2018年6月7日

YZベースの“エンデューロレーサー”シリーズが2019年モデルに

 YZ450FX/YZ250FX/YZ250X/YZ125X 1,058 ,400円/810,000円/734,400円/626,400円(8月28日発売)

2014年12月に国内発売された4ストロークエンジン搭載エンデューロレーサー、YZ250FX。そして1年遅れの2015年11月には、YZ450Fをベースに開発されたエンデューロレーサー、YZ450FXが満を持して登場した。

エンデューロ・レースファンにとって待望のモデルといえるこのYZ-FXシリーズ、“モトクロッサーYZのDNAを引き継ぐ次世代エンデューロレーサー”をコンセプトに開発された。最大の特徴としては、エンデューロレースでの使用環境に合わせてセルフスターターが装備された点だろう。その他にもエンデューロレース向けに数々の仕様変更が行われている。メインスイッチレスシステムを採用したセルフスターターの採用のほか、国内専用ECUおよび専用クラッチ、専用変速比を持つワイドレシオミッション、前後エンデューロタイア、アルミ製サイドスタンド、樹脂製エンジンガード、そしてラジエターファンの追加などなど。

昨年は、カラー&グラフィックの変更のみで2018年モデルに、また2ストロークモトクロッサーをベースとしたエンデューロマシン、YZ250X、YZ125Xも同時にカラー&グラフィック変更で2018年モデルとなっていた。

今回の2019年モデルでは、フラッグシップといえるYZ450FXが、昨年フルモデルチェンジを受けたYZ450Fをベースにした新型へと生まれ変わった。エンデューロ向けとした足周りや専用セッティングのエンジン、スマートフォンでセッティングができる“新パワーチューナー”、手元でエンジン特性を変えられる“モードスイッチ”などを搭載。容量8.2リッターの樹脂製燃料タンクの採用など。

450以外のYZ250FX、YZ250X、YZ125Xは2019カラー&グラフィックへの変更のみ。

_ph.jpg

YZ450FX。昨年新型となったYZ450Fをベースにフルチェンジ。

_ph.jpg

YZ250FX。カラー&グラフィック変更。

_ph.jpg

YZ250X。カラー&グラフィック変更。

_ph.jpg

YZ1250X。カラー&グラフィック変更。

 

★YAMAHA ニュースリリースより (2018年6月7日)

「YZ450FX」はスマートフォンなどでエンジンセッティング可能な新パワーチューナーを搭載
エンデューロ向け競技用モデル4機種の2019年モデルを発売

ヤマハ発動機株式会社は、124cm3~449cm3の排気量を揃えたクロスカントリー・エンデューロ向け競技用モデル「YZ450FX」「YZ250FX」「YZ250X」「YZ125X」4機種の2019年モデルを、8月28日より発売します。

フルモデルチェンジを行う「YZ450FX」は、モトクロス競技用のハイエンドモデル「YZ450F」をベースに、エンデューロレースでの表彰台を狙うモデルとして開発しました。主な特徴は、1)エンデューロレース専用に最適セッティングを施し軽快なハンドリングなどを実現するフレーム&サスペンションセッティング、2)エンデューロレースで求められる扱い易さ、高回転域での力強さを実現する専用セッティングを施したエンジン、3)スマートフォンなどでユーザー自身がきめ細かいエンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載、4)路面状況などに応じて手元でエンジン特性を切替えられる「モードスイッチ」の採用、5)マス集中化を図りながら8.2L の容量を備える樹脂製燃料タンクの搭載、6)プロテクション性に優れる新形状の樹脂製アンダーガードの搭載などです。

「YZ250FX」「YZ250X」「YZ125X」は、上位モデルとのリレーションを図ったカラー&グラフィックデザインを採用しました。

なお本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2018年6月7日から12月9日の期間限定で予約販売します。

<名称>
「YZ450FX」
<車両本体販売価格>
1,058,400円(本体価格980,000円/消費税78,400円)
<名称>
「YZ250FX」
<車両本体販売価格>
810,000円(本体価格 750,000円/消費税60,000円)
<名称>
「YZ250X」
<車両本体販売価格>
734,400円(本体価格 680,000円/消費税54,400円)
<名称>
「YZ125X」
<車両本体販売価格>
626,400円(本体価格 580,000円/消費税46,400円)
 
<発売日>
2018年8月28日
 
<カラーリング>
■ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
 
<販売計画>
500台(シリーズ合計/国内)
 
※「YZ450FX」「YZ250FX」「YZ250X」「YZ125X」は、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
※保証(クレーム)の対象外製品となります。
《2019年モデル「YZ450F」主な特徴》
1)エンデューロレース専用に最適セッティングを施し
軽快なハンドリングなどを実現するフレーム&サスペンションセッティング
車両重量は、2018年モデル比約3kgの軽量化を実現しました。フレームは、モトクロス競技用モデル「YZ450F」と同一のバイラテラルビーム・フレームを採用。懸架の締結部の剛性をチューニングし、エンデューロに求められる、しなやかな剛性バランスを実現。良好な接地感と軽快なハンドリング、ギャップ走行時のダイレクトな路面状況の把握を可能にしました。フロントサスペンションは、アウターチューブを「YZ450F」と同一パーツとし、良好な接地感に貢献。シリンダー径も従来モデルの24mmから25mmに拡大しオイル流量を増加。リアサスペンションも、従来モデルよりも高い疲労強度をもつコイルを採用することで、従来比約350gの軽量化を行っています。
 
2)エンデューロレースで求められる
扱い易さ、高回転域での力強さを実現する専用セッティングを施したエンジン
モトクロス競技用モデル「YZ450F」のエンジンをベースとして、エンデューロでの走破性・扱いやすさを照準に合わせて開発しました。吸気系と、FI・点火マップを「YZ450FX」専用にセッティングすることで、レースで必要な扱い易さ、高回転域で力強く伸び続けるパワー特性、良好なオーバーレブ特性を実現しました。また、セルフスターターシステムの電源は、「YZ450F」と同様に軽量なリチウムイオンバッテリーを採用しています。その他、2018年モデル同様、ラジエターファンも装備しています。
 
3)スマートフォンなどでユーザー自身がきめ細かい
エンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載
パワーチューナーにより、セッティング機能が大きく向上。専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォンなどを操作することで、エンジンセッティングを行うことが可能です。エンジンマップを格子で示す「スロットル開度(%)」「回転数(r/min)」のポイントは、従来モデルの3×3から4×4に細分化、かつ、わかり易くビジュアルで表示します。また、各ポイントに設定できる値も任意で選択可能。それにより、狙いの回転域でのきめ細かなセッティングが可能となりました。その他にも、レースログや故障診断、リアルタイムでの車両状況チェックモニター、データのバックアップ機能も備えています。
 
4)路面状況などに応じて手元でエンジン特性を切替えられる「モードスイッチ」の採用
ハンドル左側には、エンジンマップの切り替えが可能な「モードスイッチ」を設けました。2ndマップはSTDマップに対して、ウッズやテクニカルな低速セクションでの扱い易さ・走破性を重視したセッティングを施してあります。また、STDマップ、2ndマップそれぞれに対して、パワーチューナーで好みに合わせたエンジンセッティングも可能です。
 
5)マス集中化を図りながら8.2L の容量を備える樹脂製燃料タンクの搭載
クロスカントリーレースでの給油回数を削減するため、容量8.2Lの専用樹脂製タンクを採用しました。燃料ポンプをコンパクトにすることで、タンク中心から下方向に約2L分拡張(「YZ450F」比)し、低重心化・マス集中化を図りました。その結果YZ450F同様、自由度の高いライディングポジション、軽快な操縦性を確保しています。
 
6)プロテクション性に優れる新形状の樹脂製アンダーガードの搭載
外装の細部にまで熟成を行い、強度に優れる樹脂製のアンダーガードを採用。轍走行や飛び石によるフレーム、エンジン、ウォーターポンプ、ホースなどの損傷防止効果を高めつつ、スリムなフォルムにより轍に引っ掛かりにくく、かつ前輪からの泥入りも最小限になるよう配慮しました。
 
2019年モデル「YZ450FX」フィーチャーマップ
・エンジンマップ切り替え可能な「モードスイッチ」
・燃料警告灯(残量2Lで点灯)
・2ピース式エレメント採用クリーナーボックス
・FX専用ECU&点火マップ
・レギュレター/コンデンサー一体設計
・専用セッティングのサスペンション
・新形状の樹脂製アンダーガード
・水冷・4ストローク・4バルブ・FIエンジン
・セルフスターター
・ラジエターファン
・スマートフォンなど対応の新パワーチューナーおよびCCU(コミュニケーションコントロールユニット)
・クローズドタイプのブリーザー
・8.2Lの樹脂製燃料タンク
・小型燃料ポンプ
・バイラテラルビーム・フレーム
・エンジン懸架ブラケット締結剛性変更(専用チューニング)
・剛性アップし、引き起こしやすいリアフェンダー
・軽量リチウムイオンバッテリーー
・新設計アルミ鍛造サイドスタンド
・18インチタイヤ
・軽量シールチェーン
・耐久性を向上させた専用クラッチ
・ワイドレシオ5速ミッション
・大型化したセルフスターターカバー(エンジンとモーター間への小石等の入り込み抑止)
 

★主要諸元

車名型式
YZ450FX(B3J4)
発売日 2018年8月28日
全長×全幅×全高(m) 2.175×0.825×1.270
軸距(m) 1.480
最低地上高(m) 0.320
シート高(m) 0.955
車両重量(kg) 116
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 1
燃費(km/L) -(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m)
エンジン型式
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 449
内径×行程(mm) 97.0×60.8
圧縮比 12.8
最高出力(kW[PS]/rpm) -[-]/-
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) -[-]/-
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 TCI(トランジスタ式)
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 0.90
燃料タンク容量(L) 8.2
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1速 2.416
2速 1.733
3速 1.312
4速 1.050
5速 0.840
減速比1次/2次 2.608/3.846
キャスター(度) 27°10′
トレール(mm) 116
タイヤサイズ 80/100-21 51M
120/90-18 65M
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 セミダブルクレードル