「がんばろう日本!」
波乱てんこ盛りのもてぎmotoGP
ヨーロッパの方はかつての原発事故の経験もありますから、今回の件には敏感に反応していて、自己防衛のためには仕方がないというか、正直私たちだって今後何も影響がないなんて断言できないのは事実なので、来ないライダーもいるのは仕方ないと思っていたところ、カピロッシの、怪我による欠席をのぞいてmotoGPクラス全員来日。
いつも席取りで込み合うメディアセンターには空席も。多分、これがヨーロッパの素直な意見なのだと思うと、拒否発言で矢面に立たされたり、不安ながらも日本でレースを楽しみにしているレースファンのために来日してくれた選手には、ほんとに感謝だなと思いました。
カメラマンは現地に来ないと仕事にならないようで、いつも仲良くしてくれるフレンチとイタリアン、イギリスのカメラマンには会えてよかった。
例年に比べてお客さんもすこし少なめ。金曜日は5778人、土曜日は13338人、決勝日は34096人、トータルで53212人。
パドックもそれほど混雑しておらず、選手もトイレまで追い掛け回されることなくリラックスしてたよう。ピットウォークでも前に出てきてくれた選手もいて、レース後も余裕でサインに応じる姿あり、お目当ての選手に近づけたみなさんラッキーでした!
オープニングセレモニーでは津波と地震の被害にあった故・富沢祥也選手の故郷千葉県旭市と、石油タンク爆発で被害を受けた、青山博一選手の地元、市原市に、GPパドックから104,882ユーロの復興義援金がおくられました。これは、「we are for Japan」というオリジナルTシャツにmotoGPライダーがサインしたものをネットオークションにかけた落札金と、サーキットでの売り上げをあわせたもの。市原市の佐久間市長の挨拶がすごく上手かった。
穏やかな陽気のなかで行われた予選日とは打って変わって決勝日は肌寒く、タイヤをソフトにするかミディアムでいくか、ライダーを悩ませるいや〜なコンディション。しかもmotoGPクラスの直前になって薄陽が射して路面温度が若干あがるなど、おかげでサイティングラップでのピットは大混雑。
レース内容は、公式を見ていただくか、先にUPしたレポートもありますが、ロッシの転倒を皮切りに、とばっちりでベン・スピーズがコースアウト。ケーシーのコースアウト。シッチ、ドビツィオーゾ、クラッチローのフライング。バルベラ、カルディン、バウティスタ、エリアスがそれぞれ転倒、ニッキーもコースアウトと負のスパイラルが盛りだくさん。コースはドライでコンディションは上々なのに、これほど波乱のレースになるとは。
後半はダニがイチ抜け、すこし離れてロレンツォ、コースアウトから追い上げたストーナーと、それぞれ単独走行になってからの終盤、実況では4位争いが注目され続けましたが、それはライドスルーのペナルティを受けたシモンチェリとドビツィオーゾの戦い。
6位スピーズ、7位ニッキーまでは、何かしらのトラブルがあったわけで、1−2位を除いて何事もなく完走したのは8位のコーリン・エドワーズから・・世界最高峰のmotoGPって、24ラップの超スプリントレースで、一瞬のミスも許されないとおもいきや、案外そうでもないのね? 終わってみればいつもの順当な(転倒を除く)リザルトかな?
ホンダとしては、かつて2004年に玉田誠選手がキャメルホンダで優勝して以来のもてぎでの勝利。
今シーズンはいい流れでここまで来てた青山は9位と今ひとつ結果は残せずに終了、タイヤのチョイスミスということです。
同じころ、弟でオートレーサーの青山周平選手も船橋でレースでした。デビュー戦から好調で、前節では優勝も果たした周平選手ですが、兄弟として何か通じるものでもあるのかというほど、今回不調で、準決勝(土曜日)最終レース(日曜)と8位に沈む。
250cc時代は、最終コーナー寄りの端っこあたりに設営されていた青山応援席(一時は青山兄弟応援席)はドカティ応援席と同じ規模でホームストレートの中央に位置され、決勝前には続々とファンがつめかけてました。青山選手グッズのほか、日曜には青山選手が挨拶に来たりの特典がついて、お得価格。ファン大勢で青山の日章旗を降りながらの応援でもりあがっていました。
Moto2はモリワキのマシンを駆る高橋裕紀が出場しています。4月に弟を事故で亡くしてから初めての日本でのレース。序盤から前へ前へという激しいレースで、勢いあまったのか転倒、再スタートしたものの30位と悔しい結果におわってしまいました。ワイルドカードの小山は、マシンの挙動に悩み28位。125ccでは、日本人のワイルドカードライダーは、もっと頑張らないと世界にはいけないと思う。
来シーズンは、TSRの藤井監督の息子で、現在全日本ロードレースに参戦中の謙太君がmoto2に参戦します。「3年は頑張らせるつもりだから!」と監督の力強い言葉あり。
頑張れ日本!
- MotoGP
- ●9位 青山博一
- ●12位 秋吉耕佑
- ●13位 伊藤真一
- Moto2
- ●28位 小山知良
- ●30位 高橋裕紀
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レースカメラマン
楠堂亜希
- 20代初期にてミスター・バイクに拾われ、好きなことをしているうちにレースカメラマンのポジションを与えられました。 モトクロス、ロードレースをこよなく愛し、愛溢れる写真で楽しさを伝えてまいります。
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