編集部ブログ 勝島部屋から

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2017年3月10日 

タイヤの本音

- Noah Sellen @ 2:31 AM

こんにちは。梅の香りがしてきてライダー諸兄はホクホクしていることでしょう! 真冬からずっとブロンコに乗り続けている僕は、朝は寒いけど帰ってくる頃にはちょっと春らしさを感じられる気候にホッとしています。

 

啓蟄っていうのがあってね、ケイチツって読むのだけど、冬の間は地中にいた虫たちがもぞもぞ這い出して来るっていうタイミングで、それが先週末の3/5でした。いいねぇ、風情あるねぇ、虫たちがもぞもぞと這い出すってさ! 春の訪れを感じさせるじゃないか。

 

その啓蟄の日に、去年末のブログで参戦を宣言したオートボーイ杯の初戦に参加してきました。筑波のコース1000ですね、小さい方のコース。参加したのはオーバー200という、200cc以上だったら何でも参加できますよというごった煮レースで、最近コース1000でタイムが出て良い気になってた僕はトップ争いできるかな? なんて淡い期待を抱いて臨みました。

 

コース1000では持て余すビッグバイクが中心で、それを切れ味鋭い僕のKTM690DUKEでバッサバッサ切り捨ててやる!という目論見とは裏腹に、参加車両はNSR250Rとかが中心。しかも僕みたいにウインカーがついてるなんて人はいなくて完全レース車両。えーっ!本気じゃーん!

 

でも僕は頑張った!

予選は4番手。

第1ヒートは混戦の3番手争いを制して3番手。

第2ヒートはブロックラインを取り続けてまた3番手。

総合3位お立ち台!!

自己ベストを更新する目標タイムもクリアして大満足の一日でした。しかしあの690DUKEは素晴らしいね。タイヤ替えただけなのにNSRとかとガチで渡り合えるんだもの。

 

さて、そのタイヤですが。

先日、友達というか、年下の先輩に「ノアさん、タイヤは何を履いたらいいです?」という質問を受けました。その人はサーキットを主に走り、しかも腕も上々。だったら一番いいのを履くべきでしょう、と言うと、「いやー、ロッソコルサで良いかなぁ」なんて言う。

バカ言え! サーキットタイムは金で買うのだ! 迷わず一番ハイグリップのを買ってください! ピレリだったらスーパーコルサ! ダンロップだったらα13SP! サーキットをメインで走るなら、ワンランク低いタイヤなんてナンセンスですわ。ワンランク低いタイヤだからタイムが出ない、という言い訳にもつながったりする。

 

走行会程度ならいいんですよ? だけどタイムを求めるならね、迷わず頂点タイヤ。限界域でのコントロール性なども含めて、タイムももちろん出るし、そして何より安全です。

煮え切らない年下の先輩は「え~」なんて言ってましたが、サーキットでタイムを求めるってそういうことでしょう?

 

一方で公道の話。

僕はね、公道では純正OEMタイヤで十分と思ってるクチです。もしくは一番スタンダードなヤツ。ダンロップだったらGPR300とかね。だって公道はサーキット使用時のような熱が入るわけでもなく、空気圧だってサーキットのようにちゃんと管理できないから極端に落とせないし、ワインディングを走ってたってサーキットに比べたらたいした負荷をかけられてるわけでもない。むしろヘンに温度依存するようなハイグリップタイヤは避けたいと思います。

逆にGPR300のようなスタンダードなタイヤはあまり高くない速度域を狙って作られているから、公道での現実的な速度域ではむしろフィードバックが豊富で安心してコーナリングを楽しめる性格付けがなされてることが多いですよ。最近のハイスペックラジアルタイヤは「潰して走らせる」なんて言われますが、公道ではそんな無茶はいけません。素直にコロコロ転がってくタイヤがストレスなく、気持ちがいいでしょう。

 

あとね、これはタイヤメーカーに言いたいことだけど、タイヤってちょっと高くないかい?? ちょっと良いのを今一般的なF120R180サイズで前後つけてもらったら5万円とかですぜ? そういう価格が当たり前になってるからみんなそれを許容してるけど、これってけっこうな出費。ちょっとハイグリップ系だったらせいぜいライフは4000キロでしょ? 1キロ当たり12.5円。じゃガソリンは? 仮にリッター120円と考えて、燃費は20キロ走るとして、1キロ6円。

 

おいおいおい! タイヤはガソリンの倍もの消費量(消費金額)じゃないか! ……と思うわけです。

 

ハイスペックなタイヤももちろん魅力が多いけどさ、極スタンダードなタイヤを前後2万5000円ぐらいでラインナップしてもらえないもんか。OEMと同等の性能ですが、パターンがカッコイイでしょ?ぐらいのスタンスのものをさ。よろしくお願いします。

 

そもそもバイクメーカーも主に「カッコいいから」という理由でこのサイズの設定をしないでほしい! CB1100EXなんてバイアスで良いっすよ! 大型バイクもみんなリア150幅ぐらいで十分です(って気持ち、リッターバイクにもバイアスが当たり前の時代を知ってるミスターバイクBG読者の皆さんならわかってくれるでしょう、か??)。

 

あらら、何だかヒートアップしちゃったよ。でもね、ほんと、タイヤはフレッシュに限ります。路面に接しているのはタイヤだけ。ここをおろそかにしてはいけません。リーズナブルな銘柄でもいいから、とにかくフレッシュなものを。溝が残ってたって、タイヤ横の製造年を見て、硬化具合を見て、ちょっとでも怪しいと思ったら交換してください。フレッシュなタイヤを履くだけでバイクの印象はガラッとよくなりますから!

 

ではでは、楽しいシーズンインを!   (ノア)