2017年8月19日

FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記

ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第18回

FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記 ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第18回 

ナイトロ・ノリこと芳賀紀行とその実兄である芳賀健輔がともに立ち上げたK-max Racing。FIMアジアロードレース選手権スーパースポーツ600クラスに参戦を開始したチームはホーム鈴鹿での一戦を終え、再びアジアへの転戦を開始する。

●取材協力-K-max Racing


FIMアジアロードレース選手権 Rd.4 セントゥール
8月11日~8月13日
セントゥール・インターナショナル・サーキット(全長3・964㎞/コーナー数11)
K-max Racing #41 YAMAHA YZF-R6 (スーパースポーツ600㏄クラス)
予選=12番手 レース1=14位 レース2=11位  ポイントランキング=11番手

ナイトロ・ノリ選手

 みなさん、こんにちは、K-max Racingの芳賀です。今シーズンは、おにぃ(芳賀健輔)と一緒に立ち上げたK-max RacingからFIMアジアロードレース選手権(ARRC)に参戦しています。これまで開幕前のテストから6月の鈴鹿まで立て続けにレースがあったんだけど、今回は2か月ほどちょびっと合間があって、もういっぺんアジアにやってきました。

 今回のARRCの開催地はインドネシア。首都ジャカルタから50kmほどのところにあるセントゥールというサーキット。コースがめっちゃギャップがようけあって、荒れ果てとる、きっついコース。コントロールタワーやピットガレージといった設備もびみょ~。1997年に初めて走って、この2015、2016年はARRCで走ってきとるけど、あまりいい思い出はないし、やっぱり今回もいいとこなしやったね……

 チームとしてはまったく経験のないコースで、データもない。ほんだで、まぁデータを持っていて複数台を走らせとるチームと比較すれば、厳しい戦いを強いられることはわかっとった。ほんでもスタッフはこのレースに向けてやるべきことをひとつずつ積み重ねてやってくれた。

 鈴鹿で車体の方向性は見えてきたチームのYZF-R6は、今回は走り出しから何をやってもダメ。マシンもトルクが足りず、前に進まなくって……車体もセットアップを煮詰めきれずにレースウィークがあっちゅーまに終わってしまった。チームとともに、いろいろともがいてみるんやけど、どうにも……。

 予選もいまひとつ振るわんくて、12番手グリッドからのスタート。レース1は攻めきれないまんま、序盤からジリジリと順位を下げていって14位でレースを終えてしまった……

 レース2は、コース上にライダーが残っており途中で赤旗が出てレースはいったん中断。その中断中に、今度は大量の雨。凄いスコールになってと、結構波乱の展開になってね。ここで雨に乗じて一気に上位進出と目論んだんだけど、雨も再スタートからの9周のうちにほぼ上がってしまって、路面の状態もそれほど良くならんまんまに11位でレースが終わってしまったって感じです……やっぱりドライでセットアップができなければしっかり攻められない。あかんかったってことやね。

 次戦第5戦はインド。インド・チェンナイ郊外にあるマドラス・サーキットとなりました。昨年のARRCインド戦はブッダ・サーキットでのレースでした。今回はコースが変更となって、走ったことのないサーキットだけれども、自分にはなにができるか、なにをするか、チームも頑張ってくれてるので、目一杯がんばってくるんで、皆さん懲りずにK-max Racing 41号車の応援よろしゅうお願いします!

レース2

レース2は赤旗の後、凄いスコールと波乱の展開に。

インドネシア

マシンの理解は進んだものの、まだもろもろが噛み合っていないという状況でインドネシアでは結果にはつながらなかった。創設したばかりのチームで、さらにAP250への参戦とバタバタが続くが、それでも前を見据えてやっていく。

息子2人も同行

今回、ノリ選手の息子2人も同行。長男である芳賀瑛大(はがあきと)選手もARRCのAP250クラスにヤマハYZF-R25で鈴鹿に引き続きの参戦となった。今回は、マシンをインドネシア・ヤマハで調達。鈴鹿でのマシンとは別物、ということで急きょカウルを一部加工しての参戦となった。

瑛大選手

瑛大選手は、コースのギャップがひどく、タイムアップに手こずり、予選は振るわず26番グリッド。レース1は19位。レース2ではスタート時にエンジンの不調もあり、いったんは最後尾まで落ちたものの24位で完走した。

チームる

続く第5戦のインドは、開催場所だけでなくスケジュールも変更となっている。9月22~24日にインドのマドラス・サーキットで開催となる。今シーズンも残すところ、インド・タイの2戦。チームは今一度全てを見直して残りのレースに挑む


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年~2015年にかけて鈴鹿8時間耐久レースでは3年連続3位表彰台を獲得している。FIMアジアロードレース選手権への挑戦は今年で3シーズン目となる。


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