FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記  ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第5回 Rd.4 タイ

アジア5か国を転戦する2015年シーズンのFIMアジアロードレース選手権。鈴鹿戦を終えて2ヵ月あまり、続く舞台はタイ王国。全6戦のうちの第4戦、つまりシーズンも折り返しを迎えることとなった。今年できたばかりのTeam KAGAYAMA SUZUKI Asia、そしてアジア選手権初参戦となるSUZUKI GSX-R600。初もの尽くし。それを補うために投入された最強兵器こそがナイトロ・ノリなのだ! 


●取材協力-Team KAGAYAMA SUZUKI Asia
FIMアジアロードレース選手権 Rd.4タイ
8月27日~30日
チャン・インターナショナル・サーキット(全長4・554㎞/コーナー数12)
Team KAGAYAMA SUZUKI Asia #41 SUZUKI GSX-R600 (スーパースポーツ600㏄クラス)
予選=12番手 レース1=22位 レース2=8位  第4戦終了時ポイントランキング9位

 Team KAGAYAMA SUZUKI Asiaの芳賀です。こんにちは。
 鈴鹿の8耐が終わってようやっと1ヵ月。FIMアジアロードレース選手権シリーズも4戦目。シーズンも後半になっとるでねぇ、ここから踏んばらなあかんで。GSX-R600にも、もうちぃっとがんばってもらわんと、だね。


次戦に向けて気持ちを入れ替えているノリ選手。次のカタール戦だが、「走ったことのあるサーキットなのでがんばりますよ~!」
チームの加賀山就臣ゼネラルマネージャーともにタイ・スズキのイベントにも積極的に参加。「我々のチームもマシンも、開幕戦の時に比べれば確実に良くなっていることが実感できてます。でもまだ、優勝を狙えるマシンレベルにはなっていないのが現実! 次戦はライダーがよく知っているカタールなのでチャンスは多いと思います。引き続きチーム全力でライダーをバックアップして行きます」と加賀山GM。

 第3戦の鈴鹿、それから鈴鹿8耐のテストと決勝ってあったんで、久しぶりやね。少し雲がかかってて、いぃ具合に蒸し暑くなってるバンコクに到着した時には、アジアに戻ってきたって感じがしたねぇ。ここでチームと合流して、飛行機で一時間飛んで、サーキットのあるブリラムってところまできたよ。

 今回は、タイの去年できたばっかの新しいサーキットでねぇ。できてちょうど一年っちゅー初めてのサーキットは、路面がスムーズってとこでは第2戦のセントゥールと正反対のサーキットだね。中高速コーナーの多いコースでねぇ、スピードを殺さずに走らなかん。だからマシンもスピードを乗せて走れるセットにせなぁってところだぁね。

 で、今回は、走行が始まった最初のセッションではマシンのフィーリングが良かったんだけど、その後のセッションでセッティングを外してしまって。答えがわかっているんだけど、そこまでたどり着けないっていう、ちょっと空回り気味のレースウィークスタートだったね。

 レースウィーク2日目は、予選も決勝レース(レース1)もあるという忙しい一日で、予選では、なんとか1分40秒台に入るベストタイムを出すことができました。でも、他のチームだって足踏みして待ってくれとるわけじゃないでねぇ、グリッドは残念ながらの12番手でした。

 レース1は、ひっちゃかめっちゃかなアジアのライダーたちの大集団に飲み込まれてしまって、7周目のヘアピンで後ろから追突されてしまいました。レースは16周なんだけど、残り5周くらいから仕掛ける予定だったのよ。このタイミングでの転倒で残念な結果になってしまいました。まだバイクは走れる状態だったので、レース2のために、タイヤの状況も見てみたいし、データも取りたいということで完走しときました。

 日曜日は、ウォームアップして、あとは決勝だけっていう前日とは打って変わってののんびりな一日。でも、タイ・スズキの応援団がやってきて、そのイベントもあって、とそれなりにのんびりとは行かないままレース2の決勝になってしまいました。

 レース2は、レース1みたいにアジアの選手たちに絡まれたくないでねぇ、スタートから決めて3番手までポジションアップ。でもね、実はこの決勝レースが行なわれる夕方のコンディションに合わせてセットを進めたんだけど、それが合ってなかった。レースは後半タレてしまって、さらには最後に無謀な選手にマシンをぶつけられて順位を8番手まで落としちゃって、レースとしてはアンラッキーだったね。



もがきながらも毎回マシンのポテンシャルをフルに発揮してくれるノリ選手。ポテンシャルは確実に上がってきているという。あと少し、である
もがきながらも毎回マシンのポテンシャルをフルに発揮してくれるノリ選手。ポテンシャルは確実に上がってきているという。あと少し、である。
なんと6回ピットを実現

タイのバンコクから400㎞ほど離れたブリラムにあるサーキット。昨年の9月にオープンし、こけら落としとして日本のSUPER GTレースが開催された
タイのバンコクから400㎞ほど離れたブリラムにあるサーキット。昨年の9月にオープンし、こけら落としとして日本のSUPER GTレースが開催された。


練習走行セッションを上手く活用できなかったこのレースウィーク。残念ながらレース1では集団に巻き込まれてしまった
3色のヘルメットを使用 練習走行セッションを上手く活用できなかったこのレースウィーク。残念ながらレース1では集団に巻き込まれてしまった。


遅ノリ選手のツナギの背中部分には、レース1の転倒の際にできたキズが大きくできていた
3 ノリ選手のツナギの背中部分には、レース1の転倒の際にできたキズが大きくできていた。

レース2では、これぞ、という鬼神の走りで、スタートから猛プッシュ。一時は3番手を走り、チームも応援団も大いに盛り上がる!

遅ればせながら、という感じだが、スズキGSX-R600のセットアップはレース2のある日曜日の朝のウォームアップでベストな状態に仕上がったという。
レース2では、これぞ、という鬼神の走りで、スタートから猛プッシュ。一時は3番手を走り、チームも応援団も大いに盛り上がる! 遅ればせながら、という感じだが、スズキGSX-R600のセットアップはレース2のある日曜日の朝のウォームアップでベストな状態に仕上がったという。

 けれども、マシンは着実に進化してるし、チームの結束力も高まってきとる。マシンを合わせこんで残り2イベントを決めていってさらに上のランキングに入るようにがんばるよ。次回(カタール/10月3日決勝)も応援よろしくお願いしま~~す。


次戦に向けて気持ちを入れ替えているノリ選手。次のカタール戦だが、「走ったことのあるサーキットなのでがんばりますよ~!」
次戦に向けて気持ちを入れ替えているノリ選手。次のカタール戦だが、「走ったことのあるサーキットなのでがんばりますよ~!」


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年~2015年にかけて鈴鹿8時間耐久レースで3年連続で3位表彰台を獲得している。


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