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FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記  ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第6回 Rd.5 カタール

アジア5か国を転戦する2015年シーズンのFIMアジアロードレース選手権も終盤戦。まだまだ暑い、中東カタールが今回の第5戦の舞台。昼間はあんまりに暑いんで、ナイトレースでの開催。だからといって急激に気温が下がるでもなく、高温多湿な中で奮闘するナイトロ・ノリ(#41 Team KAGAYAMA SUZUKI Asia  SUZUKI GSX-R600)の激白だ!


●取材協力-Team KAGAYAMA SUZUKI Asia
FIMアジアロードレース選手権 Rd.5 カタール
10月1日~3日
ロサイル・インターナショナル・サーキット(全長5.380㎞/コーナー数16)
Team KAGAYAMA SUZUKI Asia #41 SUZUKI GSX-R600 (スーパースポーツ600㏄クラス)
予選=14番手 レース1=8位 レース2=8位  第5戦終了時ポイントランキング6位

 Team KAGAYAMA SUZUKI Asiaの芳賀です。こんにちは。日本もいつの間にか秋になっちゃっとるけど、FIMアジアロードレース選手権シリーズはまだまだ暑い国を回らなかんでね。今回はその第5戦。中東カタールのドーハにあるロサイルってサーキット。ここは、2005年からワールド・スーパー・バイクやっとったで、何度か走ったことあるよ。

 でもね、この時期やなかったからなぁ、こんなに暑いとは思わんかったわぁ。昼間の気温は、なんと46度。ヤバいね。まぁ、暑さにヤラレちゃうようなことはないから大丈夫だけどね。それよりも、シーズンも後半になっとるでねぇ、ここから踏んばらなあかん。GSX-R600にも、もうちぃっとがんばってもらわんと、だね。


今シーズン、FIMアジアロード選手権に初参戦となったGSX-R600。すでに参戦している他車と比べ、熟成不足でポテンシャルが足りないのは事実。しかし、TEAM KAGAYAMA Asiaは毎戦少しずつだが進化をさせてきている。勝利まであと少し、なのだが…。

 チームとしては、データなしのゼロ状態からのスタートだったんで、いつも通り、レースウィーク初日の最初のセッションでまず前回のセットアップの確認をして、その後セッティングを詰めていくという流れ。ただ、今回は新兵器、というほどでもないけど、ちょっとアイデアもあって少しマシンが改善する方向でのセットアップを試そうということになっていたんだわ。

 練習走行2回目にその新しいセットアップを試したんだけど、残念なことにチャタリングが発生してしまってね。初日に発生したその症状を翌日までに解消することができず、だわ。レースウィーク2日目には予選と決勝レース1、そして3日目の土曜日にはレース2っちゅうスケジュールだから、結構タイトなんやわ。結局この対策に時間を取られてしまって、それが最後まで響いてしまった感じやね。

 予選は、セッション中でもこの問題に四苦八苦しているまま。タイムアタックもできず、といった状態でグリッドは残念ながらの前回よりも悪い14番手でした。まぁ、メカニックのみんなは、一生懸命いろいろやってくれたよ。けれども、そうは問屋が卸してくれず、というところ。

 結局ぶっつけ本番ともいえるレース1は、いろんなところをごまかしつつ、なんとか8位。土曜日のレース2は、レース1のセットを少し変えた分、いいところがあって、悪いところはなかったんだけど、直っていないところもあって(笑)、結局ここでも8位。

 しかし、データも取れたし、次のステップにはつながったかな。レースウィーク中ずっとトラブルに悩まされていたことを考えれば、2レースともに27台中の8位、シングルフィニッシュできたんだから、まぁ、よしとするか? ん~~、しないか?(笑)

 次回は、タイで12月6日が決勝です。最終戦ですので、気を引き締めて、ガンガン行きたいと思います。皆さん応援よろしくお願いしますね~。



新しいアイデアを投入したものの、チャタリングの問題が発生してしまったGSX-R。芳賀はもちろん、武田雄一マネージャーもマシンのチェックを欠かさない。


SUZUKI GSX-R600の性能を100%引き出すことができていないのか? チームとのミーティングは毎晩深夜まで続く……。




チームメイトのラフィード・トパン・スシプトは、予選こそ10番手だったものの、決勝レースは10位と13位と伸び悩んだ。 3 レース前の芳賀。毎レースとも非常にリラックスしつつコンセントレーションを高めているようだ。


日中は40度を超える暑さのロサイル・サーキット。日中の走行は、練習走行1回目と予選セッションのみ。他の走行はすべて日没後のセッションとなる。


金曜と土曜の夜に行われるナイトレース。残念ながら観客席の入場者は非常に少ない。一応、ピット上にあるVIPルームは盛況のようだ。 決勝レースはレース1が午後8時過ぎ、レース2は午後10時過ぎ。陽射しが無い分過ごしやすいが湿度は高いまま。35度近い気温の中でのレースとなる。

2レースともに8位で、8ポイント×2の16ポイントを獲得。ランキング順位は9位から一気に6位へと浮上した。


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年~2015年にかけて鈴鹿8時間耐久レースで3年連続で3位表彰台を獲得している。


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