気分は雪ウサギ スノーバイクin BIG BEAR
■車両協力:
ハスクバーナ北海道 http://www.sapporo-cyclone.com/ 
■文・写真-高橋絵里
■撮影協力:
BIG BEAR(ビッグベアー) OHV パーク RUSUTSU HOKKAIDO http://bbrusutsu.org/
カミカゼスポーツ http://www.kamikaze130.com

「冬はルスツでスノーバイク、乗りましょう。楽しいですよぉ~、ビッグベアーの山頂まで全開です、サイコーですよぉ~!」
 そう熱く語るのは、1980~90年代の全日本モトクロス国際A級で活躍、『北海道にゲンジあり』と言われた道産子レジェンド、源治アツシ氏。これを受けて早速ルスツへ飛んだのが、先輩レジェンドの埼玉県人、伊田カミカゼ井佐夫氏だ。
「ルスツといえば私が今から32年前にA級初優勝を決めた思い出の場所。これは行くしかないね!」 
 さすが現役IAのワールド・ベテラン・モトクロスライダー、フットワークが軽い。

 雪深い原野の中、スノーバイクなるものを初めて間近に見る。ベースはモトクロッサーやエンデューロレーサーで、これらのフロントタイヤ部に1本のソリが、リア部分はスイングアーム、サスペンションと履帯ユニットのキットが組み込まれている。
 山頂アタックの前に、麓の平地で少しプラクティスだ。アクセル、クラッチ、リアブレーキなどはベースマシンと同じ操作。フロントはソリなのでブレーキ無し。発進時、全身に雪上ならではの独特な滑り出し感が伝わってくるが、走り出したらアクセルオンで安定するのは普通のバイクと同じ。あとはターン時のマシンの傾け具合がキモとなるが、そのコツさえ掴んでしまえば、オフロードレース経験者はもちろんバイクに乗り慣れている人なら、間もなくスムーズに走れるようになる。

 いざ、すっかり雪に覆われた林道を経由してビッグベアーへ、やがて樹林を抜けると開けた白銀の丘が広がって、道なき雪面を動物のように黙々と頂上を目指す。圧雪されたスキー場のゲレンデと違い、降ったままの天然の雪面はふわふわとまるで綿アメのようで、歩いたなら足が深く埋もれてしまうが、スノーバイクは綿アメの上を浮かびながら推進する。そうして登りきった大地からは、羊蹄山や尻別岳の眺め、眼下に洞爺湖、その向こうに太平洋も。これは最高。スノーバイクは縦横無尽、エゾウサギのように駆け回るのだった。


『ビッグベアー』は北海道ルスツにある雄大なオフロードオープンエリア。冬はスノーバイクにスノーモービルのツアーフィールドとして、春から秋はモトクロスやエンデューロで人気のコース

ナビゲーターの源治篤さん(左)とゲストの伊田井佐夫さん(右)
『ビッグベアー』は北海道ルスツにある雄大なオフロードオープンエリア。冬はスノーバイクにスノーモービルのツアーフィールドとして、春から秋はモトクロスやエンデューロで人気のコース。 ナビゲーターの源治篤さん(左)とゲストの伊田井佐夫さん(右)、ともに日本を代表するモトクロスレジェンドだ。源治さんは現在ハスクバーナ北海道のテクニカルアドバイザーおよびBIG BEARのアドバイザーを務めるスノーバイク普及大使だ。

トレーラーにスノーバイクを積み込み、正面の羊蹄山に見送られ、いざBIG BEARアタックへ

スノーバイクはアメリカ生まれ。キットは各種あり、ゼッケン付のKTM SX350には『モト・トラックス』、右のハスクバーナTE300には『ティンバー・スレッド』のキットが装着されている。キット価格帯はタイプにより60~100万円程度。詳しくはハスクバーナ北海道のwebサイトをご覧ください
トレーラーにスノーバイクを積み込み、正面の羊蹄山に見送られ、いざBIG BEARアタックへ。 スノーバイクはアメリカ生まれ。キットは各種あり、ゼッケン付のKTM SX350には『モト・トラックス』、右のハスクバーナTE300には『ティンバー・スレッド』のキットが装着されている。キット価格帯はタイプにより60~100万円程度。詳しくはハスクバーナ北海道のwebサイトをご覧ください。

大きな爪のキャタピラーがぐいんと後ろにせり出て、斜面や深雪にもパワフルなトラクション。積雪の中に少しだけキャタピラーを埋めて停めれば自然に自立してくれる。快晴のこの日は、向こうに洞爺湖と太平洋の素晴らしい眺望だった

初ライドながら走り出した瞬間から見事に乗りこなし、「これは楽しい!」とスノーバイクにゾッコンの伊田さん、さすがは元全日本チャンピオンにして現役IAにしてワールドVETライダー。この5月には還暦を迎えるそうです
大きな爪の履帯がぐいんと後ろにせり出て、斜面や深雪にもパワフルなトラクション。積雪の中に少しだけ履帯を埋めて停めれば自然に自立してくれる。快晴のこの日は、向こうに洞爺湖と太平洋の素晴らしい眺望だった。 初ライドながら走り出した瞬間から見事に乗りこなし、「これは楽しい!」とスノーバイクにゾッコンの伊田さん、さすがは元全日本チャンピオンにして現役IAにしてワールドVETライダー。この5月には還暦を迎えるそうです。

前、横、後ろ、どこから見ても2人のライディングシーンはモトクロスそのものだ。登りも下りも、キャンバーも狭い林間も得意なスノーバイクの機動性は、ファンライドの楽しみはもちろんのこと、冬の山岳救助などにも活躍期待大のポテンシャルだ

視界360度のBIG BEAR山頂に到達、ここはまさに別世界、雪面の模様はキャタピラーの軌跡と動物たちの足跡だけ。そんなスノーバイクの魅力を手軽に味わえる体験ツアーも開催中、詳しくはBIG BEARのwebサイトからお問い合わせください
前、横、後ろ、どこから見ても2人のライディングシーンはモトクロスそのものだ。登りも下りも、キャンバーも狭い林間も得意なスノーバイクの機動性は、ファンライドの楽しみはもちろんのこと、冬の山岳救助などにも活躍期待大のポテンシャルだ。 視界360度のBIG BEAR山頂に到達、ここはまさに別世界、雪面の模様は履帯の軌跡と動物たちの足跡だけ。そんなスノーバイクの魅力を手軽に味わえる体験ツアーも開催中、詳しくはBIG BEARのwebサイトからお問い合わせください。