林道・御岳山線はちょっとだけガレたところもあるけど、基本的に難所はなくフラットで走りやすい(私は)。 新緑がキモチイイッ!どんどん高度を上げていく。
濱矢:「毎月、林道に出没しているから、もう初心者ではないので、なんてことはない。周りの景色を楽しみながら、リラックスして走れる。気がかりがあるとしたらアッキーの存在だけ。セローは乾いたところも、ちょっと湿ったところもバツグンのトラクションで前に進んでいく。快適、快適。
ニーチェは言った“生きることはなんなのか。生きるとは、死にかけているようなものを、絶えず自分から突き放していくことである”と。
自分の世界を限定しないで新しい世界へ入って行くことに生きる喜びがある。
ロードモデルで舗装路しか走ったことがない人は人生において損をしていると思う。
ちょっと脇に入ったところにこんな楽しい世界が広がっていることを知らないなんて、もったいないオバケが出るな(古いか)」
アッキー:「おうっ! ハマちゃんスーさんならぬ、ハマちゃんアッキー林道珍道中は今度で2回目。もうコケたりせずにバッチリ行けるだろうと思ったものの、しかし、あれからすでにもう1年。すっかり前回の教訓など忘れ去り、いざ舗装道路から林道に入ると、超コワイじゃないか! あれ、オレってもしかして初期化してる……。
怖さにスピードが出せず、メーターを見る余裕すらなかったのだが(体感速度としては)、ほぼ時速10kmに満たなかったと思われる。
だが、マシンは前回も乗って、オイラとバッチリの相性を見せたセロー。こりゃやるっきゃねぇぜ!(バリバリ伝説のグン調で)、と思いつつ、そのままではどーしよーもないのでハマ師匠に教えを請い、とりあえず『ある程度スロットルを開けてないとかえってコケるよ』というコトバを頭に刻み込み、セローのスロットルを開けていくと少しずつ楽しくなってきた。アドベンチャーだぜ」
でも……やっぱり、やっちゃった……
気持ちよく先頭を走っていて、ふとバックミラーを見ると、アッキーが来ていない。止まって待つ。こない。
Uターンして戻ってみたら、案の定、アッキーは土の上に座り込んで横倒しになったセローと休憩していた。
いわゆるコケたってやつね。
まだ走り始めて2kmも走っていないっす。ワダチの低い部分に向かって倒れ込んでいるから、四十路の腰痛持ちは起こせなかったようだ。
アッキーよりセローが気になって駆け寄って起こした。トレールバイクの良いところは少々の転倒では壊れないところだ。セローの損傷はキズだけ(ヤマハさんごめんなさい)。
アッキーの身体も、比較的柔らかな土の上だったし、幸いケガはない。
「これはもしかすると今日はこの林道だけで終わるかも、いやこのまま下りた方がいいのかも……」と脳裏をよぎった。でも本人が「イケル」というので進むことに。