ホンダドリーム世田谷

バイク屋さんって、なんとなく敷居が高いなぁ……。

“バイクやその関連商品を扱っている店は入りづらい”
――そんなイメージが自分の中にはありました。当たり前ですが専門的なものがたくさん置いてあって、そこに来るのはバイクについて詳しい人ばかり。初歩的な質問などが許される雰囲気では決してない、と(笑)。

 もちろんこれは僕の勝手なイメージなのですが、世の中には自分と同じように思っている人もいるのではないでしょうか。 

 もう少し厳密に言うと、近寄りがたいのはショップではなく、バイクそのものなのかもしれません。実際、友人にバイクのイメージを聞いてみたところ「難しそう」「分からないし興味もわかない」といった答えが返ってきたからです。生まれた時からたまたま家にバイクや車があった僕でさえ、ショップというものに対して敷居の高いイメージを持っていたのだから、普通の人から見ればやっぱりバイクショップは近寄りにくい存在と感じてしまうでしょう。

 さて、生まれて初めてのバイクショップとなる『ホンダドリーム世田谷』に着いた時の第一印象は“綺麗!”でした。外には新車のバイクがずらっと並んでいて、僕は早速ワクワクしながら店内に入りました。

 中はすごく明るく清潔感にあふれていてイメージと全然違う! まずは中古車を見せていただくため、階段を降りて地下に行くとそこには“本当に中古なの!?”と疑いたくなるようなきれいな状態のバイクが置かれていました。

環八沿いにあるドリーム世田谷(http://www.dream-tokyo.co.jp/shop_setagaya/index.html)。初めてのバイク屋さんだ。1階が商談コーナーで、フリードリンクのサービスもある。2階は新車展示コーナーとウエアなどの用品展示コーナーとなっている。そして地下1階には中古車コーナーと、サービスピットがある。

 今回お世話になったのは店長の白畑晋さんで、初心者の僕にも分かるような言葉でとても丁寧に説明して頂きました。

:中古なのにすごく綺麗ですね。みんなこうなんですか?
店長:ホンダドリームでは一度整備をして点検した上で店頭に並べています。ネットなどで検索すると、安い中古バイクがたくさんヒットしますが、程度や状態がまちまちなので、値段だけで判断するのは気をつけたほうがいいですね。

:走行距離の目安とかってありますか?
店長:大体2万キロ以上走ったバイクはガタが出やすいです。1万キロ前後であればまず問題はないでしょう。パーツを買ってきて自分で直せるような人なら走行距離はあまり関係ありません。自分でバイクをいじりたい方は、好んで中古を買われるようです。

 僕がネットなどで下調べをして目を付けていたバイクはFTRでした。軽くて乗りやすい! といった意見が多く、また中古でたくさん出回っているし部品も豊富。

 でも、正直なところ一番のポイントは値段でした。中古なら20万円前後で買えるようなので、これなら自分でもなんとかなるぞと思ったからです。あいにく、その場にFTRの中古は無かったのですが、同じくらいの重さで単気筒のCB223に跨らせてもらいました。教習所のCB400しか跨ったことのない僕にとっては、ちょっと衝撃的でした。軽すぎてまったく安定感がないように感じたからです。

:軽いですねー! なんだかフラフラします。
店長:教習車と比べるとずいぶん軽く感じるかもしれませんね(笑)。バイク自体は重いほど重心が安定するので、単気筒でこのくらいの重量だと少し頼りなく感じるかもしれません。

地下1階の中古車展示コーナーでいろんなバイクに跨ってみる。教習車のCB400SFしか乗ったことがないから、ここぞとばかり跨る。足つき性はどうか? ちょっと揺らしてみたりもした。店長の白畑さん(写真右端)がいろいろとアドバイスしてくれる。

:ところでその単気筒とか2気筒とか、いまいち違いがよく分からないんですけど、実際に乗っていてどんな差があるんですか?
店長:単気筒エンジンというのはエンジンの中のピストンが一本ということです。一本のピストンだけが上下に動いているので、乗っていて感じる振動は多くなると思います。2気筒や4気筒になるとパワーが実感できます。街中で乗る分には単気筒の方が安定感があってパワー的にも十分ですが、高速道路で走る場合には単気筒だと正直つらいです(笑)。バイクはどのように乗る予定ですか?

:まだ決まってないんですよ。というか分からなくて。
店長:そうですよね! 実はバイク選びというのは最初が一番難しいんです。5年10年と乗れば、自分のバイクの使い方が分かってくるので選びやすくなります。バイクの使い方はさまざまなので、まずはバランスの良いものに乗ってみるほうがいいかもしれません。

:というと……?
店長:VTRなんてどうですか。2気筒で安定感もあるし、体勢も前傾になりすぎることなく、楽に乗れると思います。

 跨らせてもらうと、自分とバイクがすごくフィットしているような気がしました。両足もしっかり地面につくし、ある程度重量感もあるし、すごく気に入ってしまいしばらく跨ってしまいました。

店長:バイクの排気量はどの辺りを考えてますか? 400ccに乗っておくと、後々大型に乗るときに楽だったりしますよ。
:250ccを考えています。車検が無いし最初は軽いほうがいいかな? と思って。

店長:車検のことですが、長く乗るつもりだったらもちろんそうですけど、例えば新車で購入すると3年間車検は無いんです。車検の前に売ってしまって次のバイクに乗り換える、というのもひとつの選択肢だと思いますよ。実際に乗っているうちに、バイクに対するイメージや自分の趣向なども分かってくるものですから、「絶対に250ccから!」と決めつける必要はないですね。
:なるほど! でもそんなこと言われたらますます迷っちゃいます(笑)。