４月某日深夜。某焼肉店。

「ねぇねぇヒデ君」

わ、中尾さんっ！？

閉店後に音もなく入ってきて背中越しに話しかけるのは、あれほどヤメてって言ったぢゃないっすか！

つ～か、どっから入って来たんすかっ！

「あのさ、去年のお盆に静岡おでんツアー行ったじゃない。」（ http://mr-bike.jp/feature/vtr/05_bq/index.html ）

ああ～、行きましたねぇ～、♪世界でい～ち～ば～ん熱くひ～か～るぅ夏ぅ～、みたいな日に。

「そうそう、プリプリみたいな日に、、、ってなんじゃそりゃ」

……で、もしや？

「はい、今回は名古屋！」

名古屋っ！ いいですね～！ ウチのバイト連中に、名古屋って何県？ と聞いたら正解率50％、何地方？ と聞いたら正解率30％くらいの名古屋ですね!?（※ウソです）

そうか～、あの正村ゲージ発祥の地、そして名古屋嬢！……じゃなかった名古屋城。

その昔、サラリーマンをしていた頃に営業で一度行ったきりなんだよね。

あの時は時間もなくて、トンボ返りだったからなぁ～、楽しみだわ。

でも、食べ物は？ 櫃まぶしに味噌カツしか思いつかないんですが。あ、デザートはういろうとか。

「ふふ。もうね、色々と考えてあるから大丈夫」

あ、んじゃまた体ひとつでいいんすね？

「うん、てか宮ちゃん！うどんまだ～？」

「ごめんごめん、ちょっと……ちょっと待っててくれるかな」

え？ あ、はい。てか、どうしたんです？ 様子が明らかにおかしいですよ、立て続けに役満でも振り込んだんですか？

「いや……ちょっとね、こんなの生まれて初めてってくらいね、高熱が」

えええ～!? 何度あるんです？ ヤバくないですか、これから長旅ですよ。

「う～ん、でもだいぶ下がってきてるみたいだから、これから向かうよ」

了解です！ あ、ちょっと野暮用があってフタコにいるんでロータリーに着いたら連絡ください。

もちろんマックは内緒だ。

しかし、ちょっと不安な幕開け。

なにしろ、スタッフは中尾さんだけ！

バイクはおいらが乗るけど、車の運転から撮影まで全部中尾さんひとりなのだ……。

会ってみてヤバそうだったら日程変更してもらおう。

ほどなく、到着のお知らせ。ホットドッグに後ろ髪を引かれながら、マックを後にする。

「おっはよ～！ ……ん？ ハンバーガーとか食べて大丈夫？ ダメじゃない？」

……ハッ！しまった、マックコーヒー持ってきてしまった。

しかし、中尾さんが元気そうでなによりである。

「なんとか熱は下がったけど、食べられそうにはないんだよね～」

え？ ま、まさか？