵はもう不動車。不動になる前だったらもっとちゃんとしたお金を払うのに……と本当に心苦しい。
バイクを買うのも大きな決断だけど、売るという大きな決断もしなければいけない時があります。調子がいいうちに手放せば、次のオーナーに楽しんでもらえる可能性が高く、部品取り車となったり海外に輸出されたりなどとなる可能性は少ない。
誰かが「欲しい」と言ってくれ、ある程度まとまったお金を提示してくれる内が花ですぞ! ということで、「その600cc、今ならまだ33万で買います!」
決断してよねー(笑)
(ノア)
PS ミスター・バイクWEBのこの記事のアイキャッチ画像に使ってるのは水冷のGSX-R750。これも近所で腐り始めてるのがあって悲しい。かなり欲しいバイク…
2014年12月2日
よきライバル「アンダー400」はミスターバイク的?
- Noah Sellen @ 6:19 PM
すっかり寒くなりましたね。
寒くなってすっかり忘れてましたが、今年の秋口には「パワーエンデューロ」ってのに参戦しました。BG誌面でも2か月にわたって報告したとおり、8時間もの耐久レースです。
例年はハマヤ先生が一人で8時間を走る「アイアンマン」というクラスに出場するのだけど、それはともかくとして行き帰りのトランポの運転までするのは危ないよ!とヘルプを申し出たら参戦させられた、という無茶な展開はもうすでに読んでいただいているでしょう。
誌面にも出てきたライバルチームはクレタという会社の人たち。「風まかせ」とか「カスタムピープル」そして「アンダー400」等の雑誌を出しています。
この「アンダー400」ってのは誌名通り、400cc以下のバイクのみ扱う雑誌で、日ごろからバイクは400ccぐらいで十分じゃあん?なんて言ってる僕はたまに買ってます。今風の雑誌なんだけど、内容はどこかミスターバイク的なんだよね。カブに過積載してみたり、モペッドで京都から東京までレースして負けたら罰ゲームとか、トリシティでオフロード攻めてみたりとか。たぶん昔からのミスターバイク読者の人は、ちょっとおバカなその感じが好きになると思いますよ。
そんなアンダー400で、パワーエンデューロの記事が展開されているわけです。BGでは敗者の弁の報告だけど、アチラは勝者の弁。憎たらしいけれどしょうがない、負けは負け。そしてクラッチが終わってニッチもサッチもならなくなった時に助けの手を差し伸べてくれたのもライバル「アンダー400」なのです。
さらに憎らしいのは、KTMのRC390の試乗会で行われたプレス対抗レースの模様も展開していて、これでも実は僕ら(ノア&ハマヤチーム)は負けているんです。そんなはずはないだろう!ツクバのコース1000はけっこう得意だよ? …勝負の行方と勝利の真相は「アンダー400」にて読んでみて下さい(笑)
画像の号がそれら記事が載ってる号ですが、「アンダー400」は隔月刊だからそろそろ品薄のハズ。偶数月の6日発売だって。ということは次の号がそろそろ出てくるってことですね。BG共々、楽しめる雑誌と思います。良かったらどうぞ。
そのBGですが、次号の編集作業が佳境に入っております。ご期待ください。
(ノア)