2018年5月16日

Honda Monkey125 『伝統受け継ぐ”新猿”、 間もなく発進!』

■試乗:ピンキー髙橋
■写真:依田 麗/Honda
■問合せ:Hondaお客様相談センター TEL0120-086819
http://www.honda.co.jp/Monkey125/

 
昨年の第45回東京モーターショーでワールドプレミア、3月に行われた東西モーターサイクルショーでは市販予定車として出展された「モンキー125」、日本では7月12日より発売されることが発表されました。4月29日に東京サマーランドで開催された「モンキー・ミーティグ」の会場にて、大阪&東京モーターサイクルショー出展モデルに触れ、ちょこっと試乗させていただき、開発に携われた方のお話を伺う機会に恵まれたのでご報告を。

“アソビの達人”をコンセプトに、”トコトコ走る”楽しさを追求

 昨秋より様々な情報がすでに展開されている「モンキー125」。そもそもは「Wave 125i」など海外のカブ系モデルへの搭載を前提に開発された、4速マニュアル・ミッションが組み合わされる空冷4ストロークOHC単気筒エンジンは、今回の正式発表によって6.9kw(9.4ps)/7,000rpm、11N・m(1.1kgf・m)/5,250rpmというパワー&トルクのスペックが明らかに。日本で同型エンジンを搭載するグロムと比較すると、最高出力が抑えられた数値になっています。
 
 乗車定員は1名のため、定地燃費は向上(WMTCモードは変わらず)。また、ABS(フロントのみ)装着モデルもライナップされ、車両重量はスタンダードで105kg、ABS装着モデルで107kgに。カラーはパールネビュラレッド、バナナイエローの2色を設定。メーカー希望小売価格(税込)は39万9,600円(ABS装着モデルは43万2,000円)となっています。
 
 モンキー125はタイで生産されているグロム(MS125)を基本としているため、開発もバンコクにある東南アジアの開発拠点(ホンダR&Dサウスイーストアジア:HRS-T)を中心に進められてきたもの。その原型は2016年春、バンコクモーターショーにてコンセプトモデルとしてお披露目されています。
 

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今回、お話を伺ったモンキー125の開発に携わった方々。(写真左より)モンキー125日本仕様の商品企画を担当したホンダモーターサイクルジャパン 企画部 商品企画課 荒木順平さん、モンキー125の開発責任であるホンダR&Dサウスイーストアジア 製品開発部 車体設計課 新出安男さん、そして新出さんの部下として車体設計を担当したのに加え、設計メンバーを統括したホンダR&Dサウスイーストアジア 製品開発部 車体設計課 ナーワー・フォンミーさん。


 
 ということで、モンキー125の開発責任者を務めた新出安男さんはHRS-Tのエンジニアで、モンキー・ミーティングに合わせて前日に日本に着いたばかり。そんな新出さん曰く、モンキー125に対する声は現時点では「イイね」と「大きいね」の半々だとか。
 
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 モンキーは「CB」や「スーパーカブ」同様にホンダにとって歴史があり、失くしてはならないブランドのひとつ。昨年秋、排出ガス規制によって生産中止となってしまいましたが、日本に根付いたモンキーを世界にも広めたい! という想いから、コミュータークラスの二輪のグローバルスタンダードである125ccとしてリボーンとなったそうです。
 
 ベースはグロムとは言え、フレームのヘッドパイプやメインパイプなどを除いてモンキー125専用設計に。まずはスタイルありき、ということでこれまでのモンキーのイメージを踏襲することを重要視しているため、ホイールベースを短くし、最初から1人乗り専用車として開発されています。エンジンもグロム用をベースとしながらトコトコした走り、音などにこだわった結果、エアクリーナーやコネクティングチューブを専用設計、中回転域を重視した独自のチューニングが施されているそうです。
 
 そんな新型モンキー125を、モンキー・ミーティングが開催された東京サマーランドの駐車スペースにて体験。試乗車はMCショーに出展された市販予定車とのことでしたが、ほぼ市販モデルと言って間違いないでしょう。
 
 グロムの乗り味に近いものだろう、という最初の予想は裏切られました。モンキー125はやはり乗り味も音も”モンキー”でした。耳に近いアップマフラーのせいでしょうか? 軽妙なエキゾーストサウンドがどこか懐かしいような心地よさを感じます。操縦性も然り。半世紀に及ぶ歴史を誇るモンキーとは何ぞや? ということを研究されているんだなぁと感じる仕上がりです。車体は確かに大きくなっていますが、その分、安心感が備わっており、ブレーキも前後ディスクで申し分のない効き。従来の愛らしいモンキーのイメージが強かった分、新型はその大きくなったサイズばかりに目がいきがちですが、乗って楽しいことにはなんら変わりないことがわかりました。
 
 今回のご報告はここまで。今度はナンバー付車両で公道を走った時の感想をご報告したいと思います。
 

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前後に短く上下に長い、太い足を踏ん張った独自の”台形シルエット”と、ヘッドランプをはじめとするすべての灯火類のLED化、ウインクするアニメーションを採用するLCDタイプのメーターなどの最新装備が共存するモンキー125。Z50Z型モンキー1970年モデルのような旧ウイングマークのエンブレム、1971年型のカラーリングをオマージュしたようなタンクの容量は4.3Lから5.6Lへ。
1978年のZ50J型から見られるタックロールのシートは存在感をアピールしたもの。ウレタンの厚みをもたせつつ、足着き性も損なわないいい塩梅の設定となる。エンジンは4500~6000回転付近のパワー&トルクを重視した専用セッティングを施したもの。フロント倒立フォークは車体色に合わせたアルミ切削仕上げ。タイヤは存在感を出すために80偏平を採用。レジャー感を演出するブロックパターンだ。長円径断面のスイングアームは縦方向の剛性確保とデザインの基調であるラウンドシェイプを両立させたもの。


 
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昨年、生産終了となった50cc時代のモンキー(50周年アニバーサリー)と並べると、サイズ感の違いがわかる。一方、ベースとなったグロムに比べホイールベースは45mm短縮。これはモンキー独自の台形シルエットを実現するためであり、乗車定員も1名となる。リアサスペンションもグロムの1本に対しコンベンショナルな2本。


 
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●モンキー125 主要諸元
■型式:2BJ-JB02■全長×全幅×全高:1,710×755×1,030mm■ホイールベース:1,155mm■最低地上高:160mm■シート高:775mm■車両重量:105〔107〕kg■燃料消費率:71.0km/L(国土交通省届出値 60km/h定地燃費値 1名乗車時)67.1km/L (WMTCモード値 クラス1 1名乗車時 )■最小回転半径:1.9 m■エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124cm3■ボア×ストローク:52.4 × 57.9mm■圧縮比:9.3■最高出力:6.9kw(9.4 PS)/7,000rpm■最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/5,250rpm■燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)■始動方式:セルフ式 ■点火装置形式 :フルトランジスタ式バッテリー点火■燃料タンク容量:5.6L■変速機形式:常時噛合式4段リターン■タイヤ(前/後):120/80-12 65J/130/80-12 69J■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■懸架方式(前/後): テレスコピック式(倒立サス) /スイングアーム式 ■フレーム形式 :バックボーン■車体色:パールネビュラレッド、バナナイエロー■メーカー希望小売価格(消費税8%込み):399,600円(ABS装着モデルは432,000円)


 



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