2019年10月1日

Z250と同時開発された新型“ヨンヒャクZ”もカラーチェンジ

Z400 682,000円(11月1日発売)

国内の400クラスのスポーツモデルユーザーにとって、かつて「Z」の名称は絶大だった。が、今やその地位は「Ninja」に取って代わられてしまっているといえる。

2008年4月発売の初代Ninja 250R登場後、あまりの人気沸騰ぶりにライバルメーカーとしてもただ後塵を拝しているわけにはいかないと、それぞれ対抗馬をぶつけてきたことで、250クラスのフルカウル・スポーツに再び脚光があてられることとなったのはご存じの通り。しかし、そのNinja 250Rもスーパー・スポーツをイメージする以上、時代の流れに逆らうわけにはいかず、2013年2月、新型Ninja 250へとモデルチェンジが行なわれた。

ただそれだけで終わらなかったのが勢いに乗るカワサキだった。Ninja 250の人気に油断することなく、Ninja 250をベースに兄弟モデルといえる“ストリート・ファイター”を開発していたのだ。フルカウル・スポーツの次は、Z1000やZ750/800でカワサキ・デザインの真髄ここにあり、のイメージを築き上げた“アグレッシブ・ストリート・ファイター”を、なんと250でも展開しようと放ったのがZ250だった。

まさしく“インスパイアZ1000”で、そっくりスケールダウンしたかのような思い切りの良いアグレッシブ・デザインのZ250は、Ninja 250のエンジン、フレームをベースに、イメージだけではなく、実際にZ800のマルチリフレクターヘッドランプを流用してしまうなど、“アグレッシブ・ストリートファイター”のDNAをキッチリ受け継いでいた。

当時、新型Ninja 250のデザインに唸らされた方は多いだろうが、2ヵ月遅れで登場したZ250は、また別の魅力を放っていた。これこそ国内のユーザーが絶えて久しく待ち望んでいた“ジャパン・クォーター”の再来、といえるモデルだったのだ。ただ、それに対して400クラスはどうかというと、Ninja 400のネイキッド版といえるER-4nに焦点があてられることはなかったといえる。何故「Z」ではなかったのか、という意見も多々聞かれたが、ストリートファイターと呼ぶには、あまりに正統派の良くできたツーリングモデルだった。勝手な理由付けはともかく、Z400のポジションになるべくリリースされたER-4nは1代限りでラインアップを外れている。

2019年2月、満を持してZ250の発売と同時にラインアップされたのがZ400で、車体からエンジンまで、250と共通する部分が多く、排気量が大きい分、よりスポーティな走りが期待されるモデルとしてZファンの巻き返しに注目が集まるところ。トレリスフレームの採用などにより軽量化された車体に、250と外形サイズはほぼ同一というコンパクトな400ツインを搭載しているのだ。

しかも6年ぶりに復活した新型Z400は、先代が“アグレッシブ・ストリート・ファイター”を提唱していたのに対し、Zシリーズのフラッグシップモデル、Z1000が持つ「Sugomi」スタイリングにインスパイアを受たというまったく新しいボディワークが採用されている。「アグレッシブで俊敏、かつ勇ましい印象を与えるデザイン。都会の喧騒を縫うように走っても、街の片隅にたたずんでいても、この軽量さとパワフルさを併せ持つスーパーネイキッドは人々を必ず振り向かせる魅力を放つ」とされている。

エンジンは、全回転域での出力向上を実現した新設計のパラツイン。Z250では最高出力27kW(37PS)/12,500rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/10,500rpmを発生するのに対して、Z400では最高出力は35kW(48PS)/10,000rpm、最大トルクも38N・m(3.9kgf-m)/8,000rpmと圧倒的なパワーがプラスされている。

そしてそれを搭載するフレームは、これまたNinja H2からインスパイアされたというトレリス構造の超軽量フレームだ。足回りも大型モデル並みのφ41mm正立フォークが採用されている。ブレーキもZ1000と同径のφ310mmセミフローティングペタルディスクと徹底している。アシスト&スリッパークラッチの装備も当然引き継がれている。

「Sugomi」デザインを象徴するヘッドライトはLED製。インストゥルメントパネルはZ650と同系。アナログスタイルのタコメーターの中央にギアポジションインジケーター、その下にはマルチファンクション液晶スクリーンを備えてライダーを走りへといざなう。

まさにこれでもか、の大盤振る舞いの新型Zシリーズ。“ヨンヒャクZ”の復権なるか、という意味でも大いに注目されるモデルだ。

今回はその新型Z400初のモデルチェンジで、カラー&グラフィックの変更が行われた。

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Z400。カラーは2色。こちら「キャンディスチールファーニスオレンジ×メタリックスパークブラック」(OG1)。


 
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Z400。「メタリックマットグラファイトグレー×メタリックスパークブラック」(GY1)。Z250と同色の2カラーをラインナップ。


 

★KAWASAKI ニュースリリースより

Z400 新発売のご案内
モデル情報
車名(通称名) Z400
マーケットコード ER400DLF
型式 2BL-EX400G
発売予定日 2019年11月1日
型式指定・認定番号 18750
メーカー希望小売価格 682,000円
(本体価格620,000円、消費税62,000円)
カラー(カラーコード) メタリックマットグラファイトグレー×メタリックスパークブラック(GY1)
キャンディスチールファーニスオレンジ×メタリックスパークブラック(OG1))
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は含まれません。
※当モデルは川崎重工業株式会社の海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand)Co.,Ltd(KMT)で日本向けに生産された車両です。
※当モデルはABS装着車です。
※消費税率10%に基づく価格を表示しております。
【Z400】

本格的スーパーネイキッドマシンZ400。軽量な車体に、高出力なエンジンがライダーの気持ちを昂ぶらせます。排気量398cm3エンジンは、スムーズな吹け上がりと低回転域の力強いトルクを発揮し、ビギナーからベテランまで非常に扱いやすいエンジン特性を実現しています。加えて、優れた安定性と高い操作性を実現するシャーシが、より俊敏なハンドリング性能を獲得。スーパーネイキッドZの誇る五感を刺激する乗り味、「Sugomi」パフォーマンスに貢献しています。スタイリングは、Z1000で提唱した先鋭的な車体形状の「Sugomi」デザインを継承。シャープなスタイリングと独特なシルエットがライダーを魅了します。

■主な変更点
・カラー&グラフィックの変更

 

★主要諸元

車名型式 2BL-EX400G
Z400
発売日 2019年11月1日
全長×全幅×全高(m) 1.990×0.800×1,055
軸距(m) 1.370
最低地上高(m) 0.145
シート高(m) 0.785
車両重量(kg) 166
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 32.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
24.8(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ)
最小回転小半径(m) 2.6
エンジン型式
水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 398
内径×行程(mm) 70.0×51.8
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 35[48]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 38[3.9]/8,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑油方式 ウェットサンプ式
潤滑油容量(L) 2.3
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.928
2速 2.055
3速 1.619
4速 1.333
5速 1.153
6速 1.037
減速比1次/2次 2.218/2.928
キャスター(度) 24.5°
トレール(mm) 92
タイヤサイズ 110/70ZR17M/C 54H
150/60ZR17M/C 66H
ブレーキ形式 φ310mm油圧式シングルディスク
φ220mm油圧式シングルディスク
懸架方式 φ41mmテレスコピック式
スイングアーム
フレーム形式 トレリス

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
 ※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
 ※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
 ※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。