2017年11月7日

2017EICMA/ミラノショー速報! 『ホンダとヤマハからは!?』

■レポート&写真:河野正士

 
昨日、ドゥカティがプレスカンファレンスを行い、我々報道陣にとっては2017年EICMA・ミラノショーがスタートしました。そのプレEICMA、2日目はホンダとヤマハの2社のプレスカンファレンスが開催されました。昨年まで、月曜夜はドゥカティ、ホンダ、ヤマハと3社のプレスカンファレンスが行われ、移動も含めてテンヤワンヤになるのですが、今年のEICMA前日のプレスカンファレンスは2社だけとなり、それだけでも少し楽。しかも今年は両社が近くの会場でカンファレンスを行ったことで、移動による精神的ストレスもなくなりました。でもカンファレンススタートは夕方から。しかも2社目のヤマハのカンファレンスが終わったのは23時ごろ。さすが宵っ張りなイタリア人です。

 
 さて、まずはホンダからレポートしましょう。
 ニューモデル発表の前に、2018年に各カテゴリーに参戦するチームとライダーを紹介。AMAスーパークロスを戦う2名以外、ラリー、モトクロス世界選手権、トライアル世界選手権、そしてMotoGPの、全13選手が登場しました。
 

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ダカールラリーに挑むMonster Energy Honda Teamから、ホアン・バレダ、パウロ・ゴンサルヴェス、ケビン・ベナバイズ、マイケル・メッジ、リッキー・ブラベック。

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モトクロス世界選手権に挑むTeam HRCから、ティム・ガイザー、ブライアン・ボジャーズ。

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AMAスーパークロス世界選手権に挑むTeam Honda HRCからケン・ロクスン、コール・シーリー。

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トライアル世界選手権に挑むRepsol Honda Teamから、トニー・ボウ、藤波貴久。

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MotoGPに挑むLCR Honda CASTROLから、カル・クラッチロー、中上貴晶。

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MotoGPに挑むRepsol Honda Teamから、マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ。


 
 そしてニューモデル紹介へ。と、その前に東京モーターショーでも発表したコンセプトモデル「スーパーカブC125」がライドイン。意外にもプレスの反応は上々でした。イタリアやフランス、スペインあたりではスクーターが日常の足として認知されているだけに、そこに「カブ」が食い込めるのではないか、と想像します。
 
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 東京モーターショーで市販予定車として発表されたゴールドウィング・シリーズは、「GL1800ゴールドウィング」「GL1800ゴールドウィング・ツアー」として発表されました。細かいようですが日本では「GOLDWING」。でも現地で入手したプレスリリースには「GOLD WING」と2ワード表記になっています。現地で話した欧州のジャーナリストが、この現車を見るのをとても楽しみにしていました。このデザインと新しいテクノロジーは、欧州でもウケると思います。
 
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 同じく東京モーターショーでも発表したコンセプトモデル「モンキー125」もライドイン。一部欧州では、ホンダの4ストローク・スモールバイクは圧倒的な人気を誇っていて、なかでも「モンキー」の名は神通力があります。これも欧州で発売されれば、人気となるでしょう。
 
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 X-ADVは、オフロードの走行性能をアップさせるために「Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)」などの新機能を装備。またA2ライセンス対応の出力35kWモデルも追加しました。“A2ライセンス”とは、出力35kW以下、パワー・ウエイト・レイシオ0.2kW/kg以下の車両を対象としていて、免許取得年齢は18歳以上。かつ、16歳から免許取得可能で、排気量125cc以下、出力11kW以下、パワー・ウエイト・レイシオ0.1kW/kgの“A1ライセンス”の保有期間が2年以上という免許。要するにバイクの初心者が主な対象で、保険などが安いことからバイク保有のコスト感覚がシビアなライダーも、このA2対象モデルを狙ってきます。これが欧州では、意外とシェアを持っているのです。ちなみにX-ADVは欧州で、デビュー8ヶ月で年間予定販売台数1万台を突破したそうです。X-ADVが欧州で受け入れられた証拠ですね。
 
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 ここからはワールドプレミアモデル。新型CRF1000Lアフリカツインです。スロットルバイワイヤーの採用によって3つのライディングモードを採用。出力特性はもちろん、エンジンブレーキやHondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)も変化させています。HSTCには7つのレベルとOFFモードも装備。
 
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 そしてアフリカツインのスペシャルバージョン、CRF1000Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツです。新型アフリカツインをベースに、5.4リットル容量を増やした、総容量24リットルのビッグタンクと、+22mmで総ストローク量252mmのフロントフォーク、+20mmで総ストローク量240mmのリアショックを搭載。大型スクリーンにサイドカウルガード、スキットプレート、グリップヒータを標準装備。フットペグ周りを変更し、よりオフロードに適したポジションとしました。
 
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 そして“本命”の前に伏兵登場。CB300RとCB125Rです。“Neo Sports Cafe Concept”に、小排気量バージョンを用意していたとは、本当に驚きでした。CBR300Rに採用されていた水冷DOHC4バルブ単気筒エンジンと、CBR125Rに採用されていた水冷SOHC2バルブ単気筒エンジンをそれぞれ採用。資料には“新型フレーム”とあるのですが、共通フレームなのではないか?と想像しています。現場で確認できなかったので、なんとも言えないのですが……。この2台、エンジン&マフラー形状はもちろん、タンクやラジエーターカバーの造形、リアフレーム周りのレイアウトがずいぶんと違っています。しかし明らかな兄弟感を造り上げるとともに、“Neo Sports Cafe Concept”が貫かれていて、実に格好いいです。41mm径の倒立フロントフォークやIMUベースのABSなど、装備も充実しています。
 
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 ようやく“本命”です。東京モーターショーで発表されたコンセプトモデル“Neo Sports Cafe Concept”のストリートバージョン、CB1000Rです。個人的には、期待は裏切られませんでした。フレームは新設計のモノ・バックボーンスチール・フレーム、CBR1000RRファイヤーブレード用エンジンをさらにパワーアップし、3つのライディングモードを装備。アクセサリー類も多数ラインナップされるようです。
 
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 ライドインしてきたCB1000Rの、ライダーのヘルメットが格好いいので写真を撮ったら「???」。直後にスペシャルプレゼンターとしてミック・ドゥーハンが紹介されました!
 
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 最後にライダーとドゥーハン、そしてホンダ首脳陣がCB1000Rを囲んで記念撮影です。
 
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 続いてヤマハに移動です。オープニングは柳社長が登壇。2018年から会長職に就くとの発表があったばかりでしたので少し驚きましたが、熱のこもったプレゼンテーションでした。
 
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 オーリンズ製サスペンションを装着したMT-09SPです。スミマセン、ポジショニングが悪くて、この角度でしか写真を撮れませんでした。SPモデル用のスペシャルカラーも採用しているのですが……。
 
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 続いてMT-07。デザインを一新。ヘッドライト周りのイメージが、ずいぶん変わりましたね。フロントフォークをよりスポーティングにセッティングし、ライディングポジションも変更されているそうです。
 
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 外装類を変更するとともに、あらたにアルミ製スイングアームを装着した新型トレーサー900です。ヤマハにおけるスポーツツーリングカテゴリーは、販売台数を順調に伸ばしていて、トレーサー900はその牽引役。EUにおけるヤマハのスポーツツーリングカテゴリーにおいて、トレーサー900はその半数を占めています。また今回はサイドケースのほか、TFTパネルやフルアジャスタブルフロントフォーク、リモートプリロードアジャスターを持つリアショック、クイックシフターやクルーズコントロールを装備するトレーサー900GTもラインナップしました。(写真はそのGTです)
 
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 昨年のEICMAで発表されたコンセプトバイク、T7コンセプトの市販バージョンが出る、とのうわさを聞いていたのですが、今回はそのT7からさらに進化したコンセプトバイクということで、テネレ700が発表されました。壇上に立ったヤマハ関係者も“コンセプトかよ、って言わないで。しっかり進化を継続させています”とコメントしていました。そのテネレ700は、アルミタンクにモトクロッサーのリアフェンダーを装着したT7コンセプトの荒々しいイメージから、ずいぶん洗練された感じ。がっかりしたような、期待しちゃうような、複雑な心境。とにかく続報を待ちます!
 
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 欧州モデルとしてラインナップされている、1200cc2気筒エンジンを搭載するスーパーテネレもマイナーチェンジ。カーボンサイドパネルや新デザインのアルミ製37リットル燃料タンクを装備しています。
 
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 ここまで進行したところで、舞台袖から歩いてくる人物が! はい、この方。バレンティーノ・ロッシ。会場が一気にざわめきました。
 
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 で、発表されたのが、東京モーターショーにはコンセプトモデルとして展示されていたNIKENです。この車両はまさしく、あの市販バージョンです。
 
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 このNIKENのプレゼンテーション中は、ロッシが傍らにいたわけですが、彼はプレゼンそっちのけで車両を凝視しまくり。根っからのバイク好きですね! ということで、最後はNIKENを囲んで記念撮影。
 
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 ふー、ということで、今日からEICMA本番。これから会場に向かいます。
 



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