ちょっと前のCMで「そうだ、京都へ行こう。」なんてのがありましたが、ワタシの場合、ちょっと時間ができて、どこへ行こうかと悩んだ時、たいていは埼玉県の秩父市へ行くことが多いんです。
ここは日本三大曳山祭りとして数えられる「秩父夜祭」が有名な山間の町で、春は羊山公園の花のじゅうたんが楽しめ、夏は長瀞の船下り、秋には中津川渓谷の紅葉、そして12月2日、3日には夜祭と、いつ行ってもいいところなのであります。冬には三十槌(みそつち)の氷柱といって、川の水が凍った幻想的な風景も見られますしね。
また人生に悩んでいる人は、秩父札所めぐりという、一番から三十四番までのお寺を回る、約100kmの巡礼もできますよ。
日本最古の貨幣、和同開珎を作るために銅を採掘したのもここだし、吉田町では江戸時代より伝わる、町民手作りのロケット「龍勢」のど迫力にも圧倒されちゃいます。
あっ、あと、どうでもいいけど、笑点でおなじみ林家たい平師匠の出身地でもあります。
……なんて紹介をしつつ、ワタシの運転するHONDA CB400SFのシビちゃんは飯能市から国道299号線に入ります。
高麗神社あたりを過ぎると、走り屋が泣いて喜びそうなギンギンのカーブが続くのですが、ワタシはいつものようにトロトロと流します。
いつも東京の濁った空気ばかり吸っているので、森の香りが体内を吹きぬけていき、細胞が活性化されていくみたいです。
ちなみに、正丸峠の旧道は、関東屈指の心霊スポットとしても有名ですよ。
高円寺から約3時間ほどで秩父市の中心地に着きました。道の駅ちちぶでちょっと休憩して、ワタシの大好きな「三峰神社」を目指します。
まったく対向車が来ない山道を延々と登っていると、道路の真ん中に猿の群れが! あわてて急ブレーキを掛け、ホーンを鳴らすと、のそのそと散っていきました。
街の中心部から約1時間程で三峰神社に到着です。
1100mの山頂に建つこの三峰神社は、千数百年の歴史があり、その極彩色の本殿や山門は本当に美しくて、一見の価値大ありです。
神様のお使いは山犬で、火難除けのお力があるといわれ、江戸時代には関東周辺からたくさんの人たちが三峰詣でに通ったんだそうですよ。
また、俗に「憑物落としは三峰神社」ともいわれていて、キツネ憑きの人を救うために、霊能者が参拝しているらしい……とのウワサも(オカルト雑誌の読み過ぎ!?)。
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境内にはデカイご神木が茂っていて、その大木を抱くと“気」がもらえるといわれています。
実はワタシ、なんか疲れたときとか、落ち込んじゃったとき、悩んでいるときはいつもここに参拝に来るんです。
目には見えない力が充満しているような感じがする、ワタシにとって地元福岡の太宰府天満宮に次ぐパワースポットなのであります。
1時間程ゆっくりと過ごし、街の中心部に戻りましょう。
秩父のご飯なら、おそばに、おっ切り込みうどん、わらじカツ丼が名物ですが、今日はおいしいかき揚げの載ったおそばにします。おいしいっ!
おみやげなら何といっても、秩父神社のすぐ近くにある和菓子屋、水戸屋さんの「野菜みそまんじゅう」でしょう。
キャベツやたけのこ、しめじなんかが入った味噌味のまんじゅうなんですが、これを蒸して、アツアツで食べるともっサイコーです。5個で520円。オススメですよ。
また、この水戸屋さんだけでなく、市内のお菓子屋さんのグループでは、地元で取れるメープルシロップを使ったお菓子をたくさん発表していて、そのどれもがおいしいと評判になっているらしく、中には3年連続でモンドセレクションを受賞したものもあるそうですよ。
再度、道の駅ちちぶへ寄り、地元の野菜と、口当たりのいい大好きな銘酒「秩父錦」を購入します。今から晩酌が楽しみ楽しみ……。
かなり体が冷えてきました。温泉に入っていきましょう。
秩父には立ち寄り湯がけっこうあるのですが、ワタシはいつも「丸山鉱泉」に入ります。
こじんまりしていて、森にかこまれていて、なんかいいんですよね。特に茶色く濁った薬草風呂がよくて、ホントのんびりするんです。
休日の国道299号は、夕方の渋滞がすごいです。飯能までけっこう時間くっちゃいました。
でもその後はスムーズに流れ、7時過ぎに無事、高円寺のアパートに帰還しました。
のんびりできて、そのうえパワーも沸いてくる……秩父はそんないいところなのであります。
みなさんも、都会の暮らしでなんか疲れたなぁ〜なんて思ったときには、ふらっと秩父へでかけてみませんか?
- ルリカミドリ