2018年4月13日

高速道路が乗り降り自由の二輪車ツーリングプラン、2018年版・13コースが4月25日より受付開始

 

◎4地域13コース、最多価格帯は3000円

4月25日15時から、待望の2018年版の二輪車ツーリングプラン(=二輪車TP)の受付が始まる。予約可能な期間は4月27日~11月30日。昨年7月、首都圏から始まった二輪車専用プランは、今年さらにパワーアップした。

二輪車TPは、高速道路を使った乗り降り自由の周遊プランで、ETC車載器を搭載した二輪車でしか使えない専用プラン。コースのエリア内なら、どこからスタートしてもOK。有効期間中、対象区域内であれば、利用距離に関係なく何回乗り降りしても価格は変わらない。昨年は首都圏で4コースが発売され、約5か月で5万件の利用を重ねた。四輪車の周遊プランを超える異例の実績だ。

この余勢を駆って、今年は首都圏以外に名古屋市を中心とする「中京圏」大阪府吹田市・高槻市を中心とする「関西」、熊本市を中心とする「九州」の4地域で展開。4地域というと全国展開には程遠く思えるが、プランが利用できる地域は「二輪車の保有台数の80パーセントをカバーする」(国土交通省高速道路課)というほどで、4地域13コースを用意した。

首都圏

中京圏

関西

九州

 

◎片道150km~300km エリアとエリアのつながりもいい

2018年のプランは、一言でいうと、走り甲斐がある構成になっている。例えば、昨年の首都圏プランは4コースすべてが2500円(2日間有効)と価格は手ごろだった半面、もう少し遠くまで行きたいという利用者からの声が多かった。片道120km前後で、価格を抑えたためだ。しかし、2018年は中心価格帯を3000円に引上げ、その分、走行可能範囲を広げた。

例えば、2017年の首都圏にあった「東関東道・館山コース」は東関東道湾岸市川IC~潮来ICで約70km。東京湾アクアラインが含まれているとはいえコンパクト過ぎた。今年は「東関東道・館山道・常磐道コース」としてリニューアルし、常磐道を追加。北は日立南太田ICまでを対象し、筑波方面を目指すことも可能になった。それでも価格はわずか500円アップの3000円だ。

4地域というとおおざっぱなようだが、それぞれのコースの連携も、ほどよくとれている。首都圏の「東名・中央道コース」(3000円/2日間有効)は、東名、新東名、中央道を東京から西へ向かうエリアを対象にする。東名なら東京IC~清水ICまでだ。中京圏でも「東名・中央道コース」(3500円/2日間有効)がある。これは東名、新東名、中央道を名古屋から東へ向かうエリアが対象。東名は名古屋以西にある小牧IC~清水JCTまで。この首都圏と中京圏の2つのコース、つまり6500円で、東京~名古屋間をカバーすることができる。

九州のTPは、もっとわかりやすい。熊本を中心に「佐賀・長崎コース」「大分・福岡コース」「宮崎・鹿児島コース」の3コースがあるが、この3つのコースで九州全域の高速道路をカバーする。九州の起伏に富んだ地形と雄大な景色は、北海道以上にライダーには人気だ。各コース3000円(2日間有効)で九州全土を巡ることができるのであれば、地元だけでなく、フェリー等を使って遠方からツーリングを楽しむ場合にも、うまく利用できそうだ。

 

◎予約はネット キャンセルも簡単

初めて利用する人も多いので、二輪車TPの気軽さを、ぜひ強調しておきたい。

二輪車TPを使うためには予約が必要だが、それ以上にキャンセルが簡単だ。だから、予約の重苦しさがない。先にいうと、キャンセルは、予約をしたプランの対象区間となっている高速道路を利用しなければいいだけなのだ。予約を取り消さなくても、キャンセル料は請求されない。二輪車TPは、鉄道のように切符を買うわけではないのだ。

この手軽さは、ツーリングプランの仕組みに関係する。高速道路会社は、利用状況をETCシステムで把握して請求する。予約は利用する車両と利用日を登録する意味があり、会社は、利用者に通行料を請求する時点で、予約期間中の対象エリアの走行をシステム的に抜き出して、定額料金に計算し直す作業を行っている。そのため、予約した条件で利用がなければ、利用0円となるだけだ。

予約も手軽だ。高速道路会社のホームページにつながなければならないわけだが、そのタイミングは、利用しようと思うプランで高速道路に乗り入れる直前で手続きを完了すればよい。もっと言えば、高速道路に乗っていたとしても、利用するプランの対象エリア外の休憩施設で予約を完了すれば、対象エリア直前の料金所までの通行料金で精算され、TPのエリアに入ったら定額で乗り降り自由になる。

この手軽さだから、休日起きたら、ツーリング日和だったので予約して、すぐに乗り出すことができる。反対に、高速の入り口に向かって一般道を走っていたら急に雨が降ってきた、なんて場合はキャンセル。それが自由にできる。

予約は、NEXCO東日本(http://www.e-nexco.co.jp/)、NEXCO中日本(http://www.c-nexco.co.jp/)、NEXCO西日本(http://www.w-nexco.co.jp/)の各社専用ホームページから。

・首都圏=NEXCO東日本、NEXCO中日本

・中京圏=NEXCO中日本

・関西、九州=NEXCO西日本

12コースは2日間有効で2500円~4000円。東日本の「東北道・常磐道・磐越道コース」だけは3日間有効で5000円。

(レポート:中島みなみ)