2015年10月28日 

■海外選手らが実力を見せつけた全日本MX最終戦、チャンピオン争いもスリリングな展開に

 年間10戦が行なわれる2015年シーズンの全日本モトクロス(MX)選手権。その最終戦となる「MFJGP」が10月25日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。

チームスズキの小島庸平が2015年シーズンのIA1クラスを制す! (写真右より)小島庸平、渡辺監督、熱田孝高。マシンはRM-Z450WS 。

 最終戦は毎年恒例、海外の選手を招待。今年はMX世界選手権からロマン・フェーブル(ヤマハ・MXGPクラス)とティム・ガイザー(ホンダ・MX2クラス)の両チャンピオンが、アメリカのAMAからはジェレミー・マーティン(ヤマハ)、 クーパー・ウエブ (ヤマハ)、トレイ・カナード(ホンダ)らが参戦。今シーズンよりMX世界選手権・ MXGPクラスにステップアップしたホンダの山本 鯨 も参戦予定であったが、MX国別対抗世界選手権「FIM モトクロス・オブ・ネイションズ 2015」の日本代表選手として参戦した際のケガにより、残念ながらレースは欠場となった。

 決勝レースは最高峰のIA1クラスでカナードが総合優勝(ヒート1:2位/ヒート2:1位)。ウエブ(1位/3位)、フェーブル(3位/2位)と続いた。IA2クラスはマーティン(ヒート1:2位/ヒート2:1位)が総合優勝を決め、海外選手達がその実力を見せつけた。

  MFJGPは全日本選手権の最終戦ということもあり、シリーズチャンピオンの行方にも注目が集まった。IA2クラスは前戦で既にチームHRCの富田俊樹がチャンピオンを獲得していたが、IA1クラスは最終戦までチャンピオン争いがもつれる。結果は、熱田孝高とのチームスズキ同士による争いを僅か1ポイントの差で逃げ切った小島庸平が制した。

 また、レディースクラスでは名阪レーシングの安原さやがレースで3位を獲得。自身、そしてヤマハにとっても初となるチャンピオンに輝いた。2005年からの全日本選手権フル参戦以来、念願のタイトルとなった。


小島庸平(IA1クラスチャンピオン)のコメント
「ヒート2は、過去の失敗やタイトル争いがどうなるか最後までわからないといういろんな思いが出て、スタートの時からどうしていいかわからないくらい緊張してしまい、全く自分の走りが出来ない状態になってしまいました。それでもメカのサインを信じて走った結果、なんとかタイトルを決めることが出来ました。Team SUZUKIの一員となって今年が10年目。1年目にIA2のチャンピオンになって、途中世界選手権への参戦もありましたが、IA1のタイトル獲得までの道のりは、本当に長かったです。これもすべてチームスタッフと監督、ずっとお世話になってきた吉村太一さん、そして家族のおかげ。心から感謝します。ありがとうございました」


初のレディースクラス・チャンピオン獲得となった安原さや。

安原さや(レディースクラス チャンピオン)のコメント
「チャンピオンを獲れると言われるようになってからおよそ10年。成績が出ない時期もあれば、大きな怪我もあり、引退を考えたこともありました。近年は、チャンピオンを獲得する自分を想像できず、特に今年は、実力で表彰台に立てないと思っていました。開幕戦は、雨で表彰台に立てましたが、第2戦は表彰台を逃す予想通りの展開。でも後半、マシンの感触をつかみ、神戸、さらに東北で3位。その後にダグ・デュバックさんのトレ ーニングを経験し、勝つためにライディングスタイルを変更するという挑戦に踏み切りました。その成果として、雨のSUGOで独走、第9戦はドライで久々に勝利し、9ポイントリードで今日を迎え、どんな形でもとにかく勝つことだけを考えて走りました。長く辛かったけど、その分チャンピオンを獲得できたうれしさは大きいです。また、今年はヤマハの創立60 周年です。私もチャンピオンになり、ようやくヤマハの一員になれた気がします。本当 に長い間、サポートしてくれたヤマハ、ファンの皆さんに感謝します。ありがとうございました」


●2015全日本モトクロス選手権シリーズランキング
IA1クラス
1位 小島庸平(スズキ) 384ポイント
2位 熱田孝高(スズキ) 383ポイント
3位 成田 亮(ホンダ) 376ポイント

IA2クラス
1位 富田俊樹(ホンダ) 482ポイント
2位 能塚智寛 (カワサキ) 372ポイント
3位 竹中純矢 (スズキ) 371ポイント

レディースクラス
1位 安原さや(ヤマハ) 210ポイント
2位 竹内優菜(ホンダ) 206ポイント
3位 邵 洋子(ホンダ) 178ポイント