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スズキ

 新商品説明会は、おなじみスズキ二輪の濱本英信社長のパフォーマンスから始まった。隼の文字を大きく染め抜いたブルーのスズキカラーのジャケット姿で現れた社長、ハヤブサからバーグマン200へと話題が変わるのに合わせて、今度はバーグマンのシート下トランクから取り出したのは「瞬速」の文字と車体写真をあしらった真っ赤なハッピ。毎回活気のある社長のパフォーマンスに和やかな説明会となった。

 さて説明会の中身は、昨年の東京モーターショー以降、すでに多くの報道がなされているので、国内仕様のハヤブサの話題はご存じの方がほとんどだと思うが(新車プロファイルを参照)、それにしても最高出力197PSのフルパワーでの国内発売には胸を躍らされるものがある。2007年の馬力自主規制の撤廃以降、基本的にはどのモデルでも自由に出力を落とさずに国内仕様へと移行させることができたはずなのだが、今回の、ハヤブサのフルパワーでの国内発売開始は、ひとつのターニングポイントとして長く記憶されていくことだろう。

 メカニズム的には2007年にモデルチェンジした2代目ハヤブサで、“アルティメット・スポーツ”のコンセプトをより推し進めるべく、クラス最高の加速性能、ハイパワーとハンドリングのベストバランス、印象的な「隼」スタイルの進化、そしてエアロダイナミクスの向上がはかられ、2008年モデルとして海外発売されたものとまったく同一だ。ほとんど唯一といえる国内仕様への変更は、180km/hのリミッターの追加だ。そしてもうひとつ、こちらは国産モデルとして初の標準装備となるETC車載器の存在がある。

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おなじみスズキ二輪の濱本英信社長のパフォーマンス。「隼」ジャケットで現れて、「バーグマン」ハッピにお着替え。125よりも、そして250よりも0→200m加速の速い“駿足”バーグマン200にかけて「瞬速」。

 
 
最高出力197馬力、最大トルク155N・mの「ハヤブサ」国内仕様を発売

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水冷、ラムエア・ダウンドラフト吸気、フューエルインジェクション、中空カムシャフトDOHC、直打式4バルブ、カムチェーンドライブなど、1998年の初期モデルから変わらぬメカニズムにより“量産市販車最強のパワー”を誇るハヤブサのエンジン。 新開発の3リング・アルミ鍛造ピストンは、短いピストンスカートにより高さを低減、ピストンピン径を18mmとし、往復部重量を軽減(初代は20mm)。ピストンクラウン形状の見直しによりコンパクトな燃焼室を形成。圧縮比は初代の11.5から12.5:1に。 初代モデルのスチール製バルブから2008モデルのHAYABUSAではチタンバルブに変更。インテークバルブは1本あたり14.1g、エキゾーストバルブは11.7gと大幅な軽量化が行われ同時にバルブスプリングもシングル化が可能となった。バルブリフト量を増加しながらも、正確なバルブコントロールを実現している。
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リアサスペンションはKYB製リアショックユニットをプログレッシブな減衰特性を持つリンク式と組み合わせている。スプリングプリロード、伸側・圧側減衰はフルアジャスタブル。ショックピストンの直径は40mm。ショックロッド直径14mm。ホイールトラベルは140mmを確保。スイングアームは初期型の口の字断面から日の字断面として剛性を10%アップ。 インナーチューブ径43mmのKYB製倒立式フォークにはDLC(Diamond-Like Carbon)コーティングを採用。表面の均一化とフリクションロスの低減を図っている。スプリングプリロード、伸側、圧側減衰はフルアジャスタブル。ホイールトラベルは120mm。 ステッピングモーター駆動のタコメーターとスピードメーターを採用。プログラム可能なエンジン回転インジケーターライトはエンジン回転速度が4,000~11,500rpmの任意の設定値に達すると点滅、あるいは点灯し、シフトタイミングを教えてくれる。
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マン、マシン一体の「ワンピース」コンセプトによってライダーも空力特性を構成する要素のひとつとして考え、ウインドプロテクション、空力特性を高め、魅力的なデザインとしているハヤブサ独自のエアロフォルム。 国内二輪車初採用のETC車載器。標準搭載により、メーターパネル内にインジケーターを搭載。動作状態確認がスムーズにETC車載器本体はリアシート下に。 販売時にはタンデムシート、シングルシートカバーの両方が付属する。
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■ハヤブサ 主要諸元

●エンジン:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:81.0×65.0mm●総排気量:1,339cm3●圧縮比:12.5●最高出力:145kW(197HP)/9,500rpm●最大トルク:155N・m(15.8kg-m)/7,200rpm●燃料タンク容量:21リットル●燃料供給装置:フューエルインジェクション●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:ダイヤモンド
●全長×全幅×全高:2,190×735×1,165mm●軸距離:1,480mm●シート高:805mm●最低地上高:120mm●重量:266kg●燃料消費率:28.0km/L(定地燃費、60km/h)、17.6km/L(WMTCモード値)●サスペンション:前倒立式テレスコピック、後スイングアーム(リンク式)●ブレーキ:前油圧式ダブルディスク、後油圧式シングルディスク●タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後190/50ZR17M/C 73W
1,564,500円(2月10日発売)
SDTV(Suzuki Dual Throttle Valve)、ISC(Idle Speed Control)、PAIR(Pulsed-AIR System)、S-DMS(Suzuki Drive Mode Selector)採用


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扱いやすいサイズの車体としっかり機能性、快適性の「バーグマン200」を発売

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 つづいてはバーグマン200。「バーグマン」といえばスズキの海外向けスクーターの名称として人気のシリーズ・ブランド名。国内ではスカイウェイブそのものなのだが、今回発売開始されるバーグマン200が、スカイウェイブではなくバーグマンの名を冠して発売される理由は、上はスカイウェイブ、そして下にはアドレスという超強力なラインナップの間に、新たな人気シリーズを作り出したいというスズキの戦略のためだろう。

 こちらは2002年モデルとして欧州中心に発売開始されたバーグマン150に始まり、そして2007年モデルで200へと発展したバーグマン200の国内導入ということになる。すでにヨーロッパではバーグマン150時代に2万台、そしてバーグマン200となって以降も2万4千台強を販売してきた人気モデルだ。「軽量でコンパクトな扱いやすい車体に、力強い加速と滑らかな走行を実現。快適性と機能性を追求した200スクーター」。まさに125クラスと250クラスの間をカバーするモデルといえるのだが、200ということでどちらかといえば250寄りの機能性を重視したモデルに仕上がっている。

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軽量コンパクトな199cc水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブエンジン。低速から高速まで力強いパワーをスムーズに発生。フューエルインジェクションが優れた燃費を実現し、高速道路を含む都市交通の様々な条件下でタンデム乗車時でも充分なパフォーマンスを発揮。 スピードメーターとタコメーターは見やすいアナログ式を採用。マルチファンクション液晶にはオドメーター、ツイントリップ、燃料計、燃費計、時計、オイルチェンジインジケーターなどの情報を表示。またエコドライブインジケーターも採用。 人間工学に基づいて設計されたウインドスクリーン。ライダーの負担を軽減するロングタイプを採用。スクリーン下に通気ダクトを配置し、風の巻き込みを大幅に低減。
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フロントパネル内には2つのボックスを装備。下には容量6Lのロック付きのフロントボックス、右上は容量1Lのミニボックス。フロントボックス内左には携帯電話の充電などに便利なアクセサリーソケット(DC12V)を装備。 ヘルメット2個やアタッシュケースも収納できるシート下トランクスペース。シートオープンと同時に点灯する照明付。シートを閉じれば自動消灯。 大柄なヨーロッパのユーザーにも好評という大型シートを採用。250フルサイズのスクーターに匹敵する快適性。
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■バーグマン200 主要諸元

●エンジン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ●ボア×ストローク:69.0×53.4mm●総排気量:199cm3●圧縮比:11.0●最高出力:14kW(19HP)/8,000rpm●最大トルク:17N・m(1.7kg-m)/6,000rpm●燃料タンク容量:10リットル●燃料供給装置:フューエルインジェクション●変速機:自動遠心式Vベルト無段変速●フレーム:パイプアンダーボーン
●全長×全幅×全高:2,055×740×1,355mm●軸距離:1,465mm●シート高:735mm●最低地上高:130mm●重量:161kg●燃料消費率:41.9km/L(定地燃費、60km/h)、30.1km/L(WMTCモード値)●サスペンション:前テレスコピック、後ユニットスイング●ブレーキ:前油圧式シングルディスク、後油圧式シングルディスク●タイヤ:前110/90-13M/C 55P、後130/70-12M/C 56L
509,250円(2月28日発売)


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