FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記  ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第4回 番外編 鈴鹿8耐Ver.〜鈴鹿もえらいわなぁ〜

アジア各国を回るFIMアジアロードレース選手権で唯一の日本開催となる第3戦鈴鹿から3週間、ナイトロ・ノリはSUZUKI GSX-R600からSUZUKI GSX-R1000に乗り換えて、真夏の祭典鈴鹿8耐に再びやってきた。チームはアジア選手権でもおなじみのTeam KAGAYAMA(正式にはTeam KAGAYAMA SUZUKI Asiaとは別チームとなる)。加賀山選手と走る3年目の鈴鹿8耐、その結果はいかに?


●取材協力-Team KAGAYAMA SUZUKI Asia
FIM世界耐久選手権 第2戦 “コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第38回大会
7月23日〜26日
鈴鹿サーキット国際レーシングコース(全長5・821㎞/コーナー数20)
Team KAGAYAMA #17 SUZUKI GSX-R1000
予選=5番手 決勝=3位

TEAM KAGAYAMAのスタッフが勢ぞろいしての記念撮影
TEAM KAGAYAMAのスタッフが勢ぞろいしての記念撮影。プライベートチームといえどもマシンを8時間走らせるには、それなりのスタッフが必要となるのがよくわかる。

 こんにちは、今回は、Team KAGAYAMAの芳賀です。鈴鹿8耐があるんでFIMアジアロードレース選手権の日本戦のあと、そのまま日本に残って鈴鹿の8耐までずぅっと日本だわ。

 TEAM KAGAYAMAは、チーム設立から5年、8耐参戦を開始してから3年目の夏になるがね。毎回サプライズのある参戦発表をしてきた。最初の年は、往年の名ライダー、ケビン・シュワンツ選手連れてきて、2年目は、世界で活躍する若手で一番勢いのあるライダーってことで、ロードレース世界選手権のMoto2に参戦してたスイス人ライダーのドミニク・エガーター選手を呼んできた。で、今年。他のチームも外人ライダーを招へいしたりしてきてて、外人ちゅーだけじゃインパクトがなくなってきたってことで、今回は、日本人ライダーで現在BSBで活躍しとる清成選手と一緒に走ることになったわけ。 
 ん? 清成選手を呼ぼうって提案? そんなことないよ。全部加賀山選手が決めるんだ。そう。自分にはそもそも相談もなければ、オファーもないんだけどね(!?)。単純に日程表がペロッと送られてくるだけ、なんだ。

 まぁ、清成選手はまだまだ若いし、自分にとっては、加賀山選手も含めWSB時代のライバルで、当時からも一緒になって遊んできた仲間。
 なんといっても清成選手は、鈴鹿8耐でこれまで4回勝っとるってのも大きいわな。つまり3人ともに鈴鹿8耐を勝っとるライダーっていうチーム。TEAM KAGAYAMAの8耐Tシャツを見るとわかるけど、星が6つ並んどるけど、これは8耐の3人の合計勝利数を表しとるってことなんだわ。
 

 さて、前回のアジア選手権の鈴鹿は、梅雨真っ盛りって感じの雨だったけど、8耐の本番は完全に晴れ。レースウィークも初日こそちょっとばかし路面が濡れとったけど、その走り出し以外は決勝日も含めずっとドライ。暑い鈴鹿らしいレースウィークだった。
 鈴鹿のアジア選手権レース明けに清成選手がチームに初めて合流して、清成選手を中心に公開合同走行テストを2日間。清成選手はその後イギリスに戻ってしまったんだけど、その翌週にも鈴鹿でタイヤテストがあって、そこでは加賀山選手と一緒にしっかり走り込んで、準備をして臨んだわけ。まぁ、この2回のテストで一番いいスペックのものを、このレースウィークに持ち込んで、レースウィークもセットアップを続けてきた。
 ほぼレースバイクが決まった状態でキッチリ予選で5番手を獲得。レースは、シケインでの転倒が一回あったものの、マシンにダメージもなく、他に大きなトラブルはほぼなにもない、という状況だったわな。ただひとつあったのが、3回目のスティントでシフターがなくなった(そのため、通常の市販バイクのようにアクセルを戻しながらのシフト操作が必要に)こと。それでも、清成選手も加賀山選手もしっかりポジションをキープしてくれた。「つながなきゃ」っていう思いが強かったんだね。それでチェッカーライダーとして走らせてもらったわ。10歳も離れているジジィたちを引っ張って、3スティント走ってくれた清成選手のおかげ。それと、今回は3人ともがキッチリやるべきことをやったレースといえるで。

 まぁ、結果3年連続3位はすごいことだと思う。どうやったってワークスにはなれない設立間もないプライベートチームであることを考えれば上出来の結果でしょ? 来年の話ってのは何もないけれど、またチャンスがあったら、今度こそ優勝狙いたいね。

 チームにはアジア選手権と重複して担当するスタッフもいたわけだけど、彼らにとってもいい刺激になったはずだと思う。アジア選手権、次はタイのブリラムサーキットで8月30日がレースになるよ。このタイ戦も表彰台に載れるようにがんばるわ〜!



もともとチームの雰囲気も良いのがTEAM KAGAYAMA
もともとチームの雰囲気も良いのがTEAM KAGAYAMAだが、決勝日はノリ選手もノリノリ。このリラックスした感じがチームを表彰台に押し上げるのかもしれない。
レースクイーン
レースクイーン

レースクイーン レースクイーン
MISS TEAM KAGAYAMA として2人のレースクイーンもチームに合流


加賀山組ダルマ
TOP10トライアル進出で片眼が入ったTEAM KAGAYAMAオリジナルの「加賀山組ダルマ」。もちろん今回も無事に両眼が入った。
なんと6回ピットを実現

もとから燃費の良い走行を得意とする清成選手のデータを各ライダーが共有。3人ともに燃費走行をこなし、なんと6回ピットを実現!


3色のヘルメットを使用 ペースがあまり上がらなかった今年の8耐だが、周回遅れのマシンを丁寧かつ速い周回でクリアし、2回のスティントを走りきったノリ選手。

2回のスティントを走りきったノリ選手
ノリ選手のヘルメットは8耐バージョン。頭頂部に鈴鹿のコース図が入り、それがターゲットとなっているイメージだ。ちなみに今回の8耐では、ここの写真にも登場している水色、艶消し濃紺、そして予選時に白の3色のヘルメットを使用した。

ピット内

ピット前まで戻ってきた芳賀選手
チェッカーを前に、芳賀の走りをモニターでチェックするチームスタッフが揃ったピット内。そして、ここにはスズキの鈴木俊宏新社長の姿も! 8時間を走りきったSUZUKI GSX-R1000とともに、ピット前まで戻ってきた芳賀選手は指を3本立てて3位をアピール!

3年連続3位となったTEAM KAGAYAMA
チーム8耐初参戦から3年連続3位となったTEAM KAGAYAMA。プライベータ―、そしてライダーは毎回違っている。にもかかわらず表彰台を連続で獲り続けている、すごいチームだ。


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年〜2015年は鈴鹿8時間耐久レースで3年連続で表彰台を獲得している。


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