Hi-Compression Column

ゆきゆきて道祖神


★アフリカ大陸
(オンボロ)バスの旅  (その4) 
『何時までたっても着かないケープタウン』


(2010年10月20日更新)

2日間、約1500キロの道のりを、ヨハネスからケープに向かった我がビーナス号の主なトラブルは、

1.ガソリンメーターの不良によるガス欠

2.左手スライドドアのベアリング不良による走行途中でのドアオープン(怖かった!)

3.マフラージョイント部の不良によるマフラーの脱落

4.南アフリカ製タイヤの製品不良によるバースト

5.キャブレター不良(走行中アクセルが戻らなくなってしまう=怖かった!)

6.発電機不良による充電不足でライト点かず、セル回らず

などが挙げられる。

わずか2日間でこれだけのトラブルを経験し、まさに青息吐息の状態で、参加者が到着するケープタウン空港に向かった。

この二日間殆ど寝ていない。

なぜなら昼間は車の修理をし、夜走らないとケープタウンに着かなかったからだ。

上記1.は街道沿いのワーゲンショップで状況を話し、メカニック氏と一緒になってビーナス号の下にもぐりガソリンタンクをはずすと、上部に付いている燃料計のキャップは割れて半分ほどしか残っておらず、5cmほどの穴からガソリンがピチャピチャと漏れてくる。

満タンにすると当然ながらこの穴から大量のガソリンが漏れていたのだ。

中のフロートも半分取れかかっており、これでは正確な残量など出せるはずが無い。

Yさんの言うオーバーフローの犯人はこの穴だった。しかし何でこんなところが壊れてんだ?!

2.は走行途中突然、後部のスライドドアがガタガタ〜と大きな音を立て始め、ん、何だ?何だ?と思って慌てて車を止めようとしたときには、ガタッと大きな音がして扉の上部半分が道側に大きく開いていた。

扉のレールについているベアリングが落ちて無くなっていた。

道端に落ちていた針金でレールを縛り、ドアが勝手に開かないよう応急修理をした。

3.のマフラーの脱落も同様だ。突然ブオーッと大きな音がした。拾ったデコボコになったマフラーが冷えるのを待って、やはりタオルと針金で強引にエキゾーストに縛りつけた。

4.はGSでガスを入れていると、スタンドの兄ちゃんが笑いをかみ殺しながら指差したところを見ると、ちょうど漫画のようにお餅が膨らんだ様子でプク〜ッとタイヤの横が膨らんでいる。

思わず“おおッと”驚きと感動の混ざった声が出てしまった。(タイヤってこんな形にも膨らむものなのね!)

5.移動中は殆ど全開でアクセルを踏んでいたのだが、緩やかなコーナーに差し掛かったときアクセルペダルから足を離してもアクセルが戻らず、当然スピードも落ちず……一瞬、自分の気が付かなかったうちに、どこかクルーズコントロールボタンでも押したのかと思ったが、そんな高級装備が付いているはずも無く、慌ててブレーキを踏んだ。


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ガーデンルートの道みなさんの想像するアフリカイメージとは違うでしょうけれど、ガーデンルートの道にはちゃんとサービスエリアがあります。


それ以後いつか止まらなくなるんじゃないかと思うと怖くて、怖くて……近くの村のガレージでキャブレターのオーバーホールをしてもらうとキャブのチョークプレートに砂が詰まって、アクセルワイヤーの動きが鈍くなっていたのだ。

6.最初からどうもヘッドライトが暗いな〜と思っていたら、2日目にしてセルモーターが回らなくなった。

バッテリーは新品に交換しておいてくれたと言っていたし、発電機が発電をしっかりしていない様子……

 

リアのボンネットに頭を突っ込んであれこれいじっているとエンジンの回転を発電機に伝えるベルトが緩く、十分に発電機を回していないことが判明。

しかし原因は発電機の取り付けボルトのヘタリ、何度締め付けても緩んでしまう。

GSでドリルを借りて鉄のステーに大きな穴を開け、ボルトを取り付け発電機を固定することに成功する。

この2日間で一体どれだけの人たちの世話になったことか……しかしまだ旅の本番は始まっていないのだ。

一眠りしたかったが、飛行機の到着時間が迫っている。

目を真っ赤にし、GパンやTシャツは汚れ放題、手はグリスとオイルで真っ黒のままケープタウン空港に到着した。

そのまま走って到着ゲートへ。ちょうどツアー参加者が出てくるところだった。

『やぁ〜お疲れ! 荷物もOK? みんな元気? 』

『オレも今着いたところ、いや〜長かった、ケープまで結構遠いわ……』

『車? そぐそこに止めてある!』

『調子? ん、うん、まぁまぁ調子いいよ』とウソをついた。

この2日間のモノガタリを聞いたら、私は行かない!という参加者が出てくると思ったからだ。

オレだってお客だったらきっとそう言うだろう。

『こんなボロ車で1万キロ先のケニアまで行ける訳ねぇじゃん!』って。

(続く) 

     
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